2017/05/05GDOEYE

派手な見た目だけじゃない アン・シネが見せるプロ意識

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 2日目(5日)◇茨城GC西コース(茨城県)◇6670yd(パー72) ドキドキしたのは、本人だけではなかっただろう。大会2日目、国内女子ツアーに初出場しているアン・シネ(韓国)は、終盤17番(パー5)でバーディを奪って通算5オーバーへ。ホールアウト時点では予選通過圏外の61位だったものの、後続がスコアを落とし、終わってみれば予選カットライン上の58位で週末への切符を手に入れた。 「(17番は)3打目がラフから。ここで獲らないとダメだという不吉な予感がしたので、超能力に近い力で、どうしてもということでバーディを獲ることができました。本当に気が...
2017/05/05GDOEYE

すでに6社とスポンサー契約 19歳の歌姫セキ・ユウティン

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 2日目(5日)◇茨城GC西コース(茨城県)◇6670yd(パー72) 今季から日本ツアーに参戦しているセキ・ユウティン(中国)が、大会2日目を「68」で終えて通算2アンダーの6位とした。過去2回、海外メジャーの「全米女子オープン」には出場しているが、メジャー大会での予選通過は初めての経験。「嬉しいです。自信になります」と、にこやかに目を細めた。 「このゴルフ場は距離が長いし、いままでプレーした中で一番難しい。そのおかげでずっと集中力が切れなくて、それが良かった」とセキはいう。薬丸キャディと決めた茨城GCの攻略法は、常にグリーン手前から攻める...
2017/04/22GDOEYE

トーナメントに新たな1ページ ワイワイ観戦「ザ・ギャラリーホール」

◇国内男子&アジア共同主管◇パナソニックオープン選手権 3日目(22日)◇千葉カントリークラブ梅郷コース(千葉)◇7130yd(パー71) 静寂に包まれた地下道をくぐり抜けて16番ティに上がると、“待っていました”とばかりに場内アナウンスで名前を呼ばれ、ギャラリーが喝采をする。「ザ・ギャラリーホール」と命名された今大会の16番(パー3)は、これまでのゴルフ観戦に新たな1ページを記すことになりそうだ。 グリーンのすぐ後方には276席のギャラリースタンドが設置され、そこではプロゴルファーのタケ小山と薬師寺広アナウンサーがグリーンDJとして、週末2日間にわたって熱いトークを繰り広げている。ホール脇に...
2017/05/01GDOEYE

家族の前で2季ぶりV 宮里優作“地元”での日常

◇国内男子◇中日クラウンズ 最終日(30日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)6545yd(パー70) 「どうしてあそこでボギーをたたいたの?」。宮里優作にそう“詰め寄る”のは、この春、小学3年生になった愛娘。自宅から車で約15分の場所にある名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース。週末2日間、ロープの外で36ホールを歩いた長女・莢杏(らん)さんの手元には、大好きなパパのスコアを記したノートがあった。もちろん彼女は“藍ちゃんの姪っ子”である。 ここ数年で、本格的にゴルフを始めた莢杏さん。首位で迎えた最終日の朝、宮里は「きょうは誰が優勝するかな?」と声をかけられ、送り出されたという。「『オレじゃな...
2017/04/21GDOEYE

男子ツアーと女子下部ツアー ギャラバスの列が長かったのは?

◇国内男子&アジア共同主管◇パナソニックオープン選手権 初日(20日)◇千葉カントリークラブ梅郷コース(千葉)◇7130yd(パー71) 千葉県に場所を移して2年目を迎える“新生”「パナソニックオープン」は、国内女子下部ステップアップツアーとの同週開催も2年目となる。男子ツアーの会場・千葉CC梅郷Cから、女子下部ツアー会場の千葉CC野田Cまでは約5キロの道のりだが、その相乗効果はいかほどなのだろうか。 木曜日から4日間で争われる男子大会に対し、女子下部大会は水曜日から3日間。プロアマ戦および前夜祭は、男女共に火曜日に開催された。メディアセンターや練習場、クラブハウスなどは男女別々だが、両コース...
2017/04/22GDOEYE

3年連続賞金女王狙うイ・ボミ 今季1勝目はいつ訪れる?

