2013/10/10GDOEYE

元気いっぱい17歳の高校生プロ 鍋谷太一

インタビュールームに姿を現すなり、素っ頓狂な声が響かせた。「すげえっ!すげえっすね!こんなに人が…」。国内男子ツアー「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central」初日、首位に3打差の7アンダー7位タイと好発進を切ったのは17歳の高校生プロ・鍋谷太一。ヤングパワーみなぎる新鋭が、またひとりツアートーナメントでお目見えした。 インスタートの初日、鍋谷は出だしの10番(パー5)で4メートルを沈めてバーディ発進を決めると、中盤にもきっちりスコアを伸ばしてバーディ合戦について行った。折り返し直後の1番で12メートルのバーディパットが決まるなど、ショット、パットともに好調。圧巻は最...
2013/10/02GDOEYE

世界選抜に追い風か 突然の大会スケジュール変更とは?

今年で10回目を迎える世界選抜対米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」。だが、対戦成績を見ると、米国選抜が7勝1敗1分と大きくリードし、前回大会まで4連勝中。世界選抜のキャプテン、ニック・プライスも、「“必ず勝たなければいけない”とは言わないが、もっと接戦にならなければいけない」と、巻き返しに必死だ。 「(分が悪い)理由については、多くの議論があると思うが」とプライスは言う。「チームとして、(世界各国から集まるから)一体感を作るのがより難しいとはこれっぽっちも思わない。それに、例えばスウェーデン人とスペイン人のペアが、オーストラリア人と南アフリカ人のペアより強いかということ、そんな風に思ったこ...
2013/10/03GDOEYE

宮里藍の命運を左右する集中力

宮里藍がスタートしてから間もない3番(パー5)で、目を疑うようなシーンがあった。「日本女子オープンゴルフ選手権競技」初日。ティショットからラフを渡り歩き、ピン奥5メートルに4オン。パーパットを1メートルオーバーさせると、返しの1メートルが左カップを蹴られ、残り30センチの7打目も右カップを蹴った。 特に7打目は、ショートパットでも入念にラインを読み、アドレスをしっかりとる印象が強い宮里にしては、あまりにもアッサリとカップを外した4パットに映った。 このトリプルボギーが足枷となり、最終的に4オーバーの56位タイ発進。2番でも3パットボギーを叩いた序盤の乱調について宮里は、「朝から集中力が散漫で、...
2013/06/23GDOEYE

吉田弓美子、シード喪失の覚悟で掴んだ勝利

今年3月の「アクサレディス」。最終日のスタート前、ゴルフ場は異様な雰囲気に包まれていた。練習場から選手が消え、ロッカーの奧で前日の出来事について協議をしている。選手と協会の間に入り、双方の調整役となっていたのは、今季ミーティング委員長を務める吉田弓美子だった。 男子でいう選手会長の大役は、時としてシード維持もままならない程の犠牲を伴う。「見えないプレッシャーがあって、最後は立候補した・・・」という吉田にとっては、人生初の“長”がつく役職。「今年は本当にいろいろと未経験のところから始まって・・・。開幕からシードは取れるか分からないと思っていた」と大きな覚悟も決めていた。 それでも、委員長を辞めた...
2013/06/28GDOEYE

あと3年!オリンピックへと続く道

2020年のオリンピック開催地が決定するのは、9月7日。現在、東京の他、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の3都市が最後の猛アピールを続けている。 「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」のオフィシャルスポンサーであるミズノ(株)は、「~全英への道~ミズノオープン」の大会初日に、岡本綾子、森島寛晃(セレッソ大阪アンバサダー/サッカー)、山口舞(岡山シーガルズ/バレーボール)を招き、PRイベントを開催。ギャラリーらと共に、オリンピックについて語り合った。 自身の出場の可能性は笑いと共にきっぱりと否定した岡本だが、「私が教えている子が出場できるなら、是非一緒に行ってみ...
2013/06/30GDOEYE

