2017/05/20GDOEYE

クローグリップと谷口理論 松村道央はパットの“解”にたどり着いたのか?

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 2日目(19日)◇城陽カントリー倶楽部(京都府)◇7037yd(パー71) 大会2日目はノーボギーの4アンダー「67」。通算2アンダー8位タイで決勝ラウンドに進出したツアー通算5勝の松村道央は「ノーボギーだったのか分からないくらい、集中していました」と振り返った。 2戦前の「中日クラウンズ」で11位。前週は予選落ちに終わったが、一度もトップ10に入れなかった昨年に比べると、調子は確実に上向いている。特に改善が顕著なのはパッティングだ。「ぶれる怖さがなくなった。ヘッドは出ないし、(芯に)当たらない。ラインが読めていてもそこに打てない。そういう状態からは脱...
2017/03/11GDOEYE

4月から女子大生 18歳アマ河本結が描く未来図は…

◇国内女子◇ヨコハマタイヤPRGRレディス 2日目(11日)◇土佐CC(高知)◇6228yd(パー72) アマチュアの18歳、河本結が「72」でプレーして通算2アンダー10位タイで決勝ラウンドに進出した。今月1日に高校を卒業。5歳から始めたゴルフで、ジュニア時代から躍動を続ける河本だが、今年のプロテストは受験をせずに、4月から女子大生になる道を選択した。 進学先に選んだのは日本体育大学の体育学部体育学科だ。出身である四国のジュニア、アマチュアタイトルの多くを手中にし、プロトーナメントの推薦出場を得るなど、周囲は、高校卒業後はプロゴルファーになることを疑わなかった。だが、人と違う道を突き進むこと...
2017/08/19GDOEYE

東京五輪仕様の“お披露目” 金メダルへ霞ヶ関CCが仕掛けた罠は?

2020年東京五輪ゴルフ会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部(東コース/埼玉県)で、2年ぶりに「日本ジュニアゴルフ選手権」が開催された。昨年9月に終わったコース改修後、メディアが集まる初めての試合で、五輪仕様のお披露目となった。その全貌は、いかなるものか? 改修のポイントは「距離」と「1グリーン化」の2つ。7、8年前に会員から改修に向けた意見が出た。東京五輪会場に決まって拍車がかかり、一昨年10月に自費で開始した。国際ゴルフ連盟(IGF)からの「距離を伸ばし、グリーンを1つに」という要望に応じ、全長を484yd伸ばして7466ydのパー71とし、2グリーンから1グリーンに変更した。 芝も張り替えた。何...
2016/11/20GDOEYE

週はじめから意識する日曜の午後 イ・ボミの強さを作る秘訣

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(20日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6474yd(パー72) 試合前の練習日、午後の風に吹かれながら、タッグを組む清水重憲キャディと2人で入念にコースをチェックするイ・ボミ(韓国)の姿がある。多くの選手が朝からスタートする中、2人は昼下がりに向けてゆっくりとティオフの準備をする。 サンデーバックナインで勝敗は決まる-。ゴルフの世界では、そんなことが言われる。最終日の後半9ホール。平常心でプレーしていた首位の選手の脳裏に”優勝”がよぎる。チラついた邪念はミスを生む。追い上げる選手の身体からは、アドレナリンが出る。鮮やかな逆転劇、手に汗握...
2016/11/23GDOEYE

プロキャディが目指す“もう1つのオリンピック”

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6474yd(パー72) それまで縁遠いと思っていたことが、突然身近に感じられる瞬間がある。自分には関係ないと思っていたのに、急に興味が湧いてくる…。パラリンピックのゴルフ競技。プロツアーに帯同する顔見知りのキャディが、その出場を目指していると聞いたとき、多くの「?」とともに、新しい扉がそっと開かれた気持ちがした。 最初に浮かんだのは、彼はなにか障害を抱えていたのか?という疑問だった。健常者と同じように(もしくは一般的なレベルよりも上で)プロキャディとして仕事をする姿を見ていただけに、いままでそんなことを考えもしなか...
2016/11/11GDOEYE

ゴルフ場に茶室が出現!伊藤園ならではのおもてなしとは?

