2020/11/11進藤大典ヤーデージブック

パー5の2打目でショートアイアンも デシャンボーがマスターズを変える?

オーガスタナショナルGC 2番パー5 (575yd) ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典) 84回を迎える大会で勝ち方はさまざまですが、デシャンボーによって、「マスターズ」は新たなステージに突入するかもしれません。彼の追求するスタイルがオ...
2020/11/12進藤大典ヤーデージブック

狙いは隣のフェアウェイ? オーガスタ13番の新ルート

オーガスタナショナルGC 13番パー5 (510yd) ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典) “アーメンコーナー”の出口として知られる短いパー5の13番は、これまで大きく分けて2パターンの攻略ルートがありました。正面の松林に届かないよう3...
2019/08/08進藤大典ヤーデージブック

残り3ホールのはじまり 1オンチャレンジは功を奏すか

リバティーナショナルGC 16番パー4(325yd) PGAツアーはいよいよプレーオフシリーズに入ります。ことしから全3試合になり、第1戦は今後、1年ごとにニューヨークエリアとボストンで会場が入れ替わることになりました。試合後のフェデックスカップポイントランキングで下位選手が脱落していくサバイバルレースの始まりです。 今週の会場、リバティーナショナルGCでは2013年大会以来の開催になりました。ちょうど2年前、17年には「ザ・プレジデンツカップ」が行われました。当時とはホールの順番が入れ替わっているのですが、今回は16番、終盤の短いパー4をピックアップします。 325ydしかありませんから、...
2019/08/01進藤大典ヤーデージブック

バーディ必須のパー5 レギュラーシーズン最終戦は伸ばし合い

セッジフィールドCC 15番パー5(545yd) PGAツアーはいよいよ、来季のシード権も決まるレギュラーツアー最終戦となりました。来週の「ザ・ノーザントラスト」からは3試合のプレーオフシリーズとなります。一年は早いものですね。今週の会場は暑い、暑いノースカロライナ州グリーンズボロにあるセッジフィールドCC。優勝スコアは4日間で通算20アンダー前後と、例年バーディ合戦が繰り広げられています。 ピックアップしたのは15番ホール。今大会はパー5が2つしかない設定です。アウトの5番(529yd)とともに、このチャンスホールで確実にスコアを縮めないと、優勝争いにはからめない。特にサンデーバックナインで...
2020/02/06進藤大典ヤーデージブック

美しく、そして難しい 帝王が愛したペブルビーチの崖越えショット

ペブルビーチGL 8番パー4 (418yd) 「生涯最後のショットをするなら、ペブルビーチ8番のセカンドショットを迷わず選ぶだろう」 “帝王”ジャック・ニクラスは、かつてこんな言葉を残したそうです。開場100周年となった昨年、6度目となる「全米オープン」が開催されたペブルビーチGL。今週はトップアスリートや世界的セレブもカリフォルニア州のモントレー半島に集い、選手たちは4日間1人のアマチュアとチームを組んでプロアマ形式で戦います。2016年には東北福祉大で同級生だった岩田寛選手がフィル・ミケルソンと優勝争いを繰り広げ、僕も思い出深い大会です。 昨年、初めて撮影の仕事で行きプレーしましたが、その...
2020/02/27進藤大典ヤーデージブック

あの元世界NO.1も大嫌い!? ベアトラップ最難関は“乗ればOK”

PGAナショナル・チャンピオンコース 17番パー3(175yd) 今年もフロリダを巡る季節がやってきました。今週の「ホンダクラシック」に始まり、「アーノルド・パーマー招待」「プレーヤーズ選手権」「バルスパー選手権」と4週にわたるフロリダシリーズの始まりです。 第1戦の舞台となるPGAナショナル・チャンピオンコースは、ジャック・ニクラスが1990年の改修に携わったことで知られる超難関コース。その中でも、特に難度が高い15番からの3ホール=通称ベアトラップが有名ですね。今回はその3ホールから、最も難しいと言っていい17番をピックアップします。 やや打ち下ろしとなる175ydのショートホール。何と...
2020/01/09進藤大典ヤーデージブック

