2014/04/29GDOEYE

藍世代、遼世代に続く、“みなみ世代”の可能性

今季8戦目の国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」は、直前に明らかにされた横峯さくらの入籍ニュースで一色となった中で開幕。残念ながら横峯本人は予選落ちしたが、予選ラウンド中はコース内に「さくらちゃん、おめでとう!」とギャラリーからの祝福も響き、改めて女子ゴルフ人気の一側面を垣間見る大会となった。 プレーの方では、その初日、6バーディ2ボギーの4アンダーで首位と1打差の2位タイにつけた16歳のアマチュア永井花奈の存在感が目を引いた。前週に開催された「KKT杯バンテリンレディース」で、15歳のアマチュア・勝みなみがツアー史上最年少優勝の快挙を成し遂げたばかりだったからだ。 勝の15歳29...
2014/04/28GDOEYE

リディア・コー 「世界で最も影響力がある100人」の栄誉

カリフォルニア州サンフランシスコで開催された米国女子ツアー「スウィンギングスカートLPGAクラシック」で優勝を飾ったのは、大会初日に17歳の誕生日を迎えたばかりのリディア・コー(ニュージーランド)。昨年10月のプロ転向後2勝目(アマ時代を含むと通算6勝目)で米ツアーは通算3勝目。ツアーメンバーとしては初めての勝利だった。 コーと最後まで優勝を争ったのは、ツアー8勝(メジャー2勝)を誇るステーシー・ルイス。予選ラウンドから4日間を同組で回り、最終ホールまでデッドヒートを繰り広げた。コーが1打リードして迎えた72ホール目の18番では、先にピンそば2メートルのバーディチャンスにつけたルイスに対し、コ...
2014/04/28GDOEYE

22歳への祝福から見えた、韓国勢の絆

2013年1月。石川遼とキャロウェイゴルフ契約のニュースが大々的に報じられた同時期に、石川と同じ1991年生まれの韓国人プレーヤーとナイキゴルフの契約が発表された。10年に欧州ツアー初制覇、さらに最年少でアジアンツアー賞金王戴冠と海外で実績を積み、石川より1年先に米国PGAツアーに本格参戦していたノ・スンヨルだ。 ナイキのマーケティング担当の「彼には素晴らしい将来が待っている」という希望をこめた予見は、今週開催「チューリッヒクラシック」での米国ツアー初優勝という形で、現実への第1歩を踏み出した。2016年までのシード権、2週間後の「ザ・プレーヤーズ選手権」と8月「全米プロゴルフ選手権」、そして...
2014/04/20GDOEYE

灯台だけではない ハーバータウンとヘリテージの歴史

1969年に第1回大会が開催された「RBCヘリテージ」。当時は「ヘリテージ・ゴルフ・クラシック」と呼ばれており、大西洋の海岸沿いで初めて開催される男子主要ツアーの試合だった。 会場となるハーバータウン・ゴルフリンクスは当時新進気鋭のデザイナーだったピート・ダイがジャック・ニクラスと共に作り上げ、オープンと同時に第1回トーナメントを開催した。有名なのは18番ホール。ペブルビーチを彷彿とさせる海岸沿いを辿るホールで、18番グリーンの奧には赤と白の縞模様の灯台が鎮座する。 現在の米国男子ツアーでは、メジャー大会を除くと「ソニーオープンinハワイ(ワイアラエCC)」、「クラウンプラザインビテーショナル...
2014/04/20GDOEYE

米ツアー2年目 石川遼が見せた“経験力”

米国男子ツアーでは、選手が競技委員とあれこれやり合っているのは良く見かけるシーン。1打に懸ける選手の執念が垣間見える場面だ。「RBCヘリテージ」3日目の15番ホール、石川遼も毅然と難局に立ち向かった。 左にドッグレッグしていく588ヤードのパー5。2打目を右に曲げた石川の球は、林の中へと転がり込んだ。3打目地点に行ってグリーン方向を見れば、前方にはギャラリースタンドが掛かっている。救済を受けられることは明らかな場面。だが石川は慎重だった。 立ち会った競技委員と共に、まずは救済のニアレストポイントを確認する。球の左方向にあるそのポイントから1クラブレングス以内にドロップすることが選択肢の1つ。し...
2014/04/19GDOEYE