◇国内女子◇伊藤園レディス 初日(11日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉)◇6639yd(パー72) 「一期一会」の語源が、茶道に由来することはご存知だろうか。茶席では、二度と繰り返されることのない機会、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主が客をもてなす。その自戒をうながす言い回しだ。 「お点前、ちょうだいいたします」。そんな声が響いたのは、クラブハウスの一角だ。伊藤園は「お客様第一主義」を経営の基本に掲げる総合飲料メーカー。茶製品を主力商品とする企業ならではの“おもてなし”として、今年から大会期間中、立礼式で抹茶と菓子をギャラリーらにふるまう場を設けた。 本格的な茶室さながらの...
2016/11/28GDOEYE

ナイキ撤退の厳しい冬 ツアー現場に待ち受けるリアル

◇国内女子◇LPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(27日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6448yd(パー72) 今年8月に発表されたナイキのゴルフ用具事業撤退は、世界的にプレーヤー人口の縮小傾向が指摘されるゴルフ市場のいまを象徴するニュースとなった。厳しい競争環境の中で、生き残りをかけるグローバル企業が事業の「選択と集中」を行うのは避けられない流れだが、今季最終戦を終えた国内女子ゴルフの現場でも、それは過酷な現実として存在する。 7月の「ニッポンハムレディス」でツアー初優勝を遂げた葭葉ルミ(23)は今年1月、クラブやウェアの使用契約を米ナイキ本社と結んだ。1984年にゴルフ市場に参入した同社の事...
2016/09/22GDOEYE

プロゴルファー大山志保が続ける東北復興支援

◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 事前情報(22日)◇利府GC(宮城県)◇6551yd(パー72) 2011年の東日本大震災の発生直後に500万円の寄付をした。けれども、2年前、定宿としている宮城県松島町のホテルで、マッサージ師の語る言葉に電流の走るような思いがしたというの。「みんな『復興した』って言うけれど、まだまだ復興には遠いんですよ…」。大山志保はその年から「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の獲得賞金を、全額寄付し続けている。 「これだって思ったんですよ。少しでもみなさんが喜んでくれたら、それが一番私のモチベーションにもなる。この大会に出られる限りは、これからもずっ...
2016/09/12GDOEYE

日本勢連敗をストップ!鈴木愛の“負けず嫌い”っぷり

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯◇登別カントリー倶楽部(北海道)◇6750yd(パー72) 日本勢の国内メジャー連敗記録を「7」で止めた鈴木愛。嬉しいときは満面の笑みを浮かべ、ミスをすると舌を出したり、天を仰いだりする感情表現豊かなプレーヤーだが、鈴木を知る人が口を揃えるのは“負けず嫌い”というその性格だ。 同じピン社のクラブを使い、優勝した鈴木を祝福するために表彰式へと駆けつけた大山志保はいう。「プライベートはすごく面白いけど、練習熱心で負けず嫌い。それに、『私が(海外勢の)連勝記録を止めたい』とか、ストレートに口に出すからすごいと思う。同世代だったらす...
2016/09/09GDOEYE

暗闇の中でバーディ!下川めぐみがスコアを伸ばせた理由

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 2日目(9日)◇登別カントリー倶楽部(北海道)◇6750yd(パー72) 最終組がホールアウトしたのは、午後6時20分。日の暮れた18番グリーンには2台の投光器が設置された。この日、4バーディ、1ボギーの「69」をマークして通算2アンダーの首位で終えた下川めぐみは、最終組の1組前を回っていた。 「3、4ホールくらい手前から、見えなくなってきて…。自分が最終組だったら(途中で)やめていたと思うけど、後ろの組もいるし、自分たちだけの判断ではやめることはできなくて。最終ホールに行ったらライトが点いていたし『あ、これは終わらなきゃ...
2016/10/17GDOEYE

