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2022年 AT&Tペブルビーチプロアマ
期間:02/03〜02/06 場所:スパイグラスヒルGC(カリフォルニア州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

203試合目の歓喜 トム・ホジーが貫いた堅実マネジメント

「AT&Tペブルビーチプロアマ」で初優勝を飾ったトム・ホジーがPGAツアーに初めて出場したのは2011年「RBCカナディアンオープン」でした。直前、3部ツアーにあたるPGAツアーカナダ「プレーヤーズカップ」を制してつかんだ切符でしたが、あえなく予選落ち。2部ツアーを経て2014-15年シーズンから最高峰の舞台へ本格参戦を果たしたものの、3季連続でシード確保に失敗。PGAツアー203試合目での初タイトルは、長い下積みが報われた瞬間でした。

通算200試合目までの最高成績は1度きりの2位(2019年「ア・ミリタリー・トリビュート at ザ・グリーンブライアー」)。それが2週前の「ザ・アメリカンエキスプレス」で自己ベストに並ぶ2位に入ると、間を置かずにペブルビーチで悲願の初V。前年大会で最終日最終組を一緒に回ったジョーダン・スピース、昨季年間王者のパトリック・カントレーといったスター選手相手に勝ち切ってみせたのです。

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「パームスプリングス(ザ・アメリカンエキスプレス)の最終日前夜が一番眠れなかったかもしれない。きょうはとても落ち着いていた」「5番でダブルボギーを打とうが、ナイスパットを決めようが、その先にまたタフなショットが待っている。ただ頭を下げて突き進むだけなんだ。年を取ってくると、それがゴルフなんだと思うようになる」

優勝インタビューを聞いていると、直近の惜敗や過去の苦い経験を糧にしてきたことがうかがえます。幾度となく自らのプレーを振り返り、悔しさをかみしめてきたのでしょう。最終日のプレーからも、32歳の愚直な歩みを感じ取ることができました。

前半4番でバーディを先行させた直後、5番でまさかのダブルボギー。続く6番は2オンを狙えるロングホールです。フェアウェイのど真ん中から打ったセカンドで決して欲を出さず、グリーンに届くか届かないかという絶妙なクラブ選択でリスクヘッジ。花道からきっちりと寄せてバーディを奪い、悪い流れを断ち切ったことが大きかったと思います。

7番(パー3)も左奥に切られたピンに対し、安全なサイドに乗せてのバーディ。トラブルがあった前半をパープレーでしのぎ、サンデーバックナインに望みをつなげました。

優勝争いのメンツが絞られてくる後半、やはり緊張感は高まるもの。しかし、ホギーの攻め方は変わりません。インコースでの4バーディは、いずれもグリーンのセーフティなゾーンを狙っていった中で生まれました。

これまで逃し続けてきた初優勝がちらつき、リスク覚悟で果敢に攻めていきたくなる状況もあったはず。積み重ねた悔しさ、そこから得た教訓をぶれないマネジメントが証明しています。

最後まで優勝争いを盛り上げたスピースも、上位に行けば行くほど集中力を高め、パフォーマンスを研ぎ澄ませていくあたりがまさにスーパースター。昨年9月に始まったシーズンではトップ10入りがありませんでしたが、昨年もこの時期から調子を上げて「マスターズ」前週の復活優勝につなげました。

次戦「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」も前年大会で最終日最終組を回っています。大会2勝の松山英樹選手をはじめ、さらに分厚くなるフィールドで熱い戦いを見せてくれるはずです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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