「気が抜けてしまったのかな」 渋野日向子は34ラウンドぶりオーバーパー
2019年 日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯
期間:09/12〜09/15 場所:チェリーヒルズGC(兵庫)
同学年3人で今季5勝 若手キャディが奮闘中!
2019/09/13 20:11
◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子プロ選手権大会コニカミノルタ杯 2日目(13日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6425yd(パー72)
渋野日向子ら1998年度生まれの黄金世代が注目を浴びている国内女子ツアーでは、選手を支えるキャディにも新風が吹き始めている。
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今年8月の「CAT Ladies」でツアー初優勝を飾った浅井咲希とともに、キャディとして初勝利をつかんだのは、キャリア4年目の栗永遼さん(24歳)。「ぜんぜん緊張していなかった」(栗永さん)という2打差首位で迎えた最終18番だが、浅井が60センチのパーパットをミスして1.5mオーバーするとテンションは急変した。
パットに悩む浅井に、栗永さんはアドレスでの重心位置をアドバイスしたことがある。「これをやったら大丈夫?」という浅井に「しっかり打ち切って」とうなずいた。「いままで悩んできた集大成の気持ちで打った」という浅井のパットは、スムーズなストロークとはいかなかったが、しっかりとカップの音を響かせた。
「勝ったらこういう景色なんだなっていう感情と、パターに苦しんでいた選手と一緒に最後のパットをねじ込めたっていう感動は、一生忘れることはないと思う。笑って終わりたかったけど、号泣しました」と、その瞬間は栗永さんの記憶に焼きついた。
その栗永さんに浅井を引き合わせたのは、同い年で2015年から本格的にキャディを始めた木村翔さん(24歳)だ。国内ツアー10勝を誇る木村敏美の長男で、06年には小学6年で母のキャディとしてツアーデビュー。その報酬は6万円のカブトムシだったという。
その木村さんも、今年5月の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」で勝みなみをサポートしてキャディとして初優勝。7月の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」では小祝さくらを初優勝へと導いて、自身2勝目を達成した。
「5年前は(同学年が)誰もいなかったから、いまは楽しいかも」と仲間も増えて、気持ちも軽い。ただ、テレビで自分の姿が映るたびに「家を建て直すから、ちょっとは出してくれるんでしょ?」という母からの連絡が悩み(?)だとか。
そして、もう1人。17年6月にプロキャディとなった中川桂輔さん(25歳)も2人と同学年。同年7月の「ニッポンハムレディス」で初タッグを組んだイ・ミニョンと初優勝(イは2勝目)を飾ると、以降はイの専属として今季2勝を含む通算4勝を積み上げている。
栗永さんは「2人は僕よりキャリアもあるし目標としています。僕もはやく彼らのように勝たせられるキャディになりたい」という。3人で今季すでに計5勝を挙げ、切磋琢磨を続けている。(兵庫県三木市/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka