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後世に残したいゴルフ記録

8人目の永久シードは誰の手に/残したいゴルフ記録

国内男子ゴルフのツアー制度が始まった1973年より前の記録は、公式にほとんど残されていません。本連載では、ゴルフジャーナリストの武藤一彦氏が取材メモや文献により男子ツアーの前史をたどり、後世に残したい記録として紹介。今回は、73年より前からプレーする選手も複数獲得している、ツアー通算25勝の栄誉「永久シード」を取り上げます。

最も近い位置にいるのは池田勇太

国内男子ツアーにおいて、1985年生まれで35歳の池田勇太に注目している。ツアー通算25勝まであと4勝。現役では、2008年の片山晋呉以来、8人目となる永久シードに最も近い選手だからだ。1973年にツアー制度が導入されてから、これまで尾崎将司(94勝)、青木功(51勝)、中嶋常幸(48勝)、尾崎直道(32勝)、片山(31勝)、倉本昌弘(30勝)、杉原輝雄(28勝)の7人が認定を受けた。

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数字だけを見ると、永久シード付近には17勝の石川遼や20勝の谷口徹、18勝の藤田寛之らがいる。石川の爆発力をもってすれば、年間8勝で一足先に25勝もあるかもしれない。すでにシニア入りの谷口や藤田はノーチャンス? 今年の「全米プロゴルフ選手権」を50歳11カ月で制したフィル・ミケルソンの強さを見たら、優勝なんてありえない、とは言い切れないだろう。それでも、池田が栄光の8人目へ最短距離にいることは紛れもない事実。直近の7月「日本プロ」も惜敗の2位で、永久シードへあと3勝に迫る勢いだった。

最年少は31歳、最年長は52歳

尾崎将司と片山も、永久シードを手にしたのは35歳のときだった。7人の獲得時点の年齢を比較してみると、最年少は中嶋の31歳。対して最年長は杉原の52歳と、かなり遅い達成となっている。これは、通算勝利数が1973年以降からカウントされていることにあり、73年にツアーが開幕した4月当時の杉原はすでに35歳だった。そこからシニア入りをはさんだ17年間で25勝を積み重ね、現時点で最期の永久シード選手に加わった。

なお、表の通り尾崎将司と青木の2人も、杉原と同じく73年をまたいだキャリアで永久シードを取得している。73年4月当時は尾崎26歳、青木30歳。ともに驚異的なスピードで勝利数を伸ばし、尾崎は9年後、青木は7年後の37歳で25勝目を達成した。(武藤一彦)

武藤一彦(むとう・かずひこ)
1939年、東京都生まれ。ゴルフジャーナリスト。64年に報知新聞社に入社。日本ゴルフ協会広報委員会参与、日本プロゴルフ協会理事を経て、現在は日本エイジシュート・チャレンジ協会理事、夏泊ゴルフリンクス理事長を務める。ゴルフ評論家として活躍中。近著に「驚異のエージシューター田中菊雄の世界」(報知新聞社刊)など。

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