2020/11/12進藤大典ヤーデージブック

コブさえなければ…オーガスタ8番で試される“ショートする勇気”

オーガスタナショナルGC 8番パー5 (570yd) ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典) オーガスタにあるパー5は4つ。前回紹介した2番をはじめ、いずれもスコアを伸ばしていきたいホールです。1942年から昨年大会までの通算データでも、ホ...
2020/11/11進藤大典ヤーデージブック

パー5の2打目でショートアイアンも デシャンボーがマスターズを変える?

オーガスタナショナルGC 2番パー5 (575yd) ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典) 84回を迎える大会で勝ち方はさまざまですが、デシャンボーによって、「マスターズ」は新たなステージに突入するかもしれません。彼の追求するスタイルがオ...
2020/09/04進藤大典ヤーデージブック

出るだけですごい最終戦 マキロイが10億円つかんだ16番

イーストレイクGC 16番パー4 (454yd) プレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」は30人のみが立つことを許される舞台です。出場者には翌年のメジャー、ことしに限っては本来ツアー優勝者のみで争われる1月「セントリートーナメントofチャンピオンズ」の切符なども与えられます。 まさに出ることが、これ以上ないステータス。前週「BMW選手権」最終日の最終18番、滑り込みで初出場を決めるパットを入れたマッケンジー・ヒューズ(カナダ)が「ゴルフ人生最大のプレッシャーを乗り越えた」と優勝したかのように喜んでいたのは、決して大げさではないのです。そして、そのエリートフィールドに米ツアー参戦から出続けてい...
2020/08/20進藤大典ヤーデージブック

16億円争奪サバイバルがスタート デシャンボーならバンカーは関係なし?

TPCボストン 18番パー5(530yd) PGAツアーのシーズンを締めくくるプレーオフが始まります。1500万ドル(約16億円)という夢の超ビッグボーナスをかけたシリーズは昨季から全3試合に変更され、1年ごとにニューヨークエリアと入れ替えることになった初戦「ザ・ノーザントラスト」の舞台も今季はTPCボストンの番。4試合制だったときは第2戦を開催していました。 ボストンから南へ60㎞ほどの場所にあり、この時期は空気もカラッとしていて過ごしやすい気候です。ショットメーカー向きのコースは、フェアウェイキープ、そして何よりアイアンの精度がキーとなります。グリーン自体は小さくないですが、硬い上にアンジ...
2020/08/19進藤大典ヤーデージブック

女子メジャー初開催 “全英一短い”難関ポステージスタンプ

ロイヤルトゥルーンGC 8番パー3(114yd) 2001年に「全英女子オープン」(現AIG女子オープン)がメジャーに昇格して以降、昨年までに13回が過去男子の「全英オープン」を開催したコースで行われてきました。ターンベリー、ロイヤルリザム&セントアンズ、ロイヤルバークデール、セントアンドリュース オールドコース、カーヌスティ、ロイヤルリバプール…ことしはロイヤルトゥルーンがそのリストに加わります。 松山英樹選手のキャディとして挑んだロイヤルトゥルーン開催の2016年は壮絶な大会でした。目まぐるしく変わる天候は、「1日の中に四季がある」と言われるスコットランドならでは。時に海風が突風のように吹...
2020/08/13進藤大典ヤーデージブック

暑い! 長い! パー3 ティショットは5Wも

セッジフィールドCC 12番パー3(235yd) PGAツアーのレギュラーシーズンも、いよいよ最終戦です。舞台はとにかく暑いノースカロライナ州グリーンズボロ。カリフォルニア州での「全米プロゴルフ選手権」は連日気温15度前後の中でのプレーでしたから、3時間の時差も重なり、連戦の選手はタフさが求められます。飛距離が伸びてショットの番手も、ひと番手は変わるため、対応力が試されます。 2013年に松山英樹選手が主催者推薦で出場してノンメンバーからシード獲得を決めた、僕にとっても印象深い試合です。例年プレーオフ直前の試合ということでスキップするトップ選手も少なくない中、世界トップクラスの仲間入りを果たし...
2020/08/06進藤大典ヤーデージブック

