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石川遼、松山英樹の快挙を語る

静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催された国内男子ツアー第22戦「三井住友VISA太平洋マスターズ」。2011年大会は、そのディフェンディングチャンピオンの石川遼と同学年の松山英樹が優勝を飾り、1973年のツアー制施行後、史上3人目となるアマチュアVが達成された。

通算9アンダーの8位、4打及ばず連覇を逃した石川は、試合後この日の17番で達成したホールインワン賞を受賞するため、18番グリーンでの表彰式に参列した。そして満面の笑みで勝者を讃えたのち、クラブハウスに向かう途中、松山について「中学生の時、一緒に回っていた記憶があるので、その選手が優勝したのは他の選手が勝つよりも一味違ったものがある」と語った。

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「勝負に負けたことは悔しい。でも、ジュニアの時からこういう舞台を夢見てお互いやってきた仲。それを考えると、これほど嬉しいことは無い。勝負っていいな、と思いました。負けは悔しいけど、勝った選手の最後の18番の攻め方に本当に脱帽だし、勝てるゴルフを十分していた。優勝者にふさわしいプレーだったと思います。勝てるチャンスで、しっかり勝つことが信じられないくらいすごい」

胸のすくようなフルスイング、恐れを知らないアグレッシブな攻め。2人のプレー風景には似た点も多い。だが石川はお互いの“違い”をこう評す。「僕と英樹でプレースタイルは似ているかもしれないが、優勝争いしているときの心理状況、自分にどういう言葉をかけているか、というのは違うと思う。(松山は)心に波が立たない選手。歩き方だけではスコアがいいのか悪いのか分からない。(プレーが)良かったら堂々と歩いて、悪かったら下を向くというのは人間としては当たり前にあると思うんですけど、それが英樹には無い。すごく堂々と歩いているわけでもなく、ずっと下を向いているわけでもなく、ずっと同じところを見ながら、まったく信念が揺らがない感じ。すごく切れ味のあるショットを生むのはそういう心理状態じゃないかと思います」。

石川は2007年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」で史上最年少優勝を飾ってからというもの、将来は同世代の選手と同じ舞台で戦いたいという夢を、ことあるごとに語ってきた。プロ転向、米ツアー、マスターズ…。その思いは今日まで続いた。これまでの実績でいえば石川の数々の金字塔が揺らぐことは無い。だが「一人の選手としてプロ、アマ関係なく日本でトップクラスの技術を持っているということ。ジャンボさん、片山さんみたいにひとつの時代を築いていきたい」と言う。ラウンド直後、石川は杉並学院高の後輩、伊藤誠道らに「(将来)みんながここで英樹みたいに優勝争いをするんだぞ」と声をかけた。

この日、石川がホールインワンを達成しなければ、ラウンド後の表彰式に2人がそろって参加することは無かった。「英樹が勝ったということで歴史に残る日になったと思うし、その表彰式に出られて良かった」。4年半前、石川が「マンシング―」を勝った当初と同じように、大会期間中の荒天による順延があり、優勝者が白いシャツに真っ赤なジャケットを羽織ったのはただの偶然だろうか。

「最後の(18番)セカンドもまったく同じ距離でした。177ヤード、8番アイアン」。石川はグリーン右手前の池に入れて逆転のチャンスを逸し、松山はピン右50センチにつけてイーグルフィニッシュを決めた。「そこに技術の差が表れました」と苦笑いで立ち去った石川。その顔には、初めて味わう思いが一杯に詰まっていた。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 三井住友VISA太平洋マスターズ



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