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進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

“飛んで曲がらない”コクラック 完全アウェーでスピース撃破

「チャールズ・シュワブチャレンジ」でジェイソン・コクラックが地元テキサスのジョーダン・スピースに競り勝ちました。

決勝ラウンド2日間とも2サム同組でのプレー。ギャラリー動員の“日常”が徐々に戻ってきつつあるPGAツアーでは、ホームとアウェーの空気が再びはっきり感じられるようになってきました。米ツアー屈指のスター選手であるスピースが、もっとも強烈な後押しを受ける地での優勝争い。完全アウェーの36ホールの末に勝ち切り、大きな自信になったことでしょう。

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スピースにとっては、ホームの期待が重圧になった部分もあったと思います。個人的な“伏線”として挙げたいのが、前日3日目の最終18番で奪ったバーディ。コクラックに1打差をつけ、単独首位で最終日へ入ることになったわけですが、必ずしもプラスに作用したとは言い切れません。トップタイ、もしくは追いかける立場でラスト18ホールに臨んでいたら、あれほどナーバスになることはなかったのではとも感じます。

スタートの10分前まで練習場にとどまり、コーチのキャメロン・マコーミックさんと調整に勤しむ様子に状態の苦しさが伝わってきました。2番からの3連続ボギーは相手を助ける結果となりました。

そして、何よりコクラックのプレーが素晴らしかったです。今大会、パー4とパー5のティショットのスコア貢献度を示す「ストロークゲインド・オフ・ザ・ティ」でフィールド1位。ドライビングディスタンスでトップの321.8ydを記録しながら、フェアウェイキープ率も73.21%で5位につける安定感。

通算233試合目で待望のツアー初優勝を飾った昨年10月「ザ・CJカップ@シャドークリーク」で使っていたものと同じセッティングの1Wに戻したことも功を奏し、飛距離と正確性を両立させていました。状態の悪さを自覚していたスピースからすれば、なかなかミスを期待できない相手と戦うプレッシャーは相当なものだったはずです。

身長195㎝、体重102㎏の恵まれた体格を生かしたロングドライブ以上に際立つのがグリーン上です。この大会で7位だった「ストロークゲインド・パッティング」はシーズン全体でも6位にランクイン。本人が要因のひとつとして口にするのは、コンビを組んで4年ほどになるキャディのデビッド・ロビンソンさんの存在。優勝会見でも「本当によくグリーンを読んでくれる。ベティナルディのパターともども感謝しかない」と話していました。

元ツアープロの相棒。後半11番(パー5)のナイスアシストも見逃せません。通算14アンダーで並ぶスピースと一騎打ちの様相を呈していた状況でセカンドの残りは約300yd。コクラックは3Wのヘッドカバーを外してグリーンの近くまで持っていく気満々でしたが、バンカー手前へのレイアップを勧めてバーディにつなげました。

今シーズンの複数回優勝はブライソン・デシャンボースチュワート・シンクに続く3人目。5月22日に36歳となった大型プレーヤーが覚醒のシーズンを迎えています。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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