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2013年 ザ・マックグラッドリークラシック
期間:11/07〜11/10 場所:シーアイランドリゾート(ジョージア州)

<佐渡充高の選手名鑑 99>ゲーリー・ウッドランド

■ ゴルフ界のボー・ジャクソン!?

ゲーリー・ウッドランドは1984年、米国中西部カンザス州の州都トピカ生まれの29歳。188センチ85キロ、鍛え上げられた肉体、体幹とバランス感覚を生かす超パワフルなスイングの持ち主だ。子供の頃から運動神経は抜群で、取り組んだスポーツはほとんどすべてにおいて一流の域まで辿り着いた。特に優れていたのは野球、バスケットボール、ゴルフの3つの競技だった。更に極めようと、バスケットとゴルフに絞り、地元のウォッシュバーン大学へはバスケの奨学生として進学。2年生の時にゴルフの才能の方が高いと評価され、ゴルフの奨学生としてカンザス大学へ転校した。大学時代のウッドランドは、「将来はNFLとMLBという2つのプロスポーツでオールスターに出場したボー・ジャクソン※のようになるのでは」と大いに期待されていた。(※ジャクソンはフットボールと大リーグでオールスターゲームに出場した唯一の選手である)

しかし、ウッドランドは2競技の夢はあきらめゴルフに専念。2011年からPGAツアーでプレーをスタートし、翌2011年3月の「トランジションズ選手権」で初優勝、2013年は少ないスコアでプレーするほど高得点になるステーブルフォード方式で開催される「リノタホオープン」で2勝目を飾り、トッププロへの階段を駆け上がった。プレーオフシリーズの初戦「ザ・バークレイズ」では2位と大健闘。新シーズン3試合目となった先週の「CIMBクラシック」ではライアン・ムーアとのプレーオフに敗れはしたものの、2位でのフィニッシュと、いきなりの好スタートを切った。いよいよ本領発揮と期待される米国選手の一人である。

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■ ウルトラパワー炸裂!あとはショートゲームのブラッシュアップ

彼の魅力は飛距離。ショットの迫力は爆裂音といってもいいほど。学生の頃から、彼が練習場でドライバーを打ち始めると、その音に驚き、周りの人たちが思わず振り向いたほどだったそうだ。同じ歳で、大学リーグからの仲間であるダスティン・ジョンソンとは今も飛距離を競うライバルである。

2012年度のツアー最長飛距離450ヤードをマーク。2013年の平均飛距離は303.8ヤードで4位。7月の「ジョンディアクラシック」では平均338.1ヤードでフィールド1位と文句なしの飛距離を誇る。だがショートゲームとクラッチパットが決まらないことが多く、せっかくの飛距離を十分に生かしきれていない。これはかなりもったいない。コーチのブッチ・ハーモンは「そこが改善できればタイガー・ウッズ級に大化けする逸材」と太鼓判さえ押しているのだ。それは誰よりも彼が一番わかっている。次のレベルを目指し一昨年から積極的に動きだした。パットの名手ブラッド・ファクソンの練習ラウンドを見学し、考察をはじめたウッドランド。ショートゲームはノースウェスタン大学の名コーチ、パット・ゴスに指導を受け始めた。ゴスはショートゲームの達人ルーク・ドナルドのゴルフの育ての親である。また昨年は、より力を発揮できる環境を求め、タイガー・ウッズと同じエージェントに移籍した。マネージャーはウッズやアニカ・ソレンスタムらトッププロの活躍を支えてきたマーク・スタインバーグだ。フィル・ミケルソンもカウンセリングを受けている心理学者のジュリー・エリオンの助言も受けるなど、各分野のエキスパートの力を得て懸命に向上を目指している。そして努力の成果は着実に現れようとしている。

■ カンザス・コネクション

ゴルフ界でカンザス出身といえばトム・ワトソン(64)だ。ウッドランドは2011年の「マスターズ」初出場の時、同郷のワトソンからの誘いで18ホールの練習ラウンドをともにした。ワトソンはウッドランドの才能と人柄に惚れ込んだ。特にワトソンが強調していたのは、彼のマナーやエチケットの素晴らしさ。ウッドランドは高校時代に初めてバスケットの試合で遠征する時に、母からメモを手渡された。メモには「ABCを大切に」と書かれていた。AとはAttitude(行い、心構え)。コートの内外問わず常に態度に気をつけること。BとはBelieve。自分を信じること。CとはConfidence。自信を持って挑むこと。このABCはPGAツアーの選手になった今も彼が大切にしていることだそうだ。

ワトソンは丁寧に「マスターズ」の会場であるオーガスタ・ナショナルGCの攻略ポイントを伝授。出し惜しみない心のこもった助言の効果で、初めて出場した2011年は、24位タイと健闘した。翌年の「マスターズ」でも、ワトソンはウッドランドの練習ラウンドを見守り具体的な助言を与えた。大先輩の思いに応えようと奮闘したが、本戦で左手首の痛みが激しくなり無念の棄権…。「2014年こそは!」とリベンジを誓っている。

ウッドランドには愛犬(ボクサー)が2匹いる。名前は彼が大好きなココアパフからとってココア。もう一匹は父親の好きな歌手エルビス・プレスリーから命名したプレスリー。そんなところがちょっと愛らしいパワーヒッターである。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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