2012/08/24GDOEYE

昨年は悔しさ募る失格 大谷のリベンジ

昨年の「ニトリレディスゴルフトーナメント」初日に、3人が失格処分を受ける事態が起こった。正午前から厚い雲が上空を流れ始め、午後1時30分過ぎに雷雲の接近により一時中断を知らせるサイレンがコースに鳴り響いた。 雷雲の接近など、選手の身に危険が及ぶ可能性がある場合は、サイレンと同時に即座にプレーを中断しなければならない。選手たちは、サイレン音の長さによってその判別をする。しかし、通常の中断と勘違いをした村田理恵、大谷奈千代、福田裕子の3人はそのホールを終えるまでプレーを続けていたことが判明。ゴルフ規則6―8b(委員会決定による中断の場合の処置)の違反により失格となったのだ。 大谷は当時17番グリー...
2012/08/26GDOEYE

涙のアン、苦難を乗り越えての通算10勝目

「ニトリレディスゴルフトーナメント」で節目となるツアー通算10勝目を飾り、アン・ソンジュは同郷の先輩であるカン・スーヨンの肩で泣いた。 5月初旬の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」から約4ヶ月。65試合目での通算10勝目達成は、88年のツアー制度施行後では宮里藍の47試合に次ぐ2番目のスピード記録。しかし、アンにとっての今季2勝目は、とても長い時に感じたことだろう。その気持ちが、18番グリーン上での涙となった。 故障を抱えていた左手首の痛みがピークに達した「スタンレーレディス」では、国内ツアーで初めての途中棄権。「ウエッジで打った時でも痛かった。アイアンやドライバーで、フ...
2012/08/25GDOEYE

「自分を信じること」 金田久美子の意識改善

「小さい頃からマイナス思考なんです」とは、金田久美子の言葉。“悪いショットが出たらどうしよう・・・”。プレーの調子自体は良くても悪いイメージばかりが先行し、その感覚だけが大きく膨れてしまう。ここ最近も「ショットもパットもいい」と実感しているものの、なぜかスコアに繋がらず予選落ちを重ねる週が続いていた。その理由は金田も重々、承知している。「自分を信じられていない」こと、つまりはマイナス思考であること。 厳しいプロの世界で生きる身にとって、メンタルの弱さは致命傷。もちろん、以前から意識改善には取り組んできた。ツアー出場もままならず、もっとも苦しい時期を送っていた2年前にはメンタルトレーニングを導...
2012/08/18GDOEYE

篠崎と池田、最終日最終組で“師弟対決”

篠崎紀夫は笑う。「自分は弟子とも思っていないし、向こうも師匠とは思ってないでしょう」。ここで言う“弟子”とは、「関西オープン」3日目に「62」をたたき出した池田勇太のこと。池田は小学生から高校時まで、千葉県の実家からほど近いゴルフ練習場『北谷津ゴルフガーデン』に毎日のように通っていたという。篠崎はその練習場の所属プロを務めており、池田を直接指導した立場にあった。 その池田が、今やツアー通算9勝を誇るトッププロに成長。しかし篠崎は、指導していた当時を振り返り「正直、ここまでいくとは思っていなかった」と明かす。「精神的にも強いとは思わなかった。リストが強くて飛ばしに1番興味を持っていたけど、アプロ...
2012/08/18GDOEYE

同門、同窓、姉妹同士?選手間の微妙な関係

今週の「CAT Ladies」で初日首位タイに立った斉藤愛璃は、前週「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾った吉田弓美子の高校の2年後輩。「先輩について行かなくちゃと思いました」と、今週へ気持ちを新たに臨んでいた。 そして、2日目に首位に浮上してきたのは、その吉田。「meijiカップ」の週に久しぶりにご飯を一緒に食べ、「彼女自身、悩んで辛い時期を送っているのは分かっていたし、辛い中一生懸命やってきて、それが形となって現れたのがうれしかった」と、この日もリーダーズボードをみながら斉藤のスコアをチェック。「彼女も頑張っているから、私も頑張ろうと思いました」と、相乗効果で優勝争いへ...
2012/08/19GDOEYE

