松山英樹はD.ジョンソン、ガルシアと同組/全米オープン
あの時の自分へ「もっと英語をやっておけ!」~小平智
プロゴルファーになるためには今なにをしたらいいですか? ジュニアのレッスン会に参加した多くのプロたちが直面する、よくある質問のひとつだ。将来への希望や期待が大きいほど、少年少女の悩みや不安は大きくなるもの。いつだって先人の話は救いになる。すでに国内メジャー2勝を挙げている若手のエース・小平智に、「あの時の自分へ」というテーマで自身のジュニア時代を振り返ってもらった。
「いまと変わらず、常に攻める姿勢を持っていた子供でしたね。どんな状況でもピンをデッドに狙っていくような、一切守ることを考えないジュニアゴルファーでしたよ」
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現在26歳でプロ転向6年目。「これといって目立った選手ではなかったので、同世代の全員がライバルでした。あえて挙げるとしたら、同じ学年の薗田峻輔、藤本佳則、1つ上の永野竜太郎さん。憧れの選手はタイガー・ウッズ、夢はマスターズ優勝。いまも同じ目標を追いかけています」と、まだジュニア時代の記憶は鮮明だ。
「純粋にゴルフが好きなので、ジュニアのときの気持ちのまま、いまの自分がいるといった感覚」。ぶれることなく現在へと続いているジュニア時代を改めて思い返し、ふむと笑みを浮かべた。
公言してはばからない現在の海外志向も、2年間の日大在籍時に属していたナショナルチームで海外経験を積み、刺激を受けたことが大きい。ただ、プロとしてプレーへの自信が増してくるにつれ、浮かんできた悔いもある。「勉強はつまらなかったです(笑)」と明言する高校(東京・駒場学園高)~大学時代の取り組みだ。
「あの時の自分に戻れるなら、“もっと英語の勉強をやっておけ!”って伝えたいですね。今からでも遅くはないけど、きっと呑み込みの速さが違いますからね」
2013年の海外メジャー「全英オープン」に始まり、小平はこれまで世界選手権シリーズ2戦を含む5試合を海外で経験。今年も7月の「全英オープン」出場権を確保するなど、国内ツアーでの実績をもとに海外進出への道を切り開きつつある。
「海外に行くと、やっぱり分からないことが多い。(技術的なことを含め)コミュニケーションをとることができれば、もっとゴルフの視野が広がるのかな、とすごく思いますね。当時から英語をやらなきゃいけない、という頭はあったんですけど…」
学生時代から本格的なトレーニングに着手するなど、ゴルフのレベルアップにはストイックに取り組み、「頑張って、段階を踏んで上手くなってきた」という自負がある。それだけに、レベルを上げるにつれて見えてきた、さらなる高みへの課題も素直に認めざるを得ない。
時間には限りがあるので、その時、何を選択するかの問題だ。その点で「プロになってから1年間を戦える体作りを始めるのでは遅すぎる。学生時代から体を作っておいて良かった」と話す小平の英語への悔恨は本当にわずかともいえる。
「英語はゴルフじゃなくてもいろいろなところで活用できますし、ゴルフ関係なしに、やっておけば良かったと思います」。小平が幾度か繰り返した言葉は、当時の自分だけではなく、これから世界を目指す多くのジュニアへのメッセージに聞こえた。(編集部・塚田達也)