栄光への最終関門 優勝争いならリスク覚悟の大勝負も

TPCハーディングパーク 18番パー4(480yd) 今季唯一のメジャー「全米プロゴルフ選手権」が、いよいよ6日(木)に開幕します。前半の難所となる9番に続いて見ていくのは、フィニッシングホールの18番。2015年に「WGCキャデラックマッチプレー」が開催されたときは14番だったミドルホールが、夢舞台のフィナーレを飾ります。 左ドッグレッグの左サイドはグリーンまで湖が広がっています。ティショットは、正面のフェアウェイバンカーに向かってレイアップするのが基本的なプラン。とはいえ、左のペナルティエリアを避けて右に逃げれば逃げるほど、2打目に残る距離は長くなります。勝負どころではリスクを承知の上で...
2020/08/05進藤大典ヤーデージブック

5年前はパー5 今大会は最長500yd超え折り返しのパー4に

TPCハーディングパーク 9番パー4(515yd) 今回の「全米プロゴルフ選手権」がメジャー初開催となるTPCハーディングパークは、2015年に「WGCキャデラックマッチプレー」の舞台となったコースです。09年には「プレジデンツカップ」も行われており、松山英樹選手とともにWGCに挑んだ際は、その「プレジデンツカップ」のホールロケーションなどを参考データとして持ち込みました。 しかし、実際には2つの大会で異なるピン位置を採用したホールもあり、肝を冷やしたことを覚えています。世界ランキング1位のジャスティン・トーマスは先週、このコースについて事前情報を持ち合わせていないとコメントしていましたが、プ...
2020/08/04進藤大典ヤーデージブック

仕事は膨大、勝つ喜びは無限大 世界一決定戦メジャーの舞台裏

いよいよ「全米プロゴルフ選手権」が始まります。来月には「全米オープン」、11月には「マスターズ」が開催されますが、この2試合は2020-21年シーズンの試合にカテゴライズされていますから、今季唯一のメジャーということになります。 会場はカリフォルニア州のTPCハーディングパーク。早速ピックアップホールの解説…に移りたいところですが、せっかくの今シーズン1試合限りのメジャートーナメント。まずは僕自身が松山英樹選手のキャディとして目の当たりにしてきた、世界一を決める舞台の裏側を振り返ってみたいと思います。 特にことしは各ツアーが何カ月ものシーズン中断を強いられ、世界中のトッププロが、ここに照準を合...
2020/07/16進藤大典ヤーデージブック

最終日は池ポチャだった 2014年初Vの記憶

ミュアフィールドビレッジGC 16番パー3(201yd) PGAツアーが2週連続同じコースでトーナメントを開催するのは、1957年以来のことだそうです。新型コロナウイルスの感染拡大でまったく先の読めない状況下、ツアーも選手たちのためにあらゆる手段を講じています。 そんな異例のミュアフィールドビレッジGC2連戦の2試合目は「ザ・メモリアルトーナメント」。ジャック・ニクラスがホストを務める格式高い一戦です。 基本的に選手とキャディ、コーチ以外の練習場入場を禁じるなど、オーガスタナショナルに通じるコンセプトが随所に感じられます。キャディが白い上着を身にまとい、緑と白のコントラストが大会を彩るのも、...
2020/06/18進藤大典ヤーデージブック

大西洋を望む狭小グリーン 小平智が初V決めた17番

ハーバータウンGL 17番パー3(174yd) PGAツアーが再開しました。これまで当たり前のように毎週開催していたトーナメントが3カ月なかった分、ありがたみを実感します。陽性者が出たという情報もないようで、まずはひと安心。予断は許しませんが、世界中のスポーツ界が少しずつでも動き出してくれていったらと願っています。 再開2戦目の今週は、いよいよ松山英樹選手も出場します。「RBCヘリテージ」はルーキーだった2014年以来の参戦です。このハーバータウンGLは、ひと言で表現してしまえば“日本っぽい”コース。木々でセパレートされたホールのフェアウェイは狭く、グリーンも極めて小さい。林間コースで、風の...
2020/06/11進藤大典ヤーデージブック

PGAツアー再開初戦はショットメーカー優位?