3年連続賞金女王狙うイ・ボミ 今季1勝目はいつ訪れる? ◇国内女子◇フジサンケイレディスクラシック 初日(21日)◇川奈ホテルGC富士コース(静岡県)◇6367yd(パー72) 2015年に7勝、16年に5勝を挙げて2年連続賞金女王を戴冠したイ・ボミ(韓国)。「フジサンケイレディス」大会初日は3バーディ、1ダブルボギーの「71」でプレーして、1アンダー35位につけた。3年連続賞金女王を目標に掲げ、新シーズンをスタートしたイの現時点でのスタッツを過去2年と比較した。 15年は5月の「ほけんの窓口レディース」で1勝目を挙げた。夏場以降の出場12試合で5勝とし、終盤に強さが光った。昨年は、開幕2戦目...
2017/09/25GDOEYE

鉄人・表純子の241試合連続出場はどれだけすごいのか

◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン◇利府GC (宮城)◇6551yd(パー72) ツアー通算5勝の43歳・表純子の約6年間にわたった連続出場記録が241試合で途切れた。27日開幕の「日本女子オープン」出場には「ミヤギテレビ杯」の優勝が必須だったが、予選落ちを喫した。 2011年の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から続けてきた記録はどれだけすごいのか。一概には言えないが、ほとんどの選手は多くても4、5試合に出場した後にオフを挟み、調整や休養に充てる。1年間は、週換算すると約52週。国内女子ツアーは12月から翌2月がオフで、表は約40週をほぼ休みなく出場してきたことになる(※20...
2017/11/27GDOEYE

新女王・鈴木愛 大の練習嫌いはなぜ変わったのか

◇国内女子メジャー第4戦◇LPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(26日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6448yd(パー72) 初の賞金女王に輝いた鈴木愛は練習が嫌いで仕方なかった。ジュニア時代、大会を終えると真っ先に帰宅の支度をした。「遠い目標に向かって地道に続けるのが昔から苦手で」と明かすが、極度の負けず嫌いでもある。目の色を変えて取り組んだ日々が、2013年の森田理香子以来となる日本人賞金女王の座に導いた。 11歳で初めてクラブを握った。当初1Wをフルショットすることは楽しかったが、先の見えない小技の練習が何よりも嫌だった。当時師事した南秀樹コーチは「体を動かして疲れるのを嫌って」と苦笑いで...
2019/08/14GDOEYE

大雨でもドリル貫徹 渋野日向子の反復練習に見る強さの秘訣

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(14日)◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6705yd(パー72) ポツリポツリと降り出した雨が、突然激しさを増した。大粒の雨が降ったのはちょうど昼時。練習グリーンにいた選手や関係者はそそくさとクラブハウスへ引き揚げた。そんな中、キャディが差した傘の下で一人、パッティング練習を続ける渋野日向子の姿を追う10人ほどのカメラマンが一斉にシャッターを切った。 渋野には2年ほど前から行うパッティングのドリルがある。課題とするグリーン上を克服しようと青木翔コーチと始めた。1m、1.5m、3mといった具合にカップに対して徐々に距離を伸ばしながら...
2019/09/23GDOEYE

葛藤克服 渋野日向子が取り戻した「ありのまま」の自分

◇国内女子◇デサントレディース東海クラシック 最終日(22日)◇新南愛知CC美浜コース (愛知)◇6446yd(パー72) 大会の開幕2日前に、渋野日向子が口にしていた言葉がある。「最近は笑顔が少なくなっているかもしれない。前ほど楽しんでやれていないのかなあ」。8月の「AIG全英女子オープン」を制してから国内5試合目で優勝を飾った渋野は、凱旋帰国からの約1カ月半について「自分のプレーができずに葛藤があった」と胸内を明かした。 昨年のプロテストに合格し、迎えた今季のルーキーイヤー。「ツアーに出だしたときは、試合に出られることがうれしかった」という立場は、日本人女子42年ぶりの海外メジャー制覇を遂...
2019/09/13GDOEYE

同学年3人で今季5勝 若手キャディが奮闘中!