ブレンダン・ジョーンズ、日本で成功する秘訣

2000年に初めて日本ツアーに参戦したブレンダン・ジョーンズ(オーストラリア)は、翌01年から本格的にシーズンを戦い始める。そして迎えた13年、「~全英への道~ミズノオープン」を制して優勝賞金2200万円を獲得したジョーンズは、生涯獲得賞金を8億3005万4474円とし、デビッド・イシイの8億1469万5905円を上回って、外国人歴代1位へと上り詰めた。 「最初に日本でプレーを始めた時は、1位になれるなんて思ってもいなかった。グラハム・マーシュとか、何人もの良いプレーヤーがいたからね。そういうリストの中で1位になれたのは、本当に嬉しいよ」。 優勝インタビューのために会見場に入ってきたブレンダン...
2013/06/30GDOEYE

勝者への憧れ 堀奈津佳と松山英樹の出会い

国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」で今季2勝目を飾った堀奈津佳。ツアー最少ストローク数を更新する通算21アンダー、267ストローク。さらに4日間全てで60台をマークしての優勝はツアー史上初と、歴史的勝利で女子ゴルフ界にその名を刻んだ。 「常に優勝を目指している」という堀が、初めて“優勝”という2文字を意識したのが、2003年に小学校5年生当時に出場した「四国ジュニアゴルフ選手権」だった。ゴルフを始めてから1年が経ち、「ちょっと出てみようかな」という気持ちで初めて出場した競技ゴルフ。堀がエントリーした“小学生オープンの部”は男女混合で行われ、なんと同組には1歳上の松山英樹がいたという。 ...
2013/06/27GDOEYE

引退した赤堀奈々と、考える辻村明須香のこれから

今週開催の「アース・モンダミンカップ」は今年から4日間競技となり、スタートは午前と午後の2部制。午前組の主役は、ツアー未勝利の辻村明須香だった。6バーディ、1ボギーの「67」で回り、5アンダーで暫定ながら首位に立ってホールアウト。その座は午後組の比嘉真美子に譲り、プロ11年目にして初の首位は叶わなかったが、比嘉に3打差の2位タイと好スタートを切った。 「今日はパターですね」と会心のラウンドを振り返る辻村。「ショットはそんなに良くないけど、カラーから1回入れましたし。23パットですから」。そのアシスト役となったのが、昨年12月に35歳で現役を引退した赤堀奈々だった。同じ03年にプロ入りし、現役時...
2013/06/29GDOEYE

先週失格のアン・ソンジュ 笑顔のホールインワン

先週の「ニチレイレディス」2日目に、帯同していたハウスキャディが方位磁石を使用していたことがゴルフ規則に抵触し、失格となっていたアン・ソンジュ(韓国)。「その時は、私も悔しくて泣いてしまった」と振り返り、髪の毛の先部分をピンク色に染めるなどの気分転換を経て、今週の「アース・モンダミンカップ」へと臨んだ。 そして、7位タイと上位につけて迎えた決勝ラウンド、3日目の9番パー3で、アンが歓声に包まれた。187ヤードと今週のパー3で最も距離が長く、難度も18ホール中で2番目に高い関門で、「ツアーでは初めて」というホールインワンを達成。賞金200万円(複数者の時は均等割り)を手にし、「入った時は、(賞金...
2013/06/28GDOEYE

片山晋呉「こういう感覚でやりたかった」

今季すでに2度のトップ10フィニッシュを果たしている片山晋呉が、今週の「~全英への道~ミズノオープン」でも2日目を終えて首位と1打差の2位タイと好調だ。 ツアー通算26勝を誇る永久シード、09年の「マスターズ」では日本人最高位となる4位に入ったが、その後は“バーンアウト”に近い精神状態に悩まされた。「やっていることと、気持ちがずれていて、同じ方向に向かっていない。何をやってもそうなれなかったのが丸々3年はあったね」と振り返る。 しかし、今年4月には久々に「マスターズ」をテレビ観戦できるまでに戻ってきた。「ようやく気持ちがついてきて、40歳になった自分と気持ちが並行になってきた。今日の17番にそ...
2013/06/22GDOEYE