日本オープン圧巻V 松山英樹が母国のファンに残したもの

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(16日)◇狭山ゴルフ・クラブ(埼玉)◇7208yd(パー70) 「あー、疲れた!」。日が沈んで暗くなった午後6時半を過ぎて、ようやくクラブハウス前の迎えの車にたどり着くと、松山英樹は両手を挙げて背を伸ばした。「サイン疲れだな、きっと」。冗談めかして笑ったが、今週だけで松山が書いたサインは「5000枚」(本人概算)。日本のゴルフファンを感嘆させた芝の上のプレーだけでなく、松山はいつしか日本のトッププロとして、コース外でも献身的な役割を演じていた。 初の「日本オープン」タイトルを獲得した最終日も、メディア対応を終えるとサインを求める...
2014/06/29GDOEYE

私だって「みなみちゃん」 中嶋常幸アカデミーの秘蔵っ子がアマ日本一に

アマチュアプレーヤーの活躍が、枚挙にいとまがない2014年の女子ゴルフシーン。そのナンバーワンを決める今年の「日本女子アマチュア選手権」には、4月に史上最年少でプロツアー制覇を成し遂げた勝みなみが参戦するとあって、会場となった茨城県・大洗ゴルフ倶楽部は大会初日から大盛況。しかし準々決勝で敗退した勝ら、昨今のプロトーナメントで輝かしい成績を残している選手たちを退け、頂点に立ったのは蛭田みな美(福島・学法石川2年)だった。 36ホールマッチプレーで争われる決勝戦では、佐藤耀穂(さとう・あきほ=埼玉栄高3年)を相手に23ホールを終えた時点で3ダウンと劣勢を強いられながら、終盤に試合をひっくり返した蛭...
2014/06/27GDOEYE

大波を作れるか? 産声を上げた「日本ゴルフ改革会議」とは

日本ゴルフ界の将来を危惧する有志による「日本ゴルフ改革会議」の第1回会合が27日、東京都千代田区にある参議院議員会館の会議室で開催された。 議長は評論家で日本プロゴルフ殿堂外部理事である大宅映子氏。副議長はJGTO顧問の諸星裕氏、アコーディアゴルフの元取締役の蟹瀬誠一氏、スポーツライターの玉木正之氏が務め、事務局長として(株)NOBORDER代表のジャーナリスト・上杉隆氏が枠組みを整え、組織として一般社団法人の申請を目指すという。 同会の設立趣意書によると、この会は日本のゴルフ界の復興とゴルフ文化の健全化を目指す具体的な提言を行うことが目的とされている。だが、第1回会合から、提言で終わっては意...
2014/08/25GDOEYE

桃子3年ぶりV…涙の母娘喧嘩で目覚めた

神奈川県にある大箱根CCで行われた「CAT Ladies」で、最終日に3打差を逆転して3年ぶりの優勝を飾った上田桃子。最後に優勝した2011年以来、12年に国内女子ツアー、13年には米女子ツアーのシード権を失い、苦しい停滞期を経験してきた。 そんな上田が、今シーズン開幕前に設定した目標は、驚くかもしれないが「年間10勝」というものだ。過去、国内女子ツアーでは03年に不動裕理が年間10勝を達成し、これがシーズン最多勝記録として残っている。熊本の大先輩が樹立した偉大な記録に並びたい。上田の闘志を燃え立たせるのは、そんなビッグな目標だ。 とはいえ、シーズンが開幕してみると、地元熊本で行われた「バンテ...
2014/05/03GDOEYE

半世紀前と変わらない「中日クラウンズ」の魅力

日本国内のスポンサー大会としては最古の「中日クラウンズ」は、1960年にここ名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(当時は6,535ヤード/パー70)で第1回大会が開催され、中村寅吉が277ストローク(通算3アンダー)で優勝した。 2000~10年頃にかけて幾度かのコース改修が行われたが、昨年の第54回大会は第1回と比較して総ヤード数が10ヤード伸びただけ(6,545ヤード)でパー70は変わらず、優勝スコアも松村道央が記録した278ストローク(通算2アンダー)と、半世紀前とほぼ同じスコアでの決着となった。 その間にゴルフクラブはパーシモンからメタル、そしてチタンへと変化し、ボールも大きく進化した。米国P...
2016/10/16GDOEYE

