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2020年 ザ・ホンダクラシック
期間:02/27〜03/01 場所:PGAナショナル(チャンピオン)(フロリダ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

あの元世界NO.1も大嫌い!? ベアトラップ最難関は“乗ればOK”

PGAナショナル・チャンピオンコース 17番パー3(175yd)

今年もフロリダを巡る季節がやってきました。今週の「ホンダクラシック」に始まり、「アーノルド・パーマー招待」「プレーヤーズ選手権」「バルスパー選手権」と4週にわたるフロリダシリーズの始まりです。

第1戦の舞台となるPGAナショナル・チャンピオンコースは、ジャック・ニクラスが1990年の改修に携わったことで知られる超難関コース。その中でも、特に難度が高い15番からの3ホール=通称ベアトラップが有名ですね。今回はその3ホールから、最も難しいと言っていい17番をピックアップします。

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やや打ち下ろしとなる175ydのショートホール。何と言っても、グリーン手前と右サイドに広がる池が目につきます。ウォーターハザードの多いコースで、18ホールのうち15ホールで池がからみます。それでも「水」の恐怖に慣れることはありません。かつての世界ランキング1位、あのジェイソン・デイ(オーストラリア)が「池が多すぎる」という理由でこの試合を毎年スキップすることは昨年のこのコーナーでお伝えした通りです。

グリーンの幅は15ydほどしかなく、左のバンカーに入れてしまうと、下り傾斜で寄せるのは困難です。また、ボールを池へといざなおうとするアゲンストや左からの風が吹くことが多い時期なのも悩ましい。前後左右、ちょっとしたミスが命取りになります。ティショットがグリーンに乗った瞬間の安堵(あんど)感は、「マスターズ」のオーガスタナショナルGCの12番や「ザ・メモリアルトーナメント」のミュアフィールドビレッジGCの12番と並ぶものがあります。

フロリダでも、まだまだ寒暖差のある時期。朝は寒くても、午前10時を過ぎるころには暖かくなっていき、午後になると今度は強風が吹き荒れます。午前スタートと午後スタートで平均ストロークが2、3打違うことも珍しくありません。カットラインギリギリで予選を通過し、決勝ラウンドで朝早く風のない穏やかな時間にササッと回って順位を大幅に上げる選手が出るのも、フロリダシリーズならでは。そして、上がり直前には“ベアトラップ”。今年も最後まで目が離せない4日間になりそうです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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