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新女王・鈴木愛 大の練習嫌いはなぜ変わったのか

◇国内女子メジャー第4戦◇LPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(26日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6448yd(パー72)

初の賞金女王に輝いた鈴木愛は練習が嫌いで仕方なかった。ジュニア時代、大会を終えると真っ先に帰宅の支度をした。「遠い目標に向かって地道に続けるのが昔から苦手で」と明かすが、極度の負けず嫌いでもある。目の色を変えて取り組んだ日々が、2013年の森田理香子以来となる日本人賞金女王の座に導いた。

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11歳で初めてクラブを握った。当初1Wをフルショットすることは楽しかったが、先の見えない小技の練習が何よりも嫌だった。当時師事した南秀樹コーチは「体を動かして疲れるのを嫌って」と苦笑いで思い返す。ショットの打ち込みを避けようと、少女は練習場にパターマットを持ち込んだ。打球の響く音をよそに「ずーっとそこにいましたから。それは疲れないから良かったみたい」(南氏)と感覚を磨いた。

パットが決まるようになり、試合では勝てた。地元・徳島ではちょっとした期待の星。オファーを受け鳥取県の高校に進学したが、ゴルフ部1期生は鈴木を含めて2人だけ。冬場は大雪のため雪かきに時間を割かれ、打ち込みは1日150球程度に制限された。

2013年のプロテスト合格後も、当初は練習場に足が向かわなかった。1年目は4戦に出場して予選落ちが3回。練習嫌いを変える契機となったのは、その年のオフだった。用具契約を結んだピンの米国本社に出向き、合宿を組んだ。鈴木は普段通りラウンドを終えると、そそくさとホテルに帰ろうとした。トッププロを契約選手として抱える同社の担当者は驚いた。「新人でこんなに練習しないのも珍しい。パターはうまかったけど、アプローチなどはこのままだと通用しないと思った」。だから、あえて厳しく苦言を呈した。「甘すぎる。もっと練習しないと難しい」

それまで鈴木は「練習する時間と携帯電話で動画を見る時間が同じくらい」だったという。「いくらパターが得意でも、ショットでグリーンに乗せないと勝てない。10m以上はなかなか決まらない。ショットが当時ダメだった。やっぱり練習しないといけない」。帰国後、母・美江さんに伝えた。

ツアー会場では、夕日を背にドライバーで打ち込んだり、1人で球を転がす光景が日常になった。結果はついてきたが、試合に敗れると、ぶ然として涙を流す。負けず嫌いは、あの日のままだ。「練習しないと自分の実力は引き出せない。海外選手は強いけど、こういう風に練習してきたら賞金女王になれることもある」。ジュニア時代、コーチに怒られると目にいっぱいの涙をためた。それでも決して視線をそらさなかった少女が大きな夢を一つかなえた。(宮崎県宮崎市/林洋平)

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