ダニー・リーのプロフィール&戦績
2021年 バミューダ選手権
期間:10/28〜10/31 場所:ポートロイヤルGC(バミューダ諸島)
公傷クリアへ残り2戦 うれしいダニー・リーの復活
ルーカス・ハーバート(オーストラリア)の初優勝で幕を閉じた「バミューダ選手権」。僕は久しぶりに上位で戦うダニー・リー(ニュージーランド)を見てうれしくなりました。
最終日の後半11番までは首位だっただけに、本人の中では2015年「ザ・グリーンブライアークラシック」以来のツアー2勝目に届かなかった悔しさも大きいかもしれません。
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しかし、昨季は出場24試合でトップ10入りゼロ。予選落ちが12試合を数え、棄権も4試合ありました。肩のケガで「マイナー・メディカルエクステンション(メジャー・メディカルエクステンションより出場優先順位の低い公傷制度)」の適用を受け、まさに瀬戸際にいるのです。
雨と風が吹きつけるタフなコンディション。ショートサイドのグリーン奥に外してしまった12番でダブルボギーをたたいて首位の座を明け渡し、さらに13番(パー3)、14番と連続ボギー。一気に崩れかかったところをなんとか踏みとどまって、15番から3連続バーディとカムバック。価値ある2位タイに食い込み、韓国で行われた19年「ザ・CJカップ」で2位に入って以来の好成績を収めました。
ノースカロライナ州のパインハーストNo.2コースが舞台だった08年「全米アマ」で優勝。準決勝でパトリック・リードを破るなど18歳1カ月で頂点に立ち、タイガー・ウッズの最年少V記録を更新。世界アマチュアランキング1位にも輝きました。09年にはオーストラリア開催の欧州ツアーでアマチュア優勝。同年「マスターズ」に出た後にプロ転向とエリート街道を歩んできた選手です。
15年にはプレジデンツカップで世界選抜チームとして一緒に戦いました。気さくで人懐っこく、イタズラ好きの愛されキャラ。松山英樹選手とも非常に仲が良く、ツアー転戦中にはお互いのチームメンバーみんなで食事に出掛けることもありました。16年「マスターズ」では彼がオーガスタで借りていたレンタルハウスに招待してもらい、食事をご馳走になったのもいい思い出ですね。
もともと華奢な選手でしたが、17年、18年くらいから肉体改造に励むように。練習場で常に1Wをマン振りする姿を見かけるようになったのも、そのころです。故障で棄権が増えた時期にも重なっていたため、心配するツアー仲間も多くいました。
当時会うたびに変わっていった体つきも、すっかりPGAツアー選手らしいガッチリした体格に変化。この大会も優勝争いから完全に脱落したと思われたところから、終わってみれば1ストローク差の2位。やはり地力があります。
公傷制度をクリアして出場資格をキープするためには、残り2試合でフェデックスカップポイント44ptが必要な状況。今週「ワールドワイドテクノロジー選手権atマヤコバ」にもエントリー。優勝500ptの試合ですから、単独20位で45ptを獲得できます。頑張れ、ダニー!(解説・進藤大典)
- 進藤大典(しんどう・だいすけ)
- 1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。