タイガーと同じ角度が作れます “魔法のコテ”が男子ツアーで流行の兆し
2023年 ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント
期間:10/05〜10/08 場所:三甲GCジャパンコース(兵庫)
パワーヒッター幡地隆寛がハマる二つの練習器具
◇国内男子◇ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 事前(3日)◇三甲GCジャパンコース (兵庫)◇7295yd(パー72)
三甲GCジャパンコースの打撃レンジで、幡地隆寛が下駄(げた)のような練習器具に乗って球を打っていた。乗っているのは平たい山のような形をしたプレート、山の頂点の細い面を地面につけているので、プレートに乗ってアドレスするだけでもバランスが取りづらそうだ。それでも幡地は大きな体を揺らしながら、スリークォーターショットでいい球を連発。バックスイングで右足かかと側に、フォロースルーで左足かかと側にカクカクとプレートが動いていた。
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「前から気になっていたんですよね、この練習器具。(片山)晋呉さんが似たようなのを自前で作っているのを見て、いいなぁと思っていたんです」と幡地。「これに乗ると勝手に腰が動いてくれて体の回転を意識できます。自分の悪い癖で、どうしてもスイング中スウェーしやすくて、インパクトに向かってニーイン(右ひざが左足側に寄ってくる)しちゃうんです。でもこれだとプレートの傾きに合わせて腰が縦に動く感じになって、トップで右足かかと、フォローで左足かかとに体重が乗って回転運動になりやすいんです」と、その効能を解説。「いい感じに腰が動いてくれると、この回転でクラブ軌道を操れて、スイングプレーンが良くなります」と幡地はその後も球を打ち続け、「アタリが厚くなってきた」とうれしそうに練習していた。ちなみにこのプレートは「パワーシフト」という練習器具で、谷原秀人や小祝さくらのコーチ・吉田直樹プロが監修したもの。平たい面を下にして、傾斜に乗るような形で仮想のつま先上がりやつま先下がりを作ったり、左足外側で傾斜を踏むようにして左の壁を意識する練習もできたりする優れものだ。
「なんか良さそうなのがあればすぐに使いたくなるタイプ」という幡地のバッグには、ほかにも見慣れない素振り棒が入っていた。「(宮里)優作さんがこの棒を振っているのを見て、振らせてもらったらすごく良かったので、これ欲しいですとおねだりしました(笑)」。その練習器具の名は「ダワ筋スティック」といい、幡地の大学の先輩である(東北福祉大ゴルフ部)ドラコンプロの和田正義が監修した820gもある重い棒だ。単なる重い棒の練習器具ならちまたにあふれているが、このスティックは「自分のやりたいスイングをまさに再現してくれるんですよ」と絶賛。
棒をよく見ると、エンドに球体がついていて、実際にグリップを握る位置は、それよりももっと下(エンドと反対側)にある。インパクトに向かって腰が前に出てくるような人だと、グリップエンドにある球体に腰が当たってしまって振れなくなる作りになっている。「球体に当たらないように振るには、インパクトで体を丸め込んで、かつ手元を低くしてハンドファーストを作るしかないんです」と、その姿勢はまさに幡地が理想とするインパクトの形。「僕も調子が良くないと、この棒を振れないんですよね」と、幡地にとっても調子のバロメーターになっているのだった。実際にそのダワ筋スティックを振らせてもらったが、なかなかどうしてかなりの重さ。これを振り続けたら、翌日体がバキバキになるだろうな…。(兵庫県三木市/服部謙二郎)