オーガスタナショナルで何がしたい?(1/2)
2014年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
ユニクロと共鳴するアダム・スコットのゴルフウエア哲学
親しみあるユニクロのあのアイテム・・・オーガスタでも着用してます
2013年の海外メジャー初戦「マスターズ」の開幕前。華やぐオーガスタナショナルGCに姿を見せたアダム・スコット(オーストラリア)の左胸には、日本人なら見慣れたロゴが新たに施されていた。赤枠に白地で「UNIQLO」の文字。そして直後の日曜日、スコットは夕闇の中で、その純白のシャツの上にグリーンジャケットを羽織ることとなった。
日本発のウエアブランドと、オーストラリア出身のプロゴルファー。しかもユニクロと言えば、決して高級ブランドではなく、高品質の商品をリーズナブルな価格で世に投じてきたカジュアルウエアメーカーだ。PGAツアーを代表する世界的なアスリートとのコラボレーションには、一種の違和感も醸しながら、驚くべき話題となった。
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同社にとって、ゴルファーとの契約は今回が初のケースだったが、それに先んじてテニス界等での実績があった。車いすテニスの国枝慎吾と契約して以降、錦織圭、ノバク・ジョコビッチがアンバサダーに加わった。さらにランニングウエア等の提供は、かけがえのない財産となり、今日のゴルフウエアの開発にも大いに役に立っている。
ポロシャツは錦織らのユニフォームに採用されている速乾吸汗に優れた機能素材「ドライEX」を搭載したものをスコットは好み、特に高温多湿のコースではこれを愛用する。また昨年のマスターズ後からは「ドライストレッチパンツ」を共同開発。今年2月末に全国のユニクロで発売。2848円(税別)という低価格での展開は、早々に好評を博している。
とはいえユニクロの“本流”といえば、やはりスポーツウエアではなく、カジュアルウエア。だが、同社は最初からゴルフに適した製品を持ち合わせていたことも事実だった。これはユニクロのスタッフにとっても、ある意味では驚きだったという。
スコットとの折衝に携わる人物の話だ。「アダムにはゴルフに使えるという判断だけでなく、彼の生活に使えるものをユニクロの商品群から選んでもらう作業を行いました。すると驚く事に、我々がカジュアルウエアと判断していたものにも、彼がシビアなゴルフ環境でも使える服が多くあることが分かりました」
その代表的なアイテムが、エアリズム(AIRism)という薄手のインナー。季節を選ばず、衣服の中の環境を快適にする肌着だ。
近年、ゴルフのアンダーウエアとして流行してきた伸縮性の強い機能性下着。スコットももちろん、他ブランドの同製品をテストしてきたプロの一人である。しかし「ゴルフシャツの下にどんな機能性インナーを着ても圧迫感があったし、とても分厚く感じていた」とスイングへの影響を懸念し、難色を示してきた。
ところがこのエアリズムは違った。Vネックタイプが提供されるや否や、すぐに重要なゴルフギアのひとつに。「エアリズムはデザインされた通りに機能してくれる。肌を涼しく、サラサラに保ってくれる。性能性もいい上に素材の質もよく、肌触りもいい。プレーする時、ゴルフシャツの下にも必ず着ている。この着心地は初体験だった」。また「もう日常的な習慣になっている。飛行機の移動中でも着心地がいいしね」と、コース外でも活躍している。
ちなみにゴルフウエアからは離れるが、スコットが愛してやまないユニクロのアイテムが、ステテコである。世界のスポーツ界を見渡しても指折りの超イケメンアスリートが、ステテコ! 日本古来の肌着を進化させた下着は、いまや彼の趣味の重要なお供。「海辺で穿くと気持ちがいい」と、大好きなサーフィンの後に着るウエアになっている。
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