進藤大典ヤーデージブック 記事一覧
2023年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/12〜01/15 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)
“特別な大会”に新たな1ページ 松山英樹とプロアマ同組の幸運
PGAツアーは恒例のハワイ2連戦から新たな一年が始まり、僕も「ソニーオープンinハワイ」が行われたホノルルへ行ってきました。
大会期間中にワイキキを歩いていると、キム・シウーとバッタリ。「プレジデンツカップ」で同じ世界選抜として戦ったこともあって軽く話をしました。昨年12月に結婚したばかりですから、幸せオーラが半端じゃありません(笑)。
<< 下に続く >>
一緒にいたオ・ジヒョン夫人は韓国女子ツアーで7勝を挙げているバリバリのプロゴルファーでもあるのですが、2人のリラックスした雰囲気が非常に印象的でした。最愛のパートナーの存在が見事な逆転優勝の原動力となったことは間違いないでしょう。
実は個人的なハイライトは開幕前のプロアマ戦。縁あってプレーする機会に恵まれ、抽選で松山英樹選手と同組になる幸運まで重なって驚きました。同組が決まってからは、自分でもよく分からないドキドキ感がすごかったですね。緊張なのか興奮なのか、とにかく気持ちが高ぶって前日の夜中に目が覚めてしまったくらいです。
当日の朝はスタート前に不安から2度も練習場に行って必死に調整しましたが、コースに出たらボールが曲がる曲がる(笑)。完全に力み過ぎでした…。
久しぶりに一緒にゴルフができて、本当に楽しく貴重な時間になりました。ラインを読んでもらったロングパットが決まってハイタッチを交わしたときは、久々の感触にひっそりと感動する自分も。キャディとしてともに戦っていた当時を考えれば、試合を決めるようなスーパーショットが出たときだけのスペシャルな“儀式”だったのですから。
昨年は度重なる故障との闘いもあり、秋以降もなかなか満足いく練習は積めていなかったかもしれません。それでも、試合に向けてしっかりと仕上げてきている感じを受けました。体つきはトレーニング量を物語っていましたし、練習場で見てもフェードかストレートかという球筋はほれぼれする美しさ。米本土の戦いから、さらに上がっていくと信じています。
「ソニーオープン」は僕にとっても節目となってきた特別な試合です。ちょうど20年前のこの大会でプロデビューした宮里優作選手のバッグを担ぎ、プロキャディとしての人生が幕を開けました。そして10年前には、まだアマチュアだった松山選手と初めてPGAツアーでタッグを組んで戦いました。
ゴルフを通じて多くの出会いがあり、さまざまなことを経験して学んできました。2023年もつながった縁を大切にしながら、感謝の気持ちを忘れずに歩んでいきたいと思います。19年に始まった、この「PGAツアー・ヤーデージブック読解」のコーナーも5年目になります。みなさま、本年もよろしくお願いいたします。(進藤大典)
- 進藤大典(しんどう・だいすけ)
- 1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。