ワイアラエは左ドッグレッグ攻略が浮沈のカギ

ワイアラエCC 2番パー4(423yd) みなさま、新年おめでとうございます。PGAツアーも前週マウイ島での「セントリートーナメントofチャンピオンズ」でシーズンが再開し、今週はオアフ島で「ソニーオープンinハワイ」。いよいよフルフィールドで優勝争いが行われます。 日本人にとってもなじみ深い、会場のワイアラエCCはショットの飛距離よりも正確性が重視されます。前年のチャンピオン、ツアー屈指のショットメーカーであるマット・クーチャーのように、硬くて狭いフェアウェイ、小さいグリーンを丁寧に攻めたいところです。 2番ホールは序盤の厄介なパー4。ティイングエリアに立つと、選手、キャディはクリスマスや年...
2019/10/31進藤大典ヤーデージブック

【進藤キャディ解説】PGAツアー“最短パー4” 288ydのワナをかいくぐれ

シェシャンインターナショナルGC 16番パー4(288yd) 日本初開催となった米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」が終わりました。これ以上ないほどの盛り上がりでしたね! タイガー・ウッズがひざの手術からの復帰初戦でツアー記録に並ぶ82勝目を達成。そして、松山英樹選手も本当に惜しかった。ホームゲームの重圧を背負いながら、あと一歩というところまでタイガーを追い詰めました。敗れはしましたが、つかんだ経験も多かったのではないでしょうか。大雨というアクシデントもありながら、日曜日は2万2000人以上のギャラリーが入り、まさに日本のゴルフの歴史が変わったのではないかと思います。本当に選手、関係者のみな...
2019/09/26進藤大典ヤーデージブック

フェアウェイでも左サイドNG 週末の1オンチャレンジに注目

シルバラードリゾート&スパ(ノース)17番パー4(375yd) 2019-20年シーズンがいよいよスタートしました。日本で初めてのPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」や「東京オリンピック」など楽しみな大会が目白押しの一年になりそうです。今週は第3戦の「セーフウェイオープン」。松山英樹選手、小平智選手がそろって始動します。 ピックアップしたいホールは終盤の17番。距離は375ydしかない、ツアーとしては短いパー4になりますが、緩やかな左ドッグレッグで、左サイドは高い林が壁を作っています。また、左のバンカーを超えるには310yd近く必要で、ここに入れてしまうと木々が邪魔でグリーンを狙えません...
2019/10/03進藤大典ヤーデージブック

ラスベガスのイーグルチャンス 砂漠地帯で飛距離を読め

TPCサマリン 16番パー5(560yd) PGAツアーの新シーズン4戦目は「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」。カリフォルニア州のラスベガスでバーディ合戦が繰り広げられます。2018年大会こそ優勝スコア(プレーオフ)は通算9アンダーでしたが、タイトル奪取には例年20アンダー以上が求められるコースです。 パー5での取りこぼしは避けたいところ。とくに終盤16番は風がフォローだと第2打でミドルアイアンを持てるため、イーグルのチャンスがあるホール。松山英樹選手は2014年大会で2日目から3日連続でイーグルをぶちかまし、4ラウンドで7アンダーを1ホールだけで記録しました。 とはいえ、...
2020/02/20進藤大典ヤーデージブック

キャディ泣かせのメキシコシティ すべてが試される17番

チャプルテペクGC 17番パー3(172yd) WGCが世界のゴルフコースベスト100に選ばれる当地に舞台を移して4年目。選手はもちろん、サポートするキャディたちも万全のコンディションで乗り込んできたはずです。メキシコシティの標高は約2250m。富士山の中腹並みの高地です。しかも、アップダウンの激しいコースを歩き続けるわけですから、息が切れるどころか、体調を崩してしまう選手や関係者が毎年少なくありません。 何より大変なのは、距離計算です。気圧が低く、空気抵抗が少なくなる分、普段よりも飛ぶことは知られていますが、増加の割合に15~18%ほどと幅があるのが注意点。グリーンが硬く、フェアウェイもよく...
2020/03/12進藤大典ヤーデージブック