厳しさを増す米ツアーシード権への道 当事者たちは・・・

米国男子ツアー(PGAツアー)のコミッショナー、ティム・フィンチェムが先月7月10日(火)に発表した、シード権獲得への制度改革。これまでは年末に行われるファイナルQTの上位25名に翌年のレギュラーツアー出場権が付与されたが、2013年シーズンからはその役回りが2部ツアーの「ウェブ・ドットコムツアー」に移行する。QT上位者は翌年の2部ツアー出場権を得るにとどまり、米ツアー出場への道の険しさがはるかに増したといえる。 QT上位からレギュラーツアー出場権を獲得できるのは、今年がラストチャンス。今週の「関西オープン」を単独2位で終えた韓国のキム・ヒョンソン(32歳)も、将来的には米国でのプレーを目指し...
2012/06/24GDOEYE

岡本師匠から服部に贈る“愛の言葉”

今季より国内女子ツアーに加わった「アース・モンダミンカップ」は、服部真夕の最終18番、逆転イーグルでの劇的勝利で幕を閉じた。首位タイに横峯さくら、アン・ソンジュ、そして服部の3選手が並んでスタートした最終日だったが、服部の「最後まであきらめない」気迫のプレーが、他を圧倒し、初代女王のタイトル、そしてツアー通算4勝目となるタイトルを獲得した。 最終日、最終組での優勝争いで、たびたび話題となるのは「サントリーレディス」での5打差の逆転負け。「あの時の自分は、ミスをしたら、その悪い流れを断ち切れずにいた。でも今日は最後まであきらめない強い気持ちで臨みました」と、苦い経験を経てこの場所に再び戻ってきた...
2012/06/22GDOEYE

2位浮上の手嶋多一 ロイヤルリザムの記憶

国内男子ツアー「~全英への道~ミズノオープン」は例年、その名の通り、7月の海外メジャー第3戦「全英オープン」の日本地区最終予選会としても注目を集める。4日間を終え、上位4選手に出場権を付与(2位から4位でタイが生じた場合は、世界ランクの順位で決定)。また、開幕戦から今大会終了時までの賞金ランク上位2選手もそのチケットを手にすることができる異色のトーナメントだ。 世界最古のトーナメント、全英。今年の舞台は、イングランド北部ランカシャーに位置するロイヤルリザム&セントアンズ。2001年大会以来、11年ぶり11度目の開催となる。 そのリザムで「玉砕された」と苦い過去を振り返るのが手嶋多一だ。当時32...
2012/07/01GDOEYE

飯島茜、8試合ぶりの決勝ラウンド

最近は、久しく上位に名前が見られなかった飯島茜。それもそのはず、5月上旬の「フンドーキンレディース」で今季2度目の予選落ちして以降、1試合の途中棄権を挟んで2試合の欠場、さらに3試合連続の予選落ち。開幕からトップ10入りと、好調なシーズンインを迎えながらの急な暗転に、不安を感じていたファンも多かったことだろう。 その飯島が、今週開催の「日医工女子オープン」で実に8試合ぶりとなる予選突破を果たし、通算3オーバーの20位タイでフィニッシュ。「ここまで這い上がることができて、本当に良かった」と安堵の表情を浮かべ、苦しかったここ2ヶ月の近況を語ってくれた。 その原因は、4月下旬の「フジサンケイレディス...
2012/06/30GDOEYE

韓国ツアーの精鋭たちが感じる“日本”

今年の日韓男子プロゴルフ対抗戦「ミリオンヤードカップ」には、Y.E.ヤン、ベ・サンムン、キム・キョンテといった米ツアーで活躍を見せる大物選手たちは参加していない。しかし、韓国ツアーで活躍する若手実力派プレーヤーが躍動を見せている。 そんな中、何人かの選手に話を聞いた。まずは韓国ツアーで通算8勝を挙げている29歳のカン・キョンナム。この日は最終組でキム・ドフンとペアを組み、15番からイーグル、バーディ、バーディと勝負強さを発揮してペアを勝利に導いた。 「今日は出だしが3連続バーディで余裕を持っていけました。途中、日本チームが追い上げてきて緊張したけど、15番のイーグルが大きかった」と振り返る。来...
2012/06/30GDOEYE

