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【GDO EYE】遼の変貌を引き起こしたのは…

アーノルド・パーマーインビテーショナル」2日目、石川遼がスタート前の練習場でウォームアップをするすぐ隣で、前夜到着したばかりの父・勝美氏がじっとその動きを見詰めていた。

「トップで頭が下がらないように」。「上を向くのが早い」。「(体が)回ってない。起き上がっている」。細かく的確な指示が飛ぶ。石川も一つ一つの動きを確認するように、スイングを繰り返す。「もうちょっとフルショットしなさいよ。どのクラブでも40ヤードのアプローチのようなスイングになっている」。昨日は不安そうな印象を受けた石川のスイングが、見る見るダイナミックなものに変わって行った。

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前週の予選落ち、そして今週初日の出遅れを「ガキの出る幕じゃないんですよ」と勝美氏はバッサリ。その真意は、まだ石川本人の中にPGAツアーに対する気後れがあるということだ。「バーディ数が少な過ぎる。PGAツアーの雰囲気が、そういうゴルフをさせてくれないんですよ」。

そんな精神的な揺らぎも、父が来たことでだいぶ補強されたようだ。「今日は沢山情報を入れて打つことが出来ました」と石川。カットライン上での戦いとなった2日目、9番でボギーを叩いた後のバックナインは、「優勝争いに近いゴルフだった」とキャディの加藤君は振り返る。

極めつけは最終18番。ティショットは芯に当たらずに右サイドのセミラフに止まる。グリーン右手前には池が広がり、残りは210ヤード。「当たりが最悪だったから、風がフォローなのかアゲなのかも分からなくて」と加藤君。「最低限、池を越すのに何ヤードか?ピンラインで池を越すのに何ヤードか?奥のバンカーまで何ヤードか?色んな距離を聞いてきましたね」。極限の集中力で、無事このホールもパーで切り抜けた。

「疲れたのでインターバルはほとんど話さなかったです」と加藤君は苦笑い。日本の賞金王といえども、PGAツアーという憧れの舞台では、無意識に心のブレーキが掛かってしまうようだ。その制御を緩めてくれたのが、一番身近で頼れるコーチの存在だったということは否定出来そうに無い。(編集部:今岡涼太)

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2010年 アーノルド・パーマーインビテーショナル



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