シェフラーの新パター開発者 ローガン・オルソンに迫る(前編)
2024年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:03/14〜03/17 場所:TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)
コリン・モリカワが実戦投入 ローガンオルソンの新プロトタイプパター
PGAツアーにおいて、選手がどれくらいの頻度でパターを変更するか、あるいは新しいパターをテストするかということになると、その幅はかなり広くなる。選手によっては、ほぼ毎週という場合があれば、何年も同じパターを使用する場合もあり、時には賞金を稼ぎだすクラブを交換することなど微塵も考えることなく何十年とプレーし続けることさえある。
パターの交換頻度では、PGAツアー6勝のコリン・モリカワはだいたい中間あたりに位置づけられる。ここ数年、大抵はテーラーメイド「TP コレクション HYDRO BLAST ソト パター」を使用してきたが、キャリアを通じては、いくつかの異なるブレード型のプロトタイプや、マレット型をテストしてきた。最近ではパターシャフト設計の最先端を取り入れ、三菱ケミカルの「ディアマナ」グラファイトパターシャフトへ変更している。
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とはいえ、長期間にわたり成功を収めてきたことから、ブレード型のTPソトには2、3年というスパンをはるかに超える持続力があるかに思われてきた。
するとモリカワは、やぶから棒にという感じで、2024年「アーノルド・パーマー招待」の練習ラウンドで新しいローガンオルソンのプレード型プロトタイプパターをお披露目すると、木曜にくだんのパターを実戦投入したのである。今週の「ザ・プレーヤーズ選手権」でも同じパターをバッグに入れている。
このパターは、彼の初期テストに合格したのである。
もしかしたら中には、2023年の終盤に同じくテーラーメイド契約選手であるスコッティ・シェフラーが行ったパター変更で、ローガンオルソンのブランド名を覚えている読者がいるかもしれない。
オルソンは2023年にGolfWRX.comの取材で、次のように述べている。「私は人にパターを作るのではなく、パターのキャンバスが自分の行く手にある、と言うことを好みます。ロケット部品や宝飾品、あるいはスイス時計ではなく、たまたまパターというプラットフォームだったのです。確かに、多くのことがそうであるように、我々はもう随分前からあるコンセプトを想像し直しているのであり、これには私自身も含まれます。とは言え、私は、自分の問題に取り組もうとする姿勢が自分の違いを作り出していると信じています。開始から仕上げまで、私は独自のやり方で、このプロセスに自分の印をつけます。これは私固有の言語による、期待されたものと遂行されたもののねじれなのです。より深く見定めるほど、より多くが見つかります」
では、如何にしてローガンオルソンのパターは、モリカワのバッグに落ち着いたのか。その答えを探るべく、GolfWRX.comは第50回「ザ・プレーヤーズ選手権」の開幕を前にした火曜に、モリカワとひざを突き合わせた。
「確かに、僕はこれまでキャリアを通じてパターを変更してきたけれど、このモデルは今のところ数値で満足なものを示していて、とにかくフェースから転がり出す感じが気に入っているんだ。実際にデータを取ると分かるのだけど、テーラーメイドの転がりもめちゃくちゃ良かったにも関わらず、これは驚異的に転がりが良くなっている。ほとんど同じパターで、見た目も同じだね。ただ、これまで僕が着目してこなかった部分を綺麗に整えたんだ」とモリカワ。
モリカワはギアのテスティングとなると、時として「やり過ぎる」こともあるのだが、より良いものであれば、乗り換えに対してやぶさかではないのである。
モリカワは続けて、「プロフェッショナルのゴルフで常軌を逸しているのは、僕らが何でも自由に使えるところなんだ。何を変えたって良いんだよ。これを変えることも、あれを変えることもできるという風にやっていると、やり過ぎて、何を求めているのか分からなくなるパターンに陥ることもある。時として、そこにある物が(そのままの状態で)十分良かったりするんだ」と述べた。
「でも、そういうのはクールなことでもある。僕らは色々な箇所に微調整を施したし、フェースをあれこれいじったり、ドットを入れたりという具合に、とにかく全体的にクリーンアップしたんだ。かなり気に入っているよ。楽しかったしね。彼(オルソン)はかなり聡明なんだ。こっちが何を欲しているか、そしてパターに何を求めているかを聞き出す上での質問が要領を得ているんだよ。とても素晴らしいプロセスだったね」
モリカワのローガンオルソン カスタムパターは、サイトラインとしてクラウンにドットが入っており、溝ありのフェースインサート、2個のソールウエート、三菱ケミカル「ディアマナP」105グラム1.0フレックスシャフト、そしてスーパーストローク「ゼナジーツアー2.0X」グリップが搭載されている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)