福嶋晃子、断固たる“専業主婦”宣言

主婦業を優先するか、仕事を優先するか、どちらも両立させるか。結婚した女性のプロスポーツ選手たちは、まずはこれらの選択に迫られるはずだ。女子ゴルフ界では近年、北田瑠衣、茂木宏美、藤田幸希、不動裕理らが結婚しているが、そのほとんどが結婚前と変わらず、ツアーへの出場を続けている傾向にある。 昨日39歳の誕生日を迎えたばかりの福嶋晃子も、昨年の7月3日に会社経営者と結婚。その福嶋、今シーズンは出場した試合は僅か5試合にとどまっており、冒頭の問いに対する福嶋の選択は、この数字にはっきりと現われている。 「(主人に)いい仕事をしてもらわないと」。主婦業を優先させ、掃除、洗濯から炊事まですべての家事をこなし...
2012/06/29GDOEYE

ペアを据え置いた日韓両キャプテン、それぞれの意図

「負けた人の中で3組くらいは変えて欲しそうな顔をしていたけど、お前らプロなんだからしっかりやれってことだ」。日韓男子プロゴルフ対抗戦「ミリオンヤードカップ」の初日、5戦1勝で韓国チームに3ポイント差をつけられた日本チームのキャプテン、青木功は目をかっと見開いてこう宣言した。 初日は一つのボールを交互に打っていくフォアサム形式のストロークプレー。2日目はそれぞれが自分のボールを打って良い方のスコアが採用されるフォアボール形式。フォーマットは違うが、二人がペアとなって相手チームと戦うことに変わりはない。2日目のペアリングを決めた青木キャプテンは、異例とも取れる大胆な采配をふるった。 2日目に向けて...
2011/11/04GDOEYE

中嶋常幸「“いとしのエリー”じゃなくて“ぼやきのトミー”」

「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」の2日目、通算1アンダーの20位タイからスタートした中嶋が、3ストローク伸ばして7位タイに浮上した。前半に4つのバーディを奪ったこの日の内容は「竜頭蛇尾と言うべきか」と、考えれば考えるほど悔しい思いがこみあげる。 中嶋は昨年の1月、青森県で合宿中、乗用車に背後から追突されて足を挟まれる事故に巻き込まれた。同年5月にツアー復帰はできたものの、「考えれば仕方ない。(事故以来)いくらゴルフが出来るようになっても、デリケートなショットは打てないね」ともどかしさが募った。足の状態は、筋肉が伸縮するときに突っ張る違和感が残っているそうだ。 「リーダーボード?見たく...
2011/11/04GDOEYE

アサハラ・ムニョス、スペインに再び吉報を届けられるか?

今年が2度目の来日となるスペインのアサハラ・ムニョスだが、ホールアウト後は大勢のギャラリーに囲まれてサイン攻め。その端麗な容姿は既に多くの日本人ファンの心を掴んでいるようだ。 「こんなに大勢にかわいいって言われる国は他にないわ」とムニョスも?を赤らめる。「モデルじゃないけど、気に入ってもらえるのは嬉しい。でもそれだけじゃなくて、グッドプレーヤーとして、その両方で認めてもらいたいの」。今日の4アンダー、5位タイ発進はそんな想いをコース上で発散した結果ともいえそうだ。 来日直前の台湾で2位タイ、その前週はマレーシアで3位と好調を維持している。「スイングは今年努力してきたものがついに一つにまとまっ...
2011/11/03GDOEYE

尾崎直道、チャンピオンズ続投に迷い「決断を探している」

国内シニア最終戦「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」に参戦している尾崎直道は、初日、4バーディ、2ボギー、1ダブルボギーのイーブンパー、28位タイ。「こんなにいい天気なのにイーブンパーじゃだめですね」と久々に日本の芝に苦戦している。 この日のスコアもろとも、インタビュールームにやってきた尾崎は弱気な発言が次々と口を衝く。「今年のチャンピオンズツアーでは打ちのめされましたね。日本に帰ってくるかも含め、スケジュール管理が難しくて…」と帰国をほのめかす。今季序盤「東芝クラシック」、続く「アウトバックステーキハウス・プロアマ」で3位タイフィニッシュと、ツアー初勝利に大きな注目が集まるも、中盤以降...
2011/11/03GDOEYE