雷雲での中断、選手たちの運・不運

国内男子ツアー「日本ゴルフツアー選手権Shishido Hills」の3日目は、予報では15時ぐらいから雨となっていたが、それよりも3時間以上早い12時前から雨が降り始めた。上空に現れた2つの雲の塊が合体し、雨脚は激しくなる一方だった。そして、付近に雷雲が発生した直後に“ゴロゴロ”と雷鳴が響いた。この時点で選手たちはプレーを行っていたが、間もなくして強制的なプレー中断の長いサイレンがコース内に鳴り響いた。 この日のトップスタートは7時50分。5組目までの選手は中断の前にホールアウトし、濡れた体を拭くと早々に宿へ向かった。この日6ストローク伸ばして10位タイに食い込んだJ.チョイ(韓国)も中断で...
2013/06/22GDOEYE

ゴルフはやっぱり基本が大事

98年、99年には日本女子アマを連覇し、日本女子オープンのローアマチュアにも輝いたウェイ・ユンジェ(台湾)。ツアーでは過去4勝を挙げているが、直近は2010年の「PRGRレディス」で、ここ2年はシードも落とす苦しい時期が続いている。 だが、今年は感覚が違うという。シーズン序盤から4位タイ、10位タイと上位に食い込み、先週の「サントリーレディス」では11位タイ。今週の「ニチレイレディス」でも2日目を終えて首位と2打差の3位タイと好位置につけている。 ユンジェは言う。「今年の冬に台湾に帰って、大学でコーチをしている人に見て貰った。その大学には昔のビデオとかが残っていて、私が一番良かった頃の映像を見...
2013/10/01GDOEYE

米ツアー苦闘の1年で石川遼が掴んだもの

PGAツアー(米国男子ツアー)の本部が置かれ、毎年5月に「ザ・プレーヤーズ選手権」が開催されるフロリダ州ポンデベドラビーチのTPCソーグラス。石川遼は米ツアーフル参戦1年目のシーズンをこの地で終えた。だが、その舞台は「ザ・プレーヤーズ-」が開催される華やかなスタジアムコースではなく、その隣にひっそりとたたずむダイズバレーコース。来季のPGAツアー出場権を争う下部ツアー(ウェブドットコムツアー)最終戦「ウェブドットコムツアー選手権」が、大志を抱いてアメリカに渡った22歳の今季終着点だった。 フェデックスカップランキングで、フルシード獲得の125位に届かなかった石川(141位)は、今年から新設され...
2013/09/30GDOEYE

「パナソニックオープン」撤退を惜しむ

パナソニックのブランド名が、ゴルフ界でも一際の存在感を持ったのは今から5年前。2008年初めに当時16歳でプロ転向した石川遼と所属契約を結び、同年のシーズンから国内男子ツアーのスケジュールにも「アジアパシフィック パナソニックオープン」が新たに加わった。その後まばゆいばかりの活躍をすることになる石川との契約が、話題としては先行したが、毎年秋口に行われたパナソニックオープンも、強い独自色を持ったトーナメントとして内外から評価が高かった。 同社、アジアパシフィックゴルフ連盟、そして日本ゴルフ協会の共催競技として開催され、日本ツアーのメンバーをはじめ、アジアおよび環太平洋地域の選手が集結。獲得賞金...
2013/09/29GDOEYE

何色にも染まらない 黒ずくめの若武者

18番グリーンに上がる際には手前でピタリと両足をそろえ、丁寧にお辞儀する。その姿は、優勝争いの主役になっても同じだった。「みなさん、おつかれさまでした」。謙虚な言葉で始まった優勝スピーチには、大ギャラリーから思わず笑いがこぼれた。「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」を終盤の逆転で制した20歳の川村昌弘は、そんな律儀な若者だ。 母・那緒美さんは息子をこう評す。「ゴルフをしていない時は本当に普通の子。“ゆるキャラ”です」。趣味は読書と音楽鑑賞。一番の気分転換やリラックスの方法は眠ること。夏場に負傷していた際、友人と遊びに行ったのはスーパー銭湯だった。童顔で、...
2013/08/24GDOEYE

プロテストトップ合格者 その心情は?

