「全てのゴルファーのためになる」 キャロウェイ ELYTE革新の秘密に迫る
キャロウェイの製品戦略部門副部長であるジェイコブ・デイビッドソン氏は、PGAツアーの選手たちの用具に長く携わってきた。しかし、デイビッドソン氏は今年発売の「キャロウェイ ELYTE フェアウェイウッド」の恩恵を受けるのがエリートプレーヤーだけではないことを知っている。
「このFWは全てのゴルファーのためになる。イノベーションの大きなステップです」
近年FWの売上でトップにつけるキャロウェイは、常に革新を模索する。今作では特に二つのポイントに焦点を当てた。
一つ目は、プレーヤーがFWのフェース下部でミスヒットする傾向にある点だ。35グラムのタングステン製ウェイトをクラブのソール底部前方に配置したことで、フェース全域での打ち出しを最適化し、ミスヒットに対してより速いボール初速を生み出した。「スピードウェーブ」と呼ばれるテクノロジーで、ショットの分散を抑える役割を果たす。
一方、今作の「ステップソール」は過去モデルと比較して、地面との接地面積を57%削減している。ステップソールは、選手たちのインパクト時のターフとの接触具合を研究し開発。インパクト時の横滑りと抵抗を最小化することで、ソリッドな当たりを実現する。
デイビッドソン氏は話す。「リサーチを通じて、ツアープレーヤーたちが『エイペックスユーティリティウッド』で簡単にフェースの芯を捉えていると分かり、我々はその理由を追求しました。私たちは、フェースの中心をより簡単に捉えられるステップソールの採用に心を踊らせています。
ELYTEの掲げたミッションは、フェース底部での当たりでより簡単に高い打ち出しを実現し、ボール初速を上げること。そして、それはタングステンのスピードウェーブとステップソールにより実現します」
キャロウェイは人工知能による技術革新にも注力している。初めてAI技術を使用したのは2019年の「エピックフラッシュ ドライバー」で、新作には同メーカー史上最も先進的なAIフェース「Ai10x」を搭載した。デイビッドソン氏によるとキャロウェイがフェースを「完全にコントロール」したのは今作が初であり、昨年の段階ではまだ手作業での融合を必要としていた。
「AI活用における長い道のりを経て、初めて、フェース全体でシミュレーションできるモデルが完成しました」
ツアーにおけるELYTE フェアウェイウッドの導入は急速に広まった。ミンウ・リー(オーストラリア)は新しい3Wで「テキサスチルドレンズヒューストンオープン」を制覇しており、サム・バーンズ、アクシェイ・バティア、そしてザンダー・シャウフェレもすでに実戦投入している。
デイビッドソン氏いわく、3Wはツアープロにフィッティングするのが最も難しいクラブだという。お気に入りを使い続ける選手が多いからだ。しかし、松山英樹が制した今季開幕戦「ザ・セントリー」の時点で、ELYTEへの転換率は過去のどのモデルよりも高かった。
理由はいたって単純。「今作は、彼らがそれまで使っていた物よりも優れていたからです」
多くは「最初の2スイング」ほどで反応を示した。特に、選手たちは初めてフェースの低い部分で打った際、どれだけの違いを実感したかを口にした。
「薄めに当たった場合でも、スピンが入り過ぎることなくボール初速を維持できる。それが実感できると、バンカーやウォーターハザードをキャリーで超えられる自信が持てる。これまでFWで打つ際、ほとんどのゴルファーは厳しい判断を迫られましたが、2つの新しい技術基盤が自信と自由をもたらしたのです」とデイビッドソン氏は締めくくった。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)