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【WORLD】R.マキロイ 「最高の一年」を振り返る〈1〉
Golf World(2011年12月19日号)/Rory Mcilroy(聞き手John Huggan)
北アイルランド出身の22歳の新星が、大躍進を遂げた2011年を、Golf Worldのジョン・フガンと共に振り返った。
ロリー・マキロイ
「もしプロになって25年かそこらに到達して、自分のプロキャリアを振り返る時が来たら、自分の人生を変えた年として、真っ先に2011年を挙げるだろうね。プロとして今後やっていく土台を築けたシーズンだったから。自分にとって最初のメジャー勝利になった全米オープンはキャリアのハイライトだろうけれど、それ以外にも2勝出来たことで、これから更に勝てるということを証明出来たと思う。
メジャー初勝利を記録したことで、大会後には色々と影響があったよ。特に印象に残っていることは、コングレッショナル(CC/全米オープン)で勝った翌日に母親に電話した時のことかな。「メジャー大会のチャンピオンになったんだよ!!」と報告してね。本当に最高の気分だった。グレーム・マクドウェルが2010年にぺブルビーチ(全米オープン)で優勝した時に言っていたことと同じことを考えたんだ。まさか自分がトッププレーヤーの仲間入りをしたなんて信じられない、とね。だって、5歳の頃からの夢だったから。
今回の優勝で一番嬉しかったことは、プレーを心から楽しめたということ。リードも十分だったし、全ホールでグリーンに向かう時にスタンディングオベーションしてもらって、ギャラリーにも感謝しているんだ。それで乗っていけたからね。他のプレーヤーと五分五分の勝負をしている最中というのは、自分との戦いが全てになる。そういう緊張感のある場面で、ギャラリーが僕のプレーを見て喜んでくれている姿を見て、気が楽になった。父親の姿を見る事は多いけれど、今回は特別だった。
マスターズの最終日は序盤から躓いてしまった。1番のセカンドショットから何かがおかしいと感じていた。その週に、ずっと続いた不安定なスイングだったからね。グリーンのエッジに残ってくれたけれど、インパクトにかけて引っ掛けてしまっていた。そして3パット。最終日のスタートとして理想的な形とは程遠かった。
実を言うと、オーガスタの最終日は、1番のティに入った瞬間から異変を感じていた。今思うと、理解出来ることだけれどね。メジャーの最終日に首位に立っていたわけで、自分にとっても新たな経験だった。自分にとっても大きな意味のあることだったからね。マスターズは世界一の大会だし、優勝する心の準備が出来ていなかったんだと思う。それでも自分のキャリアにとっては代え難い経験だった。自分のこと、そして自分のゲームについて多くのことを学べたわけだからね。
これまで一度だって自分の能力を疑ったことはない。そういうのは僕には似合わないよ。そんな僕がマスターズのプレッシャーだけは乗り越えられなかった。大会が終わって数日が経った時、「もしこれがオーガスタで勝てるラストチャンスだったら?」と考えてしまった。母親にも電話して、その時は悔し涙を流したよ。でも、自分のゲームの分析、それに成長させるべきところを洗い出す作業は難しいものじゃなかった。感情に流されるよりも、冷静に自分のプレーを見つめ直す方が簡単だと思う。
マスターズ最終日のバックナインは特に不思議。自分では悪いショットは1本も無かったと思う。アンラッキーだった10番のティショットも含めてね。ただただ、スコアにならなかった。パッティングの時、必要以上に固くなり過ぎていたんだ。いつも通りにプレーするべきだった。そうすれば自分が思い描いたラインを、球が転がっていってくれたのにね。「入れば儲け物。入らなかったらそれだけのこと」と考えれば良かったのに、「決めないと」と考え過ぎていたんだ。
その上でも、全米オープンで勝てたことは、今後の可能性を確かめる意味でも重大だった。単純なのかもしれないけれど、マスターズのことは奇麗さっぱり忘れていたよ。あの経験を成長に繋げないと意味が無いからね。大会から2週間後くらいまでは辛かったけれど、違うトーナメントに出場したら気持ちも切り替わっていた。オーガスタのことは、近い将来に過去のものになるさ。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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