GDO編集部が選ぶ 2014年国内女子ツアー10大ニュース
2014年PGATOURギアトレンド(2)キャロウェイ
By Jonathan Wall, PGATOUR.COM
フィル・ミケルソンが「全英オープン」を制し、X HOT 3DeepとX HOT フランケンウッドが一躍その名を轟かせたシーズンを経て、2014年シーズンはビッグバーサメタルウッドを発表するなど、キャロウェイにとって原点回帰の年となった。その過程で同社は数名のビッグネームと契約を結んだ他、APEXを復活させて2年振りとなるユーティリティアイアンを発表し、"ツアー"仕様のMACK DADDY 2ウェッジもリリースした。ここにキャロウェイの今シーズンを振り返ってみよう。
ツアーで発表されたギア
BIG BERTHA ドライバー(2014年)、X2 HOT ドライバー(X2 HOT及びX2 HOT Proドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド)、ビッグバーサ アルファ 815 ドライバー、ビッグバーサ アルファ 815 ダブルダイヤモンド、ビッグバーサ V Series (ドライバー、フェアウェイウッド)、X2 HOT Deep (フェアウェイウッド)、APEX UT (ユーティリティアイアン)、MACK DADDY 2 Tour Grind (ウェッジ)、X2 HOT及びX2 HOT Pro (アイアン)、APEX Pro及びAPEX MBアイアン、オデッセイ メタルXミルド パター、オデッセイ Tank Cruiser (パター)、 Speed Regime (ボール)
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PGAツアー勝者(2013-14)
クリス・カーク (マックグラッドリークラシック、ドイツバンク選手権)、ハリス・イングリッシュ (OHLクラシック)、パトリック・リード(ヒュマナチャレンジ、WGCキャデラック選手権)、マット・エブリー (アーノルド・パーマー・インビテーショナル)
大口契約で他をリード
2013年にロリー・マキロイとナイキの契約がニュースヘッドラインを飾った1年後、今度はキャロウェイが数名の有名選手と契約を結び、他社をリードする形となった。既にキャロウェイのクラブを使用し、2013年はフェデックスカップとヨーロピアンツアーのレース・トゥ・ドバイの両方を制覇したヘンリック・ステンソンとの契約にこぎ着けた他、キャロウェイはオフシーズンにマッテオ・マナッセロとハリス・イングリッシュとも契約を結んでいる。
ビッグバーサとAPEXの復活
長年にわたりシーンの中で重要な役割を果たす多くの製品を生み出してきたキャロウェイだが、カリフォルニア州カールスバッドに本拠を置く会社を設計と革新の旗手として有名にしたのはビッグバーサドライバーだった。
第一次世界大戦でドイツ軍が使用した大砲“ビッグバーサ”に因んで命名されたオリジナルのビッグバーサは、1991年に発表されたステンレススチールのボディ、ネックレスのヘッド、そして特大のスイートスポットを持ったドライバーで、当時、ギアの世界に革新をもたらした製品である。その後もキャロウェイはビッグバーサの名のもとに成功を築き上げ、チタン製の"Great ビッグバーサ"と"Biggest ビッグバーサ"を送り出し、2009年に最後のビッグバーサモデルとなったビッグバーサ Diabloをリリースした。
そして、4年の沈黙を経て、キャロウェイはビッグバーサの復活をアナウンスした。ビッグバーサとビッグバーサ Alphaは今季ツアーでの優勝を果たしたパトリック・リード (ビッグバーサ Alpha)やマット・エブリー (ビッグバーサ)を含む多くのキャロウェイ契約選手により使用された。
ホーガンの伝説的なAPEXの名も、キャロウェイのAPEXアイアンラインの発表により、表舞台への復帰を果たした。3種類の異なるモデルに加え、APEX UTのリリースにより、同社は2年以上発表していなかったユーティリティアイアンを世に送り出した。APEX MBに似たルックスのこのホローボディのクラブは「全英オープン」でデビューを飾り、ゲーリー・ウッドランド、トーマス・ビヨーン、ブランデン・グレース、そして石川遼らが一時期使用した。
X2 HOT Deepフェアウェイウッドが登場
キャロウェイのX HOT 3Deepフェアウェイウッドは昨シーズン最も話題性のあるクラブの一つだった。このフェースの高いウッドはフィル・ミケルソンが「マスターズ」への足がかりとして出場した「シェルヒューストンオープン」でお目見えした。
その3ヶ月後、このクラブはミケルソンが逆転優勝を果たした「全英オープン」で大きな役割を果たす。最終日、パー5の17番でミケルソンは13度のクラブでフェアウェイからグリーンを捉え(このホールでは同じクラブをティショットでも使用している)、優勝を決定付けるバーディをお膳立てしたのである。
実は、昨季、ミケルソンがフェアウェイから3Deepを打つのに苦しんでいたのを知る人間は少ない。フェースが高くなったことにより、ティショットのオプションとなった反面、フェアウェイからコンスタントに使用できるだけの多様性が損なわれてしまったのである。今季登場したX2 HOT Deepはフィル・ミケルソン、ニコラス・コルサーツ、マッテオ・マナッセロ、そしてスティーブン・ボウディッチらによって使用された。尚、ボウディッチは3Deepをバッグに加え、2013-14シーズンの「ヴァレロテキサスオープン」で優勝を遂げている。
オデッセイがメタルXミルドをお披露目
数ヶ月にわたりオデッセイのメタルXミルド パターはゴルフ界において最も長く守られた秘密となった。オデッセイはその最新作がツアーで使用され始めようというときまで、そのパターを"ミステリー・ミルド"というタグと、黄、赤、黒のクエスチョンマークのついたヘッドカバーで秘密のベールに包み込んだ。
このパターは#1モデルを使用したクリス・カークが「マックグラッドリークラシック」でPGAツアー2勝目を挙げるまで、目立つ存在ではなかった。28歳のカークはミステリー・ミルドを使用してツアー優勝を果たした唯一の選手となった。
その直後、オデッセイはこのミステリーがメタルXミルドという製品となることを発表した。1020カーボンスチールを削り出したこのパターのフェースには、メタルXロール・テクノロジーが盛り込まれている。 フェースに直接刻み込まれた多数の楕円形のくぼみにより、ボールとフェースの摩擦が増し、ボールの転がりが良くなると共に、インパクトの打音を和らげる作りになっている。2013-14シーズン中、このパターはパトリック・リード、J.B.ホームズ、そしてクリス・カークによって使用され、PGAツアーのタイトルを獲得している。
MACK DADDY 2が"ツアー"仕様に
今年始めの「シェルヒューストンオープン」でツアーオンリーのモデルとしてお披露目されたキャロウェイのMACK DADDY 2 Tour Grindは瞬く間に契約選手たちに受け入れられ、フィル・ミケルソン、パトリック・リード、ハリス・イングリッシュ、ニコラス・コルサーツ、ブランデン・グレース、マット・エブリー、そしてパット・ペレスらがこのクラブを手にしている。
1020カーボンスチール鍛造のTour Grindは、著名なX-Forgedウェッジと似たヘッド形状をしながらも、高いトゥ、そしてヒールからトゥにかけての曲面がタイトになったことにより、多様性が向上した。
ヒールとトゥの軽減により、Tour Grindはバウンスが作用することなく、ボールの下のリーディングエッジでオープンフェースのショットを打つことを可能とした。より直線的なリーディングエッジにより芝生との相互作用も向上している。