最高のゴルフ場に最高の選手たち “第5のメジャー”はダテじゃない

TPCソーグラス 18番パー4(462yd) いよいよ「ザ・プレーヤーズ選手権」が始まります。舞台はPGAツアーの総本山ともいうべきTPCソーグラス(フロリダ州)。今年1月に亡くなった“鬼才”ピート・ダイ氏の代表作とされるコースですね。浮島グリーンが印象的な17番を筆頭に池が絡むホールが多く、数々のドラマを生んできました。 高精度のティショットが要求されるのはもちろんのこと、軽く13フィートは出る超高速グリーン。昨季から13年ぶりに3月開催に戻ったことで、5月開催のとき以上に風が厄介になりました。夏芝のバミューダに冬芝のライグラスがオーバーシード(冬場には枯れてしまう夏芝に、冬芝の種子を蒔き、...
2020/03/05進藤大典ヤーデージブック

“キングの庭”での戦いは「マスターズまであと1カ月」のサイン

ベイヒルクラブ&ロッジ 6番パー5(555yd) ゴルフ界のレジェンド、“キング”ことアーノルド・パーマーさんが亡くなられたのは、2016年9月25日のことでした。PGAツアーのシーズン最終戦「ツアー選手権」を終えた日の夜、ツアー関係者たちは訃報に接したのです。誰からも愛されたパーマーさんらしく、シーズンが終わるのを待っていてくれたような、そんな感覚に陥ったことを覚えています。 そんなパーマーさんのおひざ元、ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)での「アーノルド・パーマー招待」。4月のメジャー「マスターズ」まであと1カ月ということもあり、選手たちに「このあたりで調子を上げていかないと間に合わない...
2019/08/15進藤大典ヤーデージブック

名門メダイナの池越えパー3 ウッズがわざと奥のバンカーに入れた過去も

メダイナCC・コースNO.3 17番パー3(193yd) 「BMW選手権」はイリノイ州を中心に、米国中西部の名門クラブを巡るサーキットトーナメント。ことしから1試合減ったプレーオフシリーズの2試合目(全3戦)になりました。舞台はシカゴ・オヘア国際空港にもほど近いメダイナCC。過去に「全米プロ」や「ライダーカップ」なども行われてきた有名コースです。 数ある難ホールのなかでも、17番(パー3)は優勝争いの終盤にドラマを演出する注目ホールです。ティグラウンドからは風の影響を受けやすい打ち下ろしで、グリーン手前がすべて池という難度の高いロケーション。プレーヤーの距離感を大いに狂わせ、長い滞空時間が緊張...
2019/08/22進藤大典ヤーデージブック

ラストゲームのラストホール 16億円のかかるパー5を見逃すな

イーストレイクGC 18番パー5(590yd) プレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」で、PGAツアーはシーズンを締めくくります。会場はアトランタのダウンタウンから東に位置するイーストレイクGC。ここをホームコースとしていたのは、「マスターズ」の創始者である伝説的ゴルファーのボビー・ジョーンズです。玄関からクラブハウスに続く道は、オーガスタナショナルGCのマグノリアレーンによく似ています。 年間王者が決まる一年の最後ですから、やはりフィニッシングホールに注目したいと思います。何といっても昨年、タイガー・ウッズが5年ぶりの勝利を挙げたシーンは記憶に新しいところ。ギャラリーがスタンディングオベー...
2020/01/30進藤大典ヤーデージブック

