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新ルール2年目へ 「9割はピンを抜かず」競技委員が1年目を総括

2020年の国内シーズンは3月開幕の女子を皮切りにスタート。19年に大きく改訂された新ゴルフ規則も2年目を迎える。男女ツアーの最前線で対応にあたった競技委員によると、昨年、大きなトピックスになった激動の“新ルール元年”におけるルーリングは、前年に比べて大幅増となったことなどがわかった。関係者の話を元に総括する。

ルーリング件数は前年から大きく増加

2019年において、男女ツアーが集計したルーリング件数(ルールに関して選手が競技委員を要請した回数)は男子が958件、女子は約950件だった。前年比は男子が122%、女子が136%となり、いずれも前年を大きく上回る結果になった。

<男子>
日本ゴルフツアー機構(JGTO)の加納美智雄・チーフ競技委員は、「7月くらいまでは確認が多かったですね。ルールが分かりやすくなったとはいえ、違反をすれば当然ペナルティになる。最初は不安な選手も多かったのでしょう」と振り返る。

レギュラーツアー、下部AbemaTVツアー、予選会(QT)を含めたルーリング総数は1381件で、18年の1043件から338件増加した。なお、管理している数字は競技委員の立ち合いの元で処理されたルーリング件数のみで、確認程度の事例はカウントしていない。それらを含めると2000件以上に達したという。

<女子>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の新庄正志・事務局兼競技委員も、「新規則に関わる確認が増えた分、要請の回数が増えたという感覚です」と同じ見解を示した。なお、JLPGAでは確認程度の事例も含めてルーリング件数にカウント。多かった案件はまとめて「多数」としているため、実数ではなく「約」の表記としている。

多かった新ルール関連の要請は? 定規とハサミが活躍したワケ

<男子>
項目別のルーリングについて、加納氏は感覚として「ヤーデージブックの確認が一番多かったと思う」という。これは規則4.3aに定める『認められる、禁止される用具の使用』に関わるもので、ヤーデージブックに描かれたグリーンの縮尺が480分の1(5ydで0.9525センチ)以上あってはならないと解釈されている。また、新ルールではヤーデージブック本体のサイズも制限され、4.25インチ(10.8センチ)×7インチ(17.8センチ)以下に設定。シーズン開幕当初は選手に注意を呼びかけるとともに、スタートテントに定規とハサミを用意して対応にあたったそうだ。

ヤーデージブックにプリントされたグリーンの写真も縮尺に収まっていないと違反になるため、規定をオーバーするものには、上からガムテープを張り付ける緊急措置がなされたという。

<女子>
新庄氏によれば、カート道などの「動かせない障害物」から救済を受ける際に定めるニアレストポイント(ホールに近寄らず、障害を避けてショットが打てる元のボール位置に最も近い地点)に関する要請が多かったという。

新規則では、ドロップしたボールがニアレストポイントから1クラブレングス以内(旧ルールは2クラブ)に収まらなくてはならない規則に変更され、「その確認も含まれていた可能性はあると思います」と推測した。

新ルール1年目の総括 プレースピードに変化も

男女ツアーともに、新ルールの直接的な原因による失格はなかった。女子ツアーでは、シーズン序盤にボールの捜索時間が5分から3分に変更された“3分ルール”が絡む失格者が出たほか、競技委員が裁定を誤る事例も起きたが、総じて予想していたほどの混乱はなかったとの認識だ。また、新ルールにより全体的なプレーペースが速くなった変化もあったという。

<男子>
「7月くらいまでは確認で呼ばれることが多かったですが、混乱はありませんでした。国内の開幕戦(4月)を前に、海外や女子ツアーが先に始まっていたことも大きかったと思います。僕たちも学習できましたからね」(加納氏)

「グリーン上で言えば、例えば風などでボールが動いても無罰に変わったことは選手も認識していました。関連したルーリングは10件程度だったと思います。旗竿を挿したままパットを打てる新ルールも含めて、プレーペースは速くなったと思いますね。90%以上の選手は挿したままで打っていましたから」(同)

<女子>
「シーズンの最初は競技委員でも多少の混乱があったことは事実ですが、それ以降は目立った事例はありませんでした。プレーペースで言えば、風が強い日でもグリーン上で(ルーリングのために)プレーを止めることがなくなりましたし、旗竿の新ルールも含めて、早くなった印象です」(新庄氏)

「キャディが選手の後方に立ってはいけない(キャディは選手のプレーの線の球の後方延長線上やその近くに故意に立ってはいけない)ルールに関しては、2件ほど疑わしいとされる事例がありましたが、選手とキャディに聴取した結果、無罰になりました。ヤーデージブックに関する違反もありませんでしたし、思いのほかスムーズに進んだという感覚です」(同)

新規則から一年を経て、今年は小さな改訂が加えられたものの、ほぼ同様のルールで進む見込みだ。

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