中止になった日韓戦とその意義

地球規模でグローバルになり、日本選手が世界各地で活躍することの多くなったゴルフ界。世界ランク1位のルーク・ドナルドが米国と欧州の2大ツアーでの賞金王に近づいている事実も、そんな時代の流れを象徴しているようだ。 そんなゴルフ界だが、我々日本人(特に僕個人)が寂しい想いをせざるを得ない大会がある。それは多分、現在のゴルフ界で一番盛り上がる大会と言えるであろうライダー・カップだ。ご存じ、2年に1度開催される米国対欧州選抜のチーム対抗戦で、残念ながら日本人の出る幕は、まったく無い。 女子では、今年開催されたソルハイムカップというのがそれにあたる。日本での報道は小さく、その熱を感じる機会は少ないかもし...
2011/11/06GDOEYE

「もう勝てないんじゃないか・・・」上田桃子が乗り越えた壁

「もうゴルフをやめたい・・・」。上田桃子がそんな弱音をこぼしたのは、「マンシングウェアレディース東海クラシック」「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」と、得意コースで2週連続の予選落ちを喫した今年9月のことだったという。 それを聞いた母・八重子さん。「やめたければやめてもいいけど、つま先で立っているだけでも、逃げないことは大事だよ」。じゃあ、つま先だけでも立っていよう。不調の底で、信頼する母の言葉が胸に染みた。 08年から米ツアーに参戦している上田だが、日本の賞金女王という実績を持ってしても、米ツアーでの優勝はつかめそうでつかめない。09年、10年、そして11年。4年の月日が流れ、「もう勝...
2011/11/05GDOEYE

“理想の関係”と“深まる絆” ラッセル親子の場合

国内シニア最終戦「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」は、イングランドからスポット参戦していたデービッド・ラッセルが、日本国内試合4戦目にして堂々の優勝を飾り、 全8戦の熱戦が幕を閉じた。優勝したデビッド・ラッセルは欧州シニアツアーのチェアマン、さらに欧州レギュラーツアーのツアーディレクターとしての活躍に加え、コース設計の仕事にも従事、そしてツアー転戦と多忙な日々を送っている。 そんな彼は「日本の選手は、選手同士が尊敬しあい、高めあっていることが素晴らしい」と称賛。日本「『HANDA CUP』のような欧州シニアツアーとの共催大会を増やせるように、戻ったら働きかけたい」という意欲まで見せるほ...
2011/11/05GDOEYE

桃子、バースデープレゼントは“素敵なパー”

今年ここまでの最高位は、米ツアーが開幕戦での18位タイ(賞金ランキング52位)、日本ツアーでは4位タイ(賞金ランキング44位)という成績だが、上田桃子にとっては不本意なシーズンと言えるだろう。 それでも、07年に米ツアーへの扉を開いた「ミズノクラシック」で2日目を終えて3打差の首位に立つ。この日は上田の母・八重子さんの62回目の誕生日だったが、自らのプレーで母に笑顔をプレゼントした。 常々、“パーが好き”という八重子さんに応えたのは、12番でのこと。ティショットを左のクロスバンカーに入れてしまい、あごの近くからの第2打はフェアウェイに戻すだけ。残り105ヤードをPWで4mにつけてこれを沈める...
2011/09/10GDOEYE

最終日に待ち受けるメジャーの醍醐味

全体的にスコアが伸び悩み、いよいよメジャーらしいロースコアの展開になってきた「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」3日目。そんな停滞ムードの中、森田理香子は16ホールを終えて4バーディ、1ボギーと猛追。通算4アンダーと首位に肉薄し、残り2ホールを迎えていた。 しかし、ホールアウトしてのスコアは通算1アンダー。「またやっちゃいましたね・・・」と苦笑する森田の姿があった。17番パー5ではティショットを右ラフに打ち込むと、2打目、3打目とラフを渡り歩き4オン2パットのボギー。最終18番パー4では、グリーン奥ラフからの3打目がグリーンをオーバーし、コロコロと反対側のウォーターハザードへ。5オ...