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アジアンツアーファイナルQTレポート(3)

アジアンツアーでは、各会場にオフィシャルホテルが用意され、ホテルからコースまではシャトルバスが運行されている。ホテルに入るまでは選手各自での移動だが、大会期間中は基本的にはツアーが移動手段を提供してくれる。タイはまだ良さげだが、アジアの猥雑な交通事情の中でレンタカーを運転するのは、なかなか勇気がいるものだ。

しかし、2004年からアジアンツアーに参戦している塚田好宣は、ナビも使わず悠々と自らがレンタカーのハンドルを握る。そして、近くの町まで出掛けて、観光客など一切来ないような地元のレストランに入ってタイ語を交えてメニューを頼む。これぞ、アジアンツアーという転戦スタイルだ。

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塚田は20代でアメリカに渡り、SEルイジアナ大学に進学。そして、オーストラリアでプロになった。今はアジアンツアーを転戦しているが、次は欧州ツアーに出てみたいという。世界各国の文化や食事、人々と触れ合うことが何よりも刺激的なのだろう。詳しくは、彼のブログが饒舌だ。(http://ytsukada.exblog.jp/)

アジアンツアーのファイナルQT開幕前日、塚田と食事を共にしたアルテミオ村上は、父親が日本人で母親がフィリピン人のハーフ。2007年にはアジアンツアーの「イスカンダル・ジョホールオープン」で優勝を果たしたが、2009年は賞金ランキング70位と苦しんで、上位65位までに与えられるシード権に届かなかった。流暢な日本語を話す村上は、「ジーブ(ミルカ・シン)のような選手になりたい。世界を転戦するプレーヤーになりたい」と野望を語る。

アジアンツアーのプロフィールに、“He is one of the most jovial(陽気な) golfers on Tour.”と書かれている村上の話は尽きない。自分がジーブのファンクラブに入っていることを打ち明けたかと思うと、トンチャイ(ジェイディ)がタイでどれだけ特別か、国王から外交官用のパスポートを貰っていて、世界中どこの国でもビザ無しで入国出来るという話も教えてくれた。

極めつけは池田勇太の話。「塚田さんに対してって勇太は敬語ですか?いや、(清田)太一郎さん(29歳)が一緒に回った時も『太一郎さん、よろしくお願いします』って敬語だったんですけど、そこに小田龍一さん(33歳)が来たら、『おー、龍ちゃーん!』ですよ。勇太の中では何かあるんでしょうけど、なんなんですかね。小田さんの方が年上なのに…」。そんな笑い話の中で、夜は更けて行った。

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