トップアマから49歳でプロ転向 田村尚之の歩く道

10代、20代前半の金の卵が次々とプロデビューする昨今のスポーツ界。その輪の中で、齢50を前にしてプロの世界に飛び込む選手もいるから、ゴルフは、人間は面白い。 田村尚之は、かねてから広く名の知れたゴルファー。それもプロではなく、長きにわたって社会人最強アマとして一世を風靡していた49歳だ。倉本昌弘に「50でアマからプロに転向して、シニアに入る第1号の選手になれ!」と背中を押されたこともあり、一念発起したのは昨年。8月末に日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストを通過し、2007年「日本アマ」準優勝、2002年からの「日本ミッドアマ」2連覇など輝かしいタイトルを重ねてきたアマチュアのキャリアに別...
2014/04/25GDOEYE

2度の心臓移植を乗り越えたPGAプレーヤーのメッセージ

戦前の予想通り、初日からスコアを伸ばし合う展開となった「チューリッヒクラシック」。リーダーボードの上位に次々とビッグスコアが刻まれていく中で、その1人に6アンダー「66」をマークしたエリック・コンプトンが、首位に4打差の5位につける好スタートを切った。 コンプトンの過酷ともいえるバックグラウンドについて、すでにご存知の方は多いかもしれない。ウィルス性心筋症により12歳で心臓移植を受け、リハビリも兼ねて始めたのがゴルフとの最初の出会い。2001年にプロ転向を遂げたが、08年に心臓発作に襲われて再び心臓移植を実施。2度の大手術を乗り越えて現在も米国ツアーでプレーを続ける姿は、心臓移植を経たプロアス...
2014/04/26GDOEYE

アマチュア憧れの「キャディ目線」でプロが学んだことは…

プロのプレーをトーナメント会場やテレビ、雑誌で見て、アマチュアゴルファーが学べることはたくさんある。それがキャディとしてトッププロの傍らにいるならば尚更、よりリアルな情報にいくらでも触れられるはずと思えて仕方ない。 今週開催されている国内男子ツアー「つるやオープンゴルフトーナメント」で片山晋呉のキャディを、女子プロの山村彩恵が務め、首位と2打差の3位(3日目まで)につけるプレーを支えて話題となっている。トッププロから様々な技を盗み、多くを吸収しようと努めるのはアマチュアだけに限らないらしい。 実は、国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」で2日目を終えて首位と1打差の4位につける園田絵...
2014/04/20GDOEYE

おにぎりショットで悠々逃げ切り…勝みなみの大物感

国内女子の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で、アマチュアとして史上4人目の優勝を果たした勝みなみ。最終18番でのウィニングパットまで全く緊張を感じさせない堂々としたプレーぶりが何よりも印象的だった。15歳293日にしてツアー優勝を果たした快挙を、本人の話をもとに時系列で追ってみた。 前日の夜は知り合いの焼き肉店でたらふく食べて、朝は6時に起床するはずが、ぐっすり寝すぎて22分の寝坊。コースに着くと、いつも通りに準備をして「なぜか全然緊張しなかったですね」と9時1分にスタートした。 「今日も歌っていましたね。アイスクリームの歌でした」。1打差の2位に一歩後退した2日目のプレー後、ラウンド中...
2013/12/03GDOEYE

プライスレス?新女王・森田理香子にかかる「期待」の価値

女子ゴルフ界にニューヒロインが誕生した。プロ6年目でシーズン4勝を挙げる大ブレイクを果たし、女子ツアー史上4番目の年少記録となる23歳と327日で初の賞金女王となった森田理香子。国内女子ツアーを長く牽引する横峯さくらとの最終戦最終日までの女王レースは、ファンの女子ツアーへの注目をピークへと高めた。ほかならぬ横峯の猛追をしのいだことが、森田の実力や知名度をさらに一段引き上げる起爆剤にもなったはずだ。 師事する岡本綾子と築き上げてきた、力強さと美しさを兼ね備えたスイングは森田を構成する魅力の1つだ。2012年はツアー最多記録を更新する12個のイーグルを奪い“イーグルクイーン”を襲名した。流れに乗る...
2013/12/01GDOEYE

