松山英樹はいち早くニューボールでプレーしていた

住友ゴム工業（ダンロップ）のスリクソン Z-STARボールのニューバージョンと見られる製品が6月末、PGAツアーの会場でお目見えした。Z-STAR、Z-STAR XV、Z-STAR ダイヤモンドの3種類のアップデート版とみられるモデルが契約選手に支給。長年、“XV”を愛用する松山英樹がベールに包まれていた新たな武器と、ボール選びについて明かした。

実は松山が今作のXVにスイッチしたのは5カ月も前だったという。1月の「ファーマーズインシュランスオープン」で初めて実戦投入し、2日目に米国で初めてホールイワンを達成。さらに2月「ジェネシス招待」で飾った2年ぶりのツアー通算9勝目にも、このボールが一役買った。「何度もテストして、イイなと思って替えたら勝ったので。やっぱり良いボールなんだなと思いました」（笑）

スリクソン Z-STAR XVのニューモデル？

見た目は現在市場に流通している最新作とほとんど変わらない。主にパッティング時に合わせるラインの矢印の色がグレーになったくらいだが、松山は中身に相応の変化を感じている。「アプローチでスピンがよくかかるようになった。スピン量が増えたかなと。一概に増えることが良いわけではないですけど、今回は武器になると思ったので替えました。ショットでは横の風に強くなった感じがする」

右が2023年の最新作。左がニューバージョンと見られるモデル

ショットで納得、アプローチでも合格点。ただし、松山にとってスイッチの決め手の「80%くらい」を占めるのが、パッティング時の感覚だという。一番は「音かな」とキッパリ。「過去に打ってきた、いくつかの好きなボールの音を混ぜた感じがいいと思っていて。感覚的に気持ちよく打ちたい」とインパクト時に奏でる打音が心地いいものをメーカー担当者と追求してきたようだ。

松山英樹は数カ月前からニューボールを投入していた模様

ところで、プロゴルファーはさておき多くの悩めるエンジョイ派のゴルファーのボール選びはどうあるべきか。松山は「やっぱり好きなボールを選ぶのが一番。スリクソンにすべき！ と言いたいけれど…」と本音で語る。

「ゴルファーそれぞれにエンジョイの仕方がある。『カラーボールが良い』、『とにかく飛ぶボールが良い』といろいろあってイイはず。ただ、少しでもうまくなりたいと思うなら、『ベストスコア出したい』とか、『誰かと勝負して勝ちたい』と思うなら、同じ（シリーズの）ボールを使ったほうがいいと思う。やっぱりボールとクラブが一緒でないと、自分のミスの傾向も分かりにくくなってしまう」。マスターズチャンピオンが太鼓判を押すボール。メーカーから詳細が明かされたときには候補に入れてみる？（コネチカット州クロムウェル／桂川洋一）

【訂正】見出しと本文において、配信当初「3年ぶり」としていた松山英樹の前回優勝からの年数を「2年ぶり」に訂正いたしました（4日午前10時20分）