スリクソン新作? 松山英樹は“未発表ボール”で2年ぶりに優勝していた
2024年 長嶋茂雄招待 セガサミーカップゴルフトーナメント
期間:07/11〜07/14 場所:ザ・ノースカントリーGC(北海道)
スリクソンの新「Z-STAR」テスト開始 プロの反応は?「食いついてスピンが入る」
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 事前(10日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72)、7045yd(パー71)
住友ゴム工業(ダンロップ)のスリクソン「Z-STAR」のニューバージョンと目されるボールのツアーシーディング(選手のテスト)が今週始まった。松山英樹がことしの1月から新しい「Z-STAR XV」をいち早く試合で使って、チップインを量産(ホールインワンも)。そして2月の「ジェネシス招待」の優勝に貢献するなど、すでに話題を呼んでいる。
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前作同様にZ-STAR、Z-STAR XV、Z-STARダイヤモンドの3機種がラインアップされ、それぞれの黒(スター)、赤(XV)、ゴールド(ダイヤ)の差し色が入った白い箱が選手に渡された。月曜日にいち早く手渡された蝉川泰果は「待っていたんですよ。まだかな、まだかなと思っていて…、もう使えるんですか?」と、大事そうに箱を開けてボールを取り出した。聞けば、昨年の「ダンロップフェニックス」(11月)期間中に一度テストし、好印象を持ったという。「コースで打ってみていいですか」と蝉川はクラブを数本持って、ボールの感触を確かめに1番ホールに向かっていった。
蝉川は「Z-STARダイヤモンド」ユーザーで、今回も後継ボールを試した。ドライバーショット、アイアンショットをそれぞれ何球か打って、「滑った球も全然逃げへん」と当たりの悪いボールでも球が食いつくことに驚いていた。その球の食いつき感は、アプローチでさらに増した。「打感が全然違う。音がフワッて柔らかいじゃないですか。フェースに乗っている時間が長いので、ヒット感がありながら方向性が安定する」。蝉川はグリーン周りのいろんなライから新しいボールを打ち続け、「打感に重さがありますよね。アプローチってスイングスピードでスピンのコントロールや出球の落とし具合を変えますけど、重さがあるとしっかりと振れていい。プレッシャーかかった時に全然違う」と絶賛。その後練習グリーンでも球を転がして感触を確かめ、試合での投入を決断した。
同じく新しいダイヤモンドを試した生源寺龍憲も「球がゆっくり出てフェースにくっついてくる」と話す。また、数少ないZ-STARユーザーの稲森佑貴は「前のモデルより柔らかく感じます」と説明。6月の「ハナ銀行 インビテーショナル」で初優勝を決めたばかりの小木曽喬も、火曜日の練習ラウンドで新しいボール(XV)を試打。「ほとんど違和感なく打てたんでこのまま試合でいきます。パッティング時の音が良くて、手に伝わる感じが好みです」と即投入を決めた。
選手の話を総合すると、今回の3機種ともに“柔らか傾向”にあるようだ。スリクソンのボール担当者に話を聞くと、その選手の反応に大きくうなずいた。「ショートゲームのパフォーマンスを上げるために尽力しました」と、やはり全機種ともフェースに食いついて、スピンが入る方向に進化させたという。さらに、新作に関しては「それぞれのモデル差を強調しました」と、しっかり目のXV、中間のダイヤ、柔らか目のスターのそれぞれの特徴を引き立たせた形だ。
今週の試合でいきなり新ボールを投入するのは、蝉川、植竹勇太、小木曽、ハン・リーら10人。今週のフィールドにいるボール契約選手のうち、約3分の1が新ボールに移行するというから、まさに上々の滑り出しといっていいだろう。発売時期、性能の詳細はまた情報が入ったらお届けしたい。(北海道千歳市/服部謙二郎)