青シャツとペンギンが語る賞金王・松山英樹の強さ

中学・高校時代を過ごした高知で決めた松山英樹の賞金王。ふと目を上げれば、雄大な太平洋が広い空に溶け込んでいく“青”に包まれたKochi黒潮CCは、最終日に松山が袖を通したシャツの色と無縁ではなかったはずだ。 史上初めてルーキーで賞金王まで上り詰めた松山の基礎は、ここ高知で固められた。愛媛の中学校から、ゴルフ修行のために中学2年4月に高知・明徳義塾中学校に編入した。同時に始まったのは寮生活。「不安はなかったっすよ」と鼻で笑う松山だが、寮では朝礼、夕礼、授業、クラブ活動、食事と時間割が細かく決められた集団生活の日々。だが、そこには“ゴルフ”があった。 当時、明徳義塾ゴルフ部の監督を務めていた高橋章...
2013/11/23GDOEYE

3位に浮上の岩田寛、L.ドナルドは嫌い!?

国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」の3日目、イーブンパーの9位タイでスタートした岩田寛が4バーディ、1ボギーでラウンドし、首位のルーク・ドナルド(イングランド)とは6打差の通算3アンダーの3位タイに浮上してきた。 ショットが冴えた岩田は4番、5番で連続バーディを奪うと、8番、9番でも連続バーディ。後半に入っても安定したゴルフが続いていたが、最終18番パーをボギーにしてしまい、うつむきながらアテスト(スコアカード提出)場に戻ってきた。 「今日は何が良かったんですかね・・・パターですかね、あ、ショットも良かったですね」と遠くを見つめながら話す岩田。すると「いまは18番のことしか考...
2013/11/23GDOEYE

世界基準とは一線を画す?“オージー・バンカー”

ビギナーや多くのアマチュアゴルファーがコースに出てまず困ることのひとつが、バンカーショットだ。なにせボールを上げるのが難しいし、まず“砂を打つ”という感覚がどうもピンとこない。何度も何度も“穴掘り”をしている姿は恥ずかしいやら、情けないやらで、いつの間にかすっかりゴルフ嫌いになっていることがある。 しかし上級者やプロゴルファーにとっては大きく事情が異なる。グリーンサイドのバンカーからはライが悪くなければ、基本的にはスピンがかかり、ボールを止められる。確かに“目玉”なんかになったら目も当てられないが、難しいラフからのアプローチを強いられるくらいなら、アゴが低かったり、ライが平らや左足上がりになり...
2013/11/22GDOEYE

シード争いで今年もドラマ…藤田幸希が涙の予選突破

いよいよクライマックスを迎えている、賞金ランキング上位50名(今年は永久シード者の不動裕理を除いた51名)の座をめぐる来季シード争い。例年、涙と笑顔が交錯する「大王製紙エリエールレディスオープン」2日目を終えて、2007年から保持してきたシード喪失の危機に瀕している藤田幸希は、43位タイで辛くも予選を通過。クラブハウスに戻った瞬間、安堵の涙があふれ出した。 賞金ランキングは当落線上の同51位。シード確保のため1円でも多く賞金を加えたい1戦で、初日は38位と出遅れた。この日も後半13番で痛恨のダブルボギーを叩き、予選通過圏外へ転落。「もうゴルフをやめたいくらい、きつかった」と精神的にも追い込まれ...
2013/11/24GDOEYE

逆転賞金王をあきらめない!40歳の片山晋呉が奮起の3位

国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」の歴代優勝者の1人、片山晋呉が最終日に7バーディ、1ボギーと6ストローク伸ばして通算7アンダーの単独3位に入った。 スタートの1番から3連続バーディを奪ってギャラリーを沸かせると、その後も快調にスコアを伸ばした。優勝を果たしたルーク・ドナルド(イングランド)との差は1打縮めるのが精いっぱいだったが、日本人選手では最高成績。コースとの相性の良さを発揮した。 クラブハウスに引き上げてくる片山は終始笑顔だった。「ここは自分の家みたいなものだから、コースは庭みたいに知り尽くしている」。毎年オフシーズンに当地で合宿を行う片山は、コースの形状や起伏。さら...
2013/11/23GDOEYE