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 2日目(13日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6425yd(パー72) 渋野日向子ら1998年度生まれの黄金世代が注目を浴びている国内女子ツアーでは、選手を支えるキャディにも新風が吹き始めている。 今年8月の「CAT Ladies」でツアー初優勝を飾った浅井咲希とともに、キャディとして初勝利をつかんだのは、キャリア4年目の栗永遼さん(24歳)。「ぜんぜん緊張していなかった」(栗永さん)という2打差首位で迎えた最終18番だが、浅井が60センチのパーパットをミスして1.5mオーバーするとテンションは急変した。 パットに悩む浅井に、栗...
2019/04/26GDOEYE

川奈のホールナンバーはなぜ普段と違うのか

◇国内女子◇フジサンケイレディスクラシック 事前(25日)◇川奈ホテルGC富士コース(静岡県)◇6376yd(パー71) 26日に開幕する第38回「フジサンケイレディスクラシック」。2005年以降は、東洋一の美しさと評される川奈ホテルGC富士コースが戦いの舞台だ。 毎年、大会時には通常営業とは異なるホールレイアウトで行われる。通常の18番(パー4)をスタートホールとし、通常の1番(パー4)が2番に。以降は一つずつずれていき、通常の17番(パー4)が最終18番となる。 大会のゼネラルプロデューサーを務める戸張捷氏はその理由を「通常の18番はグリーン周りが狭くて人が入れない。17番には観客席も作れ...
2019/03/07GDOEYE

試す価値アリ? コースごとにボールを使い分ける“穴井流”

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス◇琉球GC(沖縄県)◇6514yd(パー72) タイトリスト『プロV1』シリーズは、アマチュアのみならずツアープロにも愛用者が多いボールだ。展開モデルは『V1x』と、よりソフトな打感の『V1』の2タイプがあり、プレースタイルや性能の好みに合わせて選択できる。 ツアー通算2勝の穴井詩の選び方は、多くの契約プロの中でも異例のようだ。数年ほど前から「風が強い日やグリーンの芝の種類によって」V1xとV1を使い分けているという。今週の開幕戦(琉球ゴルフ倶楽部)ではV1xを使用した。 会場は強い風が吹きやすく、グリーンは芽が強い高麗芝。「エックス(V1x)の方が風が吹...
2018/04/03GDOEYE

一週間で7300食 難コースの美味しいレストランのおもてなし

「ヤマハレディースオープン」が開催された葛城ゴルフ倶楽部(静岡県袋井市)。クラブハウス2階にあるレストランで働く料理人たちは大会期間中、毎朝4時から仕事を始めたという。第1組の選手たちがスタート前に朝食を取れるよう午前5時にはオープンしていた。 「料理人にとって一番大事なのは、気遣いなんです」と語るのは、シェフ歴33年の総料理長・入江真史(いりえ・しんじ)さん(55)だ。朝の仕事を終えると休む間もなく、昼食の準備にかかる。午前組のホールアウト、午後組のスタートに合わせてだ。「(午後組は)コースも難しいし、試合前にこれを食べて頑張るぞって。(午前組には)緊張感のあるラウンドを終えてホッと一息つけ...
2019/09/17GDOEYE

畑岡と渋野が示した、勝つために必要な“新水準”

◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 最終日(15日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6425yd(パー72) 日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は、大会新記録となる通算18アンダーで優勝した畑岡奈紗のプレーを「本当に素晴らしかった」と満面の笑みで称えた。2位に8打差をつける圧勝劇は「セッティングに対する岡本(綾子)さんの意図が反映した内容」という。この爆発的なプレーこそ、まさに協会が求めていたものだった。 今大会でコースセッティングを担当した岡本綾子は、開幕前に「ラフは想定より長くなったけど、フェアウェイのコンディションが素晴らしい。4日間を通してラフに入れない技...
2019/09/21GDOEYE

