ディネッシュ・チャンド 2009年 ユーティリティ正面

独特のフラット軌道で豪快なショットを放つのはフィジー出身のディネッシュ・チャンド。肘や手首など上半身の動きはかなり個性的だ。テークバックでは肩を早く使って両手をかなりインサイド(背中の方)に深く捻っていく。左手首も親指の方に曲げることなくフラットになっている。左手が地面と平行になる9時のポジションでは左腕とシャフトのアングルは僅か30度ほどしかなっていない。トップ・オブ・スイングまでの動きは「これで大丈夫かな？」 と疑ってしまうほどだが、チャンドの凄さを感じることができるのは切り返しからのダウンスイングモーション。ダウンスイングでは左腰と左膝のリードでシャフトと左腕の「タメ」を作り、クラブヘッドのエネルギーをしっかりとボールに伝えることができている。アニカ・ソレンスタムのように目線と顎を早めに飛行線側に動かす「ルックアップ」は左に曲がる引っかけフック防止のリリースとなる。 一般ゴルファーの方々にチャンドの上半身の動きを真似するのはお勧めできないが、切り返しからフォローまでの下半身の動きには注目して「飛ばしの秘訣」を掴んで欲しい。アンディー和田