国内女子ツアー究極?の最終日を前に

今週の「大王製紙エリエールレディスオープン」は、隆盛を極める国内女子ツアーの魅力を凝縮したかのような展開となった。大詰めを迎えた賞金女王争い、賞金ランク上位50人をめぐる来季シード権争い、さらには同25位以上に与えられる次週の最終戦「リコーカップ」出場権争いが演じられ、いずれ劣らぬ熱い注目の中で最終日を迎える。 女王争いでは、トップの横峯さくらを1,169万円差の2位で追う森田理香子が単独首位に浮上。シード争いでは55位からの逆転シードを狙う上田桃子が単独2位の好位置。リコー争いでは、ツアー最多タイに並ぶ17年連続出場を狙う不動裕理が3位タイ。5位タイには優勝すると賞金女王が決まる可能性もある...
2013/11/29GDOEYE

薄氷の争い…細川和彦ら7選手の賞金シード落ちは確定

今週の「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」は、今季国内男子ツアーのフルフィールド最終戦。来季の賞金シード上位70人(出場義務試合数に満たないL.ドナルドとB.ジョーンズを除いた72位まで)を巡る争いも、今週でほぼ決着する。 逆転シードに向けて、賞金シード圏外の選手は予選通過することが最低条件だった。大会2日目、優勝争いを繰り広げる武藤俊憲と同組で回った浅地洋佑は、現在賞金ランキング81位。最終18番で3メートルのバーディパットをねじ込んで通算4オーバーの50位タイとし、辛うじてカットラインに滑り込み、優勝争いばりのガッツポーズで喜びを表した。 浅地にとっては、これがこの日唯一のバーディ...
2013/11/28GDOEYE

大堀裕次郎の決意「出るからには優勝したい」

賞金王を目指す松山英樹と、ホストプロとして大会初制覇を目指す石川遼。2人の同級生に負けじと、22歳のアマチュア、大堀裕次郎が奮闘している。「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」初日、4バーディ3ボギーの「71」で回った大堀は、1アンダー8位タイ。「(2人に)負けたくないっすね」と、静かに闘志を滲ませた。 今年7月の「日本アマチュアゴルフ選手権」を制した大堀は、8月に出場した「関西オープン」で2日目に単独トップに立つなど、レギュラーツアーでも頭角を現していた。だが、同大会後に肋骨にひびが入っていることが判明し、さらに強行出場した9月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」では、ユーテ...
2014/04/08GDOEYE

19歳がメジャー初制覇で見せた“新世代”の輝き

日米問わず、才能豊かなティーンエイジャーが次々と登場している女子プロゴルフ界。米ツアーでは2005年に15歳359日でプロに転向した“元祖・天才少女”ミッシェル・ウィが先駆で、その5年後には、15歳126日でプロの世界に飛び込んだレクシー・トンプソンが最年少記録を塗り替えた。 以来なにかにつけて比較されてきた2人。今年のメジャー初戦「クラフトナビスコ選手権」は、その2人が首位に並んで一騎打ちの形で最終日を迎え、メジャー初タイトル争いに現地メディアの大きな注目が集まった。 序盤から主導権を握ったのは、1番で下り5メートルのバーディパットをライオンのように鋭くカップをにらみつけながら沈めていったト...
2014/03/12GDOEYE

ブログでは書ききれなかった 石川遼「震災3年後」の誓い

あの日、石川遼は大西洋を臨むフロリダ州の南東部ドラールにいた。「WGCキャデラック選手権」の2日目早朝、インターネットで東日本大震災の一報を知った。津波が陸地を襲う衝撃的な国際映像は、ゴルフ場のクラブハウス内でもモニターを独占。コース内の世界中の国旗は半旗となり、ラウンドを終えた石川は、国内外の報道陣に取り囲まれ、沈痛な面持ちで「いま僕にできることをやる」と、言葉を絞り出した。 あれから3年。日本から遅れること半日あまり、石川は3月11日の朝を同じフロリダで迎えた。今週「バルスパー選手権」が行われるタンパ近郊で、まず自身のホームページに「東日本大震災から3年が経ちました。ひとりひとりにできるこ...