かといった部分には、日本のゴルフ界にとっても参考になるところがあるかもしれません。まずは選手やキャディ、関係者が無事に終えられることを願ってやみません。 そして、このヤーデージブックも再開です
2020/05/13米国女子

横峯さくら 門外不出のゴルフノート/海外ゴルフ回顧録

1冊書き終わる』というゴルフノートと『今週の試合でこれは絶対重要だと思うことをメモする』というヤーデージブック。 両方のメモからはプロゴルファーとしての向上心も垣間見えた。 その後「さくら道」(横峯
2020/03/12進藤大典ヤーデージブック

最高のゴルフ場に最高の選手たち “第5のメジャー”はダテじゃない

TPCソーグラス 18番パー4(462yd) いよいよ「ザ・プレーヤーズ選手権」が始まります。舞台はPGAツアーの総本山ともいうべきTPCソーグラス(フロリダ州)。今年1月に亡くなった“鬼才”ピート・ダイ氏の代表作とされるコースですね。浮島グリーンが印象的な17番を筆頭に池が絡むホールが多く、数々のドラマを生んできました。 高精度のティショットが要求されるのはもちろんのこと、軽く13フィートは出る超高速グリーン。昨季から13年ぶりに3月開催に戻ったことで、5月開催のとき以上に風が厄介になりました。夏芝のバミューダに冬芝のライグラスがオーバーシード(冬場には枯れてしまう夏芝に、冬芝の種子を蒔き、...
2020/03/05進藤大典ヤーデージブック

“キングの庭”での戦いは「マスターズまであと1カ月」のサイン

ベイヒルクラブ&ロッジ 6番パー5(555yd) ゴルフ界のレジェンド、“キング”ことアーノルド・パーマーさんが亡くなられたのは、2016年9月25日のことでした。PGAツアーのシーズン最終戦「ツアー選手権」を終えた日の夜、ツアー関係者たちは訃報に接したのです。誰からも愛されたパーマーさんらしく、シーズンが終わるのを待っていてくれたような、そんな感覚に陥ったことを覚えています。 そんなパーマーさんのおひざ元、ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)での「アーノルド・パーマー招待」。4月のメジャー「マスターズ」まであと1カ月ということもあり、選手たちに「このあたりで調子を上げていかないと間に合わない...
2020/02/27進藤大典ヤーデージブック

あの元世界NO.1も大嫌い!? ベアトラップ最難関は“乗ればOK”

PGAナショナル・チャンピオンコース 17番パー3(175yd) 今年もフロリダを巡る季節がやってきました。今週の「ホンダクラシック」に始まり、「アーノルド・パーマー招待」「プレーヤーズ選手権」「バルスパー選手権」と4週にわたるフロリダシリーズの始まりです。 第1戦の舞台となるPGAナショナル・チャンピオンコースは、ジャック・ニクラスが1990年の改修に携わったことで知られる超難関コース。その中でも、特に難度が高い15番からの3ホール=通称ベアトラップが有名ですね。今回はその3ホールから、最も難しいと言っていい17番をピックアップします。 やや打ち下ろしとなる175ydのショートホール。何と...
2020/02/20進藤大典ヤーデージブック

キャディ泣かせのメキシコシティ すべてが試される17番

チャプルテペクGC 17番パー3(172yd) WGCが世界のゴルフコースベスト100に選ばれる当地に舞台を移して4年目。選手はもちろん、サポートするキャディたちも万全のコンディションで乗り込んできたはずです。メキシコシティの標高は約2250m。富士山の中腹並みの高地です。しかも、アップダウンの激しいコースを歩き続けるわけですから、息が切れるどころか、体調を崩してしまう選手や関係者が毎年少なくありません。 何より大変なのは、距離計算です。気圧が低く、空気抵抗が少なくなる分、普段よりも飛ぶことは知られていますが、増加の割合に15~18%ほどと幅があるのが注意点。グリーンが硬く、フェアウェイもよく...
2020/02/13進藤大典ヤーデージブック

ウッズの原点リビエラ 真ん中バンカーの6番グリーンは“傾斜地獄”

リビエラCC 6番パー3 (199yd) 以前、ダスティン・ジョンソンに「世界で一番好きなコースはどこ?」と聞いたことがあります。彼が名前を挙げたのが、今週「ジェネシス招待」が行われるリビエラCC。3年前に優勝して初めて世界ランキング1位となった地でもあり、ひときわ思い入れも深いのでしょう。1926年に設立された米国屈指の名門コース。2028年ロサンゼルス五輪でゴルフ競技が実施されれば、その舞台となる予定でもあります。 トピックは、大会が今年からタイガー・ウッズの招待試合として開催されること。タイガーにとっては、アマチュアだった1992年に16歳でPGAツアーデビューを果たした“原点”です。3...