長尺・中尺パター 国内シニアメジャーでの使用率は

◇国内シニアメジャー◇日本シニアオープン 2日目(20日)◇日高CC東西C(埼玉県)◇7019yd(パー72) レギュラーツアーにおいては男女や国内外を問わず、長尺や中尺パターを握る選手はやはりまだ数少ない。日本では1試合で5人いるかどうか…も疑わしい。それが50歳以上の選手が集う男子シニアの世界では事情が異なる。ことしの「日本シニアオープン」では、出場126人のうち長尺、あるいはグリップエンドを余らせて中尺を打つ選手が28人いた。 この「使用率22%」という数字はレギュラークラスのみならず、一般市場と照らし合わせると驚くべきもの。ある大手パターブランドによると、販売するパターのうち長中尺モデ...
2019/03/31GDOEYE

アン・シネのいばらの道 韓国ツアーが海外出場の制限を強化

◇国内女子◇アクサレディス in MIYAZAKI 2日目(30日)◇UMKCC(宮崎県)◇6525yd(パー72) 主催者推薦で今季初出場したアン・シネ(韓国)は通算2オーバーで予選落ちし、最終日の決勝ラウンドに進めなかった。韓国ツアー(KLPGA)のシード権を失う覚悟で臨む日本ツアーだが、こちらも出場機会は限られ、いばらの道が続く。 2015年に韓国ツアーのメジャー大会「KLPGA選手権」を制覇して得た同ツアーのシード権は、今年で切れる。さらにKLPGAが海外の試合への出場に関する制限の強化を打ち出したことが、苦境に追い打ちをかける。 韓国ツアーに詳しい関係者によると、2019年シーズンか...
2019/06/09GDOEYE

難易度に変化は? 16番グリーン改修で誕生した新たなピン位置

◇国内メジャー◇日本ツアー選手権森ビル杯 3日目(8日)◇宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇7387yd(パー71) 前日からの雨によりグリーンの硬さがやや抑えられ、第3ラウンド16番(パー3)は手前から41yd、左から8ydの位置にピンが切られた。このピンポジションに、多くの選手が反応したかもしれない。16番に新たに加えられた改修によって、今大会で初めて披露されたシビアなピン位置だったからだ。 改修ではグリーン左奥の傾斜を強め、縦幅8ydほどの高く狭い段が設けられた。ピンは傾斜から4yd入った位置に切られ、奥のエッジまでは4yd。ティエリアを前に出してピンまで146ydの距離(予選ラウン...
2019/03/23GDOEYE

微笑みの国から来た19歳 ヘッドカバーに刻む言葉

◇国内女子◇Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 初日(22日)◇茨木国際GC(大阪)◇6219yd(パー71) 気温11.2度。母国タイでは経験できない、あまりの寒さに身を震わせた。S.ランクンは首位と1打差となる2アンダー2位で初日を終え「風も強くて、とても寒かった。そんな中で頑張れたので、いい結果になった」と笑みを浮かべた。 今季3戦目の19歳は、12歳から競技を始め、得意のクラブは飛距離250ydを誇るドライバー。憧れは同じタイ出身で元世界ランク1位のアリヤ・ジュタヌガンだ。日本を初めて訪れた昨年の最終QTで32位に食い込んだことで、「日本とタイは近いし、食べ物も飲み物もおいしい...
2019/03/11GDOEYE

女子プロゴルファー鈴木美重子 理想のツアー実現に賭けた45年

今年も国内女子ゴルフツアーのシーズン開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(沖縄・琉球GC)のプレステントは、全国から集まった約100人の報道関係者でひしめきあっていた。テントの後方から感慨深そうに見守る一人の女性。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の鈴木美重子専務理事(66)は、この光景が決して当たり前ではないことを知る、今では数少ない一人だ。 トーナメント現場に出るのは、この週が最後。メジャー勝者の一人に名を連ねる選手時代から数えると足かけ45年の間、女子プロゴルフの最前線を見守り続けてきた。2018年度限りで理事としての定年を迎え、今月18日の総会を以て退任する。 ■型破りな選手時代→広...