ニュース

米国女子DIOインプラントLAオープンの最新ゴルフニュースをお届け

2022年 DIOインプラントLAオープン
期間:04/21〜04/24 場所:ウィルシャーCC(カリフォルニア州)

カナダ史上最強 ブルック・ヘンダーソンのルーツはアイスホッケー<LPGA選手名鑑>

ブルック・ヘンダーソン選手(カナダ)が2021年、「LAオープン」で手にしたタイトルは節目のLPGAツアー通算10勝目になりました。当時はちょうどパッティングに悩んでいた時期で、練習グリーンでグリップをクロスにしたり、クロウにしたりと試行錯誤を繰り返していたことが思い出されます。

LPGAツアーに参戦する前から母国では超有望なトップアマとしても有名で、本コーナー前回のリディア・コー(ニュージーランド)同様、世界アマチュアランキングで1位に上り詰めた選手のひとりでもありました。

<< 下に続く >>

2003年に「マスターズ」を制した男子のマイク・ウィア選手を筆頭に優秀なプロを多く輩出しているカナダですが、ヘンダーソン選手は24歳にして同国出身プロとして米ツアーで男女を通じて最多勝記録を持つ唯一無二のヒロインなのです。

■“ゴールキーパー”だった

ブルック・ヘンダーソン Brooke Henderson
◆生年月日 1997年9月10日
◆出身 カナダ・オンタリオ州
◆ルーキーイヤー 2015年

家族の影響で幼い頃からゴルフとともに、アイスホッケーに親しんでいました。ゴルフのコーチでもある父が大学時代にゴールテンダー(サッカーのゴールキーパー)を務めていたことから、彼女も8歳から14歳まであの頑丈な防具をつけてゴールを守っていたのです。

本格的にゴルフに打ち込んだのは14歳の時。アイスホッケーの経験がスイングスピードやフィジカル、メンタル面にも生きています。壁に打ったテニスボールを手で取るゴールテンダーの練習は、反射神経、視覚と動作の協調を養うことにつながりました。

2013年の「カナダ女子アマ」を含め同国のタイトルを総なめしたアマチュア時代を経て、15年にプロ転向。前年末のQスクールはまだ17歳だったため受験が認められず、初年度は各大会の予選会、また主催者推薦を通じてツアーに参戦しました。そんな逆境にもかかわらず、6月にプロ初戦となった下部シメトラツアーで1勝。さらに同年8月「キャンビアポートランドクラシック」で月曜予選会を通過して本戦に出場し、2位に8打差をつけてLPGAツアー初勝利を飾りました。

■姉妹で歩むナンバーワンへの道

LPGAツアーのファンの方でしたら、ヘンダーソンのキャディが姉のブリタニーさんであることはご存じでしょう。彼女も元トップアマでシメトラツアーへの参戦経験があります。ブルックが今でもクラブのグリップエンドを余らせて握るのは、小さい頃に姉のお古のクラブを短く持って打っていた名残なのです。

姉をフルタイムでキャディに据えた2016年、「KPMG女子PGA選手権」でメジャー初制覇を遂げます。直近までメジャー2連勝中だったリディア・コー選手とのプレーオフを制して優勝。当時の18歳9カ月2日は、大会史上最年少記録となりました。

ブリタニーさんとは互いに言葉に出さずとも、何を考えているか伝わるほどの仲。転戦中はホテルの部屋もシェアしますが、けんかはほとんどしないとか。メジャーチャンピオンになった後も順調に勝利を重ねていきましたが、中でも2018年の「カナディアンパシフィック女子オープン」での優勝は、カナダ出身選手として45年ぶりにナショナルタイトルを獲得した瞬間。家族や親類の前で最高の晴れ姿を披露しました。

■ロングクラブを使えなくなって

愛くるしい笑顔でも人気のトップランカーにはシャイな一面もあります。2018年にハワイでの「ロッテ選手権」を制した(翌年も優勝)際には恒例の表彰式でのフラダンスを「踊れない。恥ずかしい…」とやんわり拒否。

それでいて、いつも攻めのプレーができるのが魅力です。「カナディアンオープン」のときも、母国のプレッシャーをものともせず最後までアグレッシブな姿勢を貫きました。アクセルを常に踏み続けられる選手で、パー5は2オンしない距離でも2打目でレイアップすることが少なく、できるだけグリーンの近くまで運びます。

雨や風といった悪天候にも強いのも特長。「カナダで風と寒さの中で育ったから、どんなときも集中しやすい」と言います。タイトなピンを狙っていけるのも、正確なパスを味方に通すアイスホッケーの経験が生かされているようでなりません。

2022年はテーラーメイドのボールにスイッチ。拠点のフロリダ州ネープルズで、旗竿を抜かずに行うパッティングも練習してきました。一方で2022年のルール改正、クラブのシャフト長規制により、これまで愛用していた48インチの1Wは3月下旬以降、競技で使用できなくなりました。長いクラブを短く握って振るスタイルからの変更を余儀なくされた勝負の年です。(解説・片平光紀

片平光紀(かたひら・みつき) プロフィール

1989年、神奈川県生まれ。中学卒業後に単身渡米しジュニアアカデミーで腕を磨いた後、デイトナ州立大に進学。2011年に設立された世界女子アマチュアランキングで1位に立った。卒業後に米女子ツアーの予選会を通過してレギュラーツアーおよび下部ツアーでプレー。親指の故障を原因に2015年に現役を退き、米ゴルフチャンネルでリポーターに転身した。

関連リンク

2022年 DIOインプラントLAオープン



あなたにおすすめ


特集SPECIAL

これから活躍が期待できるキラキラ輝く女子プロへインタビュー!普段では聴けない生トークを魅力全開でお届けします。
やってみよう! フットゴルフナビ
サッカーとゴルフが融合した新スポーツ「フットゴルフ」の総合情報サイトです。広いゴルフ場でサッカーボールを蹴る爽快感を、ぜひ一度体感してみよう!

ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!