“ヒデキの庭”の17番 勇気と技術が問われる左奥ピン

TPCスコッツデール 17番パー4 (332yd) 突然ですが、2月2日(日)にはNFLの祭典「スーパーボウル」が開催されます。PGAツアー通の方なら、これだけでピンとくるかもしれません。米国最大のスポーツイベントと同週の月曜日から、ゴルフファンにとってのお祭りはすでに始まっています。ツアー随一の集客を誇る「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」。アリゾナ州の砂漠地帯にあるTPCスコッツデールには、一週間で60万人を超えるギャラリーが押し寄せます。 「松山英樹選手がメチャクチャ強い試合」として記憶しているファンの方も多いと思います。2016、17年と大会を連覇。過去21ラウンドでオーバ...
2020/01/23進藤大典ヤーデージブック

タイガー伝説が息づく地 サウス18番の2オンは鳥肌モノ

トーリーパインズGC サウスコース 18番パー5 (570yd) PGAツアーは本土に戦いの場を移し、いよいよシーズンが本格化します。今週はサンディエゴにあるトーリーパインズGC。タイガー(ウッズ)が過去7勝を誇る大会であり、全米オープンが開催された2008年は左ひざに故障を抱えながらプレーオフにもつれる死闘を制した舞台。もはや説明不要の感すらある名コースですね。 太平洋を一望できる雄大なコースはサウスとノースの36ホールあり、予選ラウンドは両コースを1日ずつプレーし、決勝ラウンド2日間はサウスのみで行われます。パブリックながら、サウスの総距離は7765yd。昨季(前年大会は7698yd)のP...
2021/06/29進藤大典ヤーデージブック

8ホールの死闘にあっぱれ 極限プレーオフは腰が抜ける?

コネチカット州TPCリバーハイランズで行われる「トラベラーズ選手権」の日曜日は、近年数多くのドラマが起きています。2016年大会にジム・フューリックがPGAツアー唯一の「58」を出し、翌年はジョーダン・スピースがバンカーからのチップインバーディで決める劇的な優勝。そして、今年はハリス・イングリッシュとクラマー・ヒコックによってPGAツアーで2番目に長さに並ぶ8ホールのプレーオフが繰り広げられました。 サドンデス方式に限れば、1949年「モーターシティオープン」の11ホールがツアー最長記録。暗闇で続行できなくなり、ロイド・マングラムとケリー・ミドルコフの両者優勝、優勝者と2位の賞金を2人でキレイ...
2021/07/06進藤大典ヤーデージブック

【進藤キャディ解説】新星台頭の陰で心配なニュース 対策徹底でも新型コロナ陽性の恐さ

PGAツアーは「トラベラーズ選手権」に続いて「ロケットモーゲージ・クラシック」でもプレーオフ決着となりました。26歳のキャメロン・デービス(オーストラリア)がトロイ・メリット、ホアキン・ニーマン(チリ)と優勝経験のある2人を振り切って初タイトルをつかみました。 手前のバンカーからチップインイーグルを決めた17番(パー5)、外せばプレーオフに進めない2mの微妙な距離をねじ込んだ最終18番と上がり2ホールの集中力が圧巻。5ホール目までもつれたプレーオフでも安定したショットでスキを見せず、常に相手にプレッシャーをかけ続けた末の勝利に強さを感じました。 キャリア初優勝は2017年のオーストラリアツアー...
2021/06/22進藤大典ヤーデージブック

出来過ぎたドラマ ジョン・ラームを導いたスライスライン

まるで漫画のようなジョン・ラーム(スペイン)の優勝でした。4年前にPGAツアー初優勝を飾ったカリフォルニア州トーリーパインズGCが舞台となる「全米オープン」。妻のケリーさんにプロポーズした思い入れのあるサンディエゴ。最終日は4月に息子のケパ君が生まれて初めて迎える「父の日」。名実ともに“メジャー初優勝に一番近い男”が壁を越えるタイミングとして、これでもかと材料がそろっていました。 14日(月)にコースチェックで会場を歩いていると、ラームはブルックス・ケプカと練習ラウンド中。2週前の「ザ・メモリアルトーナメント」で後続に6打差をつけて最終日を迎えるはずが、新型コロナウイルス感染の陽性判定で棄権を...