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ナイキ撤退の厳しい冬 ツアー現場に待ち受けるリアル

2016/11/28 08:12


◇国内女子◇LPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(27日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6448yd(パー72)

今年8月に発表されたナイキのゴルフ用具事業撤退は、世界的にプレーヤー人口の縮小傾向が指摘されるゴルフ市場のいまを象徴するニュースとなった。厳しい競争環境の中で、生き残りをかけるグローバル企業が事業の「選択と集中」を行うのは避けられない流れだが、今季最終戦を終えた国内女子ゴルフの現場でも、それは過酷な現実として存在する。

7月の「ニッポンハムレディス」でツアー初優勝を遂げた葭葉ルミ(23)は今年1月、クラブやウェアの使用契約を米ナイキ本社と結んだ。1984年にゴルフ市場に参入した同社の事業撤退は、寝耳に水だった。来季以降の使用クラブはまだ決定しておらず、気の休まらない日々を送っている。

プロ選手は特定のメーカーと用具の使用契約を結ぶことで、試合会場でも手厚いサポートを受けられる。現場にはメーカーのトラック(ツアーバン)が待機しており、クラブに問題が生じた場合などにツアーレップ(ツアーレプレゼント)と呼ばれる専門職のスタッフが調整を行う。

ツアーレップは、選手たちの要望を聞いて、クラブヘッドやシャフトの交換、ライ角、ロフト角、バランスの調整をミリ単位で施すプロフェッショナルだ。試合の開幕前に会場入りし、練習ラウンドや練習場に帯同して球筋を見たり感触を聞いたりし、選手の最大のパフォーマンスを引き出すようアドバイスも与える。

そんな彼らも、グローバル競争の風にさらされる。ナイキの高田智之さん(スポーツマーケティング部ツアーテクニシャン)は、同社のツアーレップを務めて13年になる。以前は、クラブメーカーのロイヤルコレクション(RC)で5年の経験を積んだ。「12月末でクビになります。チームが消滅する通達があり、正式に年内で退社することが決まっています」と、打ち明ける。

外資系企業では事業からの撤退が決まると、担当部署の全員が解雇(レイオフ)されることは珍しくない。ナイキは米オレゴン州に本社を構えるが、「本国のクラブ開発チームは撤退発表とほぼ同時に解雇通告を受けたとも聞いている。厳しい世界です」(高田さん)。現在4人で編成される高田さんのチームも、高田さんを含めた3人が退社。1人は、事業が継続されるゴルフアパレル、シューズ部門への異動が決まったという。

「国内企業だったら状況はまた少し違っていたでしょうけど…」。専門的なスキルがモノを言う世界だけに、実力があればメーカー間の移籍も多いと聞く。高田さんは休養を取った後、転職先を探すという。例年より、冬の訪れが早くなった今年。厳しいオフシーズンが待ち受けるのは、選手に限った話ではない。(宮崎県宮崎市/糸井順子)

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糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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