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2011年 バークレイズスコットランドオープン
期間:07/07〜07/10 場所:Castle Stuart Golf Links(スコットランド)

ゴルフの本場スコットランドのエンスーなギャラリー

「哺乳瓶にはウイスキー、おもちゃ箱にはゴルフクラブ」

スコットランド、ハイランド地方のキャッスル・スチュワートGLで開催されたヨーロピアンツアー第30戦、バークレイズ・スコティッシュ・オープンは、世界ランキング1位のルーク・ドナルド(イングランド)の輝かしい勝利で幕を閉じた。相続く雷雨警報や前代未聞の集中豪雨、そして水浸しのコースに土砂崩れ。2日目後半でサスペンデッドとなったうえに3日目が中止になり、大会を54ホールに短縮するなど、新会場で行われた今年の大会は波乱に満ちたものだった。

コーススタッフによる懸命の復旧作業のおかげでコースは見事に競技続行可能なコンディションに戻ったが、ギャラリーが歩く道は水たまりやぬかるみだらけ。天気も前日に比べるとずいぶんましであったが、小雨が降ったりやんだりで、しかも肌寒い。一般駐車場の大部分が湖のようになってしまっている。それでも本日最終日には、エンスーなギャラリーが1万5000人以上集まった。

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老若男女を問わず、皆ゴルフの知識が高い。特定のスター選手目当てではなく、世界トップレベルのゴルフを見にきた人たちだ。プロたちのショットを1打1打じっくり分析したり、隣の人々と熱心に議論し合ったりいている。小学校低学年かそれより幼い子供たちも、世界一流プレーヤーたちのパフォーマンスに目を輝かせて見入っている。「Get in the hole!」などという無知で下品な叫び声は聞こえない。数多く見られる女性ギャラリーも、幼女からお年寄りまで年齢層が非常に広い。圧倒的大半がゴルフウエア、ゴルフシューズ、ウォータープルーフジャケットにリュックサック姿。双眼鏡や折りたたみ式椅子も完備。悪天候にみまわれた今回の大会では、ハートや星柄、フラワーモチーフなどのカラフルな長靴姿の女性が多く見られた。なかなかオシャレなぬかるみ長靴ファッションだ。

さすがにここはゴルフ発祥の地スコットランド。人口約520万人。国土は日本の東北6県とは新潟を合わせたぐらいの面積で、人口密度は約65人/km2。ハイランド地方だとなんと8人/km2!(ちなみに日本は約345人/km2)。人間の数より牛や羊の方が多そうなこの国には、550以上のゴルフコースがある。スコットランド人にとって、ゴルフはごく身近なスポーツなのだ。実際、ギャラリーを見ていると、裕福な中産階級というよりも、ごく普通の労働者階級っぽい人たちが非常に多い。それもそのはず、ゴルフクラブの平均的な年会費は400ポンド(5000円強)とお手頃。ゴルフクラブの会員として登録しているゴルファーの数は5万人ぐらいという。人口の約1%がゴルフクラブのメンバーということになる。近年では不況のせいで会員数が減ってきているらしいが、特定のクラブに所属せずさまざまなコースを回るゴルファーも含めばゴルフ人口はずっと大きいだろう。当然ジュニアの育成にも力をいれている。2003年に開始されたClubGolfというプログラムは、スコットランド中の9歳になる子供たちにゴルフを無料で指導するというもの。今年で合計4万人の子供たちがClubGolfプログラムに参加した。

ゴルフはまた、スコットランドにとって重要な産業でもある。ゴルフプロやグリーンキーパー、クラブ従業員など、直接ゴルフ産業に携わる人々の数はおよそ1万人。これにゴルフ観光業などの関連業も加えると、2万人以上がゴルフビジネスに携わっていることになるという。

「私たちスコットランド人は、哺乳瓶にはウイスキー、おもちゃ箱にはゴルフクラブで育つんですよ!」と面白おかしく語るのは、同大会でオフィシャルカーのドライバーとしてボランティアをしている地元インバーネスの中年男性。「ハイランド地方中、いやスコットランド中がこの大会を何ヶ月も前からすごく楽しみにしていました。それがこの悪天候。非常に残念です。私はインバーネスで生まれ育って50年以上になるけど、こんなひどい天気は初めて。それでも、コーススタッフもボランティアもギャラリーも皆、エンスーさは全く失ってませんよ。テレビでこの大会を見ていた世界中の人たちにも、スコットランドはいつも天気が悪いなんて思い込まず、数多くの素晴らしいゴルフコースを発見しに来てほしいです。」彼の静かな口調にも、熱さが感じられた。

18番グリーンで行われた表彰式では、司会者がルーク・ドナルドの名を呼ぶと、グリーン脇スタンドのギャラリーは総立ちで拍手。イングランド出身のドナルドが、父親がスコットランドで生まれ、自分自身にとっても1999年にインバーネス近郊のネアンで開催されたウォーカーカップ(アメリカとイギリス&アイルランド対抗のアマチュア競技)での勝利がプロへの道を開いたなど、いかにスコットランドがゆかりの深い国であるかをマイクで語ると、会場はさらなる大歓声で湧き上がった。

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