「3試合目で、やっと通れました・・・」。今年のプロテストにトップ合格した倉田珠里亜が、ホッとした表情で胸を撫で下ろした。トップ合格者への“ご褒美”として今季レギュラーツアー14試合の出場権を得たが、「meijiカップ」から2試合続けて予選落ち。そして、今週の「CAT Ladies」2日目を21位タイで終え、自身初の決勝ラウンド進出を決めた。 「周りからも“早く予選を通れ”とプレッシャーをかけられていたので、良かったです」と倉田。母・麻里さんとも、「そろそろ通りたいね」と話していたという矢先、2日目を3バーディ、ノーボギーの「70」にまとめ、ツアーで帯同を続ける母の前で最初の“関門”を突破して見...
2013/08/24GDOEYE

改名効果で時松隆光が5位タイに浮上!

プロゴルファーでは自身の登録名を変更する選手はこれまで数多く存在する。中嶋常幸は中島から中嶋へ名字を変更。近藤共弘は智弘から共弘へ名前を変更。また、ニックネームを使用し石垣聡はすし石垣へ。そして、昨年4月に「源蔵」から「隆光」(りゅうこう)に名前を変更した時松が、「関西オープンゴルフ選手権競技」の3日目にスコアを5つ伸ばして、通算6アンダーの5位タイに浮上してきた。 時松と聞いても「?」となるゴルフファンも多いのではないでしょうか。昨年3月にプロ転向を果たすが、昨年は2試合に出場して予選落ち。今季は「つるやオープンゴルフトーナメント」で62位に入り初の賞金を稼ぐと、「長嶋茂雄 INVITATI...
2013/08/23GDOEYE

こんなに多い…女子プロたちの“災い転じて福と成す”

“チクッ”。「CAT Ladies」初日スタート直前の練習グリーンで、東浩子の右腕に痛みが走った。腕には、何かの虫に刺された跡。“ブーン”という羽音を残して消えた虫の正体は分からずじまいだが、東の二の腕には赤い腫れと痛みが残った。ティオフ直前に見舞われたアクシデントに心中は穏やかではない、かと思いきや、なぜか心には光明が見えたという。「私にはちょうどいいかも…」。 「私って、だいたい患っている方がいいんですよね」。なんて悲しいことを…。ただ、過去の実例を聞けば、東の心情にもうなずけるかもしれない。 今年の「ニチレイレディス」では、開幕前に胃腸炎にかかり、練習ラウンドなしのぶっつけ本番ながら、当...
2013/08/29GDOEYE

年間唯一・3日間大会で出場選手120名の難しさ

今週、北海道苫小牧市で開催される「ニトリレディス」は、3日間大会ながら出場選手が120人。4日間大会以外で109人以上の選手が戦うのは、05年の「リゾートトラストレディス」を除けば、11年以降の今大会のみ。多くの選手にチャンスを挙げたいという主催者の意向が働いているそうだが、“珍しい”ことにはそれなりの理由もある。 ペアリングを見てみると、今週は午前・午後とスタート時間が分かれている。通常はアウト、イン両方を使い朝から順番にスタートしていくが、109人以上をその方式で組むと、ハーフターンでの待ち時間が1時間を超えることになってしまうため、これはそうならない処置。その結果、2日目の土曜日も同じペ...
2013/09/01GDOEYE

イップス克服へ、藤田幸希の決断

先週の「CAT Ladis」2日目終了後、藤田幸希は溢れる涙を堪えることができなかった。「ショットはずっと調子が良いのに、ここ2年くらいパットがイップスみたいになって悩んでいて・・・」。その日は3パット3回を含む、計34パット。同組で回った仲の良い佐々木慶子、上原彩子に優しい言葉を掛けられ、感情の糸がプツリと切れた。 ホールアウト後、練習グリーンで佐々木は1時間以上、藤田に付き合ってパッティングを見たという。「入らない、入らないって言っているけど、打てていないなと。もっと気持ち良く打てるようにしないと、距離感もラインも合わないから」と、佐々木は言う。パターの代わりにウェッジの刃で打たせてみると...