日本OPエントリー後に欠場したタイ人選手への処分は? “岩田ケース”再び

◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目(15日)◇狭山ゴルフ・クラブ(埼玉)◇7208yd(パー70)◇ 開幕2日前の火曜日、タイのチンナラト・ファダンシルが「日本オープン」欠場を決断した。理由は「アジアンツアーへ出場するため」。すでに大会へのエントリーも済ませており、ペアリングも発表された後の欠場だった。 当然、大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)は「正式な理由としては認められないので、本当に出ないならばペナルティが科される旨を伝えた」(山中博史専務理事)」という。昨年には、日本オープンのエントリー後に米ツアー出場権を獲得して、大会を欠場した岩田寛が、JGA主催競技...
2016/09/10GDOEYE

女子プロゴルファーが車上荒らし被害 クラブやDVD盗難か

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 3日目(10日)◇登別カントリー倶楽部(北海道)◇6750yd(パー72) 各地を転戦するプロゴルファーにとって、車は大事な足であり、ときには倉庫ともなる。群馬県に住む女子プロの青木瀬令奈は、今大会への移動費を節約しようと、千葉県の成田空港から格安航空会社(LCC)を利用した。車は空港近くにある駐車場に置いてきた。その車が、車上荒らしの被害にあったという。 青木がその連絡を受けたのは、北海道に入った今週の月曜日。登別でメジャー大会を戦っているため、実際の被害状況を直接確認できたわけではないが、現地から送られてきた写真などに...
2014/10/04GDOEYE

グリーン上の仕事人についた異名 “乗せワン”のヒデ

なんだかカッコいいニックネームだ。 愛知県の三好カントリー倶楽部 西コースで開催されている国内男子ツアー「トップ杯東海クラシック」3日目。今季初勝利が待たれる谷原秀人が、持ち味を発揮して単独首位のキム・ヒョンソン(韓国)に4打差の通算4アンダー5位につけた。 「もうイヤになっちゃう。こんなに難しいんじゃ、やるのも苦痛」。深いラフ、硬く締まったグリーン。息をつく暇もない難関セッティングに、ホールアウト後は疲労感たっぷりだった。「いまは左肩だけ痛い」とシーズン中盤に悩まされた首、肩の痛みからは次第に解放されつつあるが、体の回復に伴いスイングのタイミング修正にも苦しむ昨今だ。 そんなときこそ活きるの...
2014/10/06GDOEYE

シード権変更 試合数減と日程が招く負のスパイラル

2012年末に9年間守ったシード権を喪失した増田伸洋が、賞金シード復帰をほぼ手中に収めた。愛知県の三好カントリー倶楽部 西コースで行われた国内男子ツアー「トップ杯東海クラシック」。2日目を終えて3位につけた後、決勝ラウンドの「73」「74」で失速しトップ10は逃したものの、通算2アンダー12位でフィニッシュ。今季の獲得賞金を約1646万円まで積み上げた。 男子ツアーの賞金シードは2015年シーズンから新制度に切り替わり、今季の成績から反映の対象となる。シード(第1シード)獲得圏が上位70位から、60位に引き上げられたのだが、獲得賞金のボーダーラインは約1600万円といえそうだ(2013年賞金ラ...
2014/10/10GDOEYE

ベテラン鬼澤信子 45歳になっても飛距離が落ちない理由とは?

「だって負けてないですから」――。先月17日、ベテランの鬼澤信子は45度目の誕生日を迎え、レジェンズツアーへの出場資格を得た。それでもなお、彼女はレギュラーツアーで戦う理由を、あけすけに、さらりとそう答えてのける。「緊張感があるし、若い世代と堂々と勝負できる。体力面の衰えは否定できないけど(笑)、飛距離だって、ひとつひとつの技をとってみてもまだ負けてないと思っていますから」 10日(金)に静岡県の東名CCで開幕した「スタンレーレディス」では初日、7バーディ2ボギーの「67」をマークした。インからスタートし出だし10番(パー3)でティショットをピンそば3mにからめてバーディ発進。上がり3ホールを...