「コグニザントクラシック」3日目スコア
2024年 コグニザントクラシック
期間:02/29〜03/03 場所:PGAナショナルリゾート(フロリダ州)
トム・キムがセンターシャフトの“新パター”を投入
◇米国男子◇コグニザントクラシック◇PGAナショナルリゾート(フロリダ州)◇7147yd(パー71)
トム・キム(韓国)は2月中旬の「ジェネシス招待」で、センターシャフトでマレット型の“新しいパター”に乗り換えた。しかし、新しいと言っても、そのパターであるスコッティキャメロン「ツアーオンリー フューチュラT5S」は2017年にPGAツアーに登場しておりニューモデルではない。
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2017年当時、このパターが他と一線を画していたのは、303ステンレススチールのボディに、軽量で黒い6061アルミ製のフェースとソールが組み合わせだった点。センターシャフトのモデルに限れば、ホーゼルは視認性向上とわずかながらアークを描くストロークパターンに合わせ、クラウン中央のアライメントラインからやや外れた位置に接続されていた。
キムの新しいパターはソールとフェースが銀色。ソールは擦り減った結果の色に見えるが、キムに聞くと、カラーリングは意図的な修正で、自然な変化ではないそうだ。
パームビーチでの「コグニサントクラシック」開幕前日の水曜に、キムはGolfWRX.comに今回のパター投入に至る経緯を説明した。ボールの打ち出しをターゲットラインへより近づけるためにセンターシャフトのパターを使いたかったのだが、そのための問題点を彼のチームが解消。彼の古いパターを、オリジナルのブラックとシルバーの色合いから、コントラストが薄れるように改造したという。
「擦り減ったのではなく、実はロフトがより少なく感じられるように(黒いペイントを)削ってもらったんだ。元々がブラックで、色の違いがより強調されていたんでね。僕は『センターシャフトはどれもロフトが多いように見える』と話していて、(フェースより)かなり後方に見えていた。彼らがどうしたのか見当もつかないけれど、ロフトが少なく見えるよう、色を削ぎ落としてくれた。同じものだけど、単に色が違うだけ。それでロフトがあり過ぎるように見えない。かなり独特なパター。周囲が気づかないディテールにアレンジを加える、素晴らしい仕事をしてくれた」
彼が「秘密」と言うデザインの独特な点は、センターシャフトからヒールにかけて、パターのクラウンの最も内側の箇所に3本の線が引かれているところ。黒・赤・黒のラインはアドレス時の補助であり、同じような手法をトニー・フィナウやザック・ジョンソンも取り入れていたが、このギミックについて、キムは専売特許として自身の胸にしまっておきたいようだ。
キムはセンターシャフトの“効能”を詳細に説明してくれた。
「上半身とより繋がって感じられるようにしてくれる。僕はずっとブレード型を使っていて、少し前にセンターシャフトに乗り換えたことはあったけど、パットの調子が一番良かった時はホーゼルが後ろについていた。ところが、リリースへかけてフィーリングが出なくなってきたように感じ始め、打ち出しのラインが不安定になって、全てが自分の前側にあるような感じになった。センターシャフトなら自分の打ち出しラインへ向けてボールが真っ直ぐ出るように感じさせてくれるんだ」
スコッティキャメロンのレップであるドリュー・ペイジ氏によると、センターシャフトのパターはキムだけでなく、より多くのゴルファーの助けとなり得るとのこと。
ペイジ氏は「ジェネシス招待」の会場で「一般的に、(センターシャフトのパターは)フェースローテーションの少ない人、あるいはフェースローテーションを少なくしようとしている人向け。ニュートラルな状態に戻す上で、もっと多くの人が使うべきと思います。と言うのも、多くの人がアライメントに悩んでいて、ニューポート2でもダブルベンドでもいいんですが、パターにオフセットがあると、両手がフェースより前方に来て、フェースの狙いがしっかり定められていないことを簡単に見抜けなくなるんです」と述べた。
「しかし、センターシャフトなら、ニュートラルな位置に来ます。体を動かすと、それがどんなに微細な手の動きであっても、フェースがどこを狙っているかを把握しやすくなる。アマチュアゴルファーの助けになると考える理由はそこです。思った以上の効果がありますよ」
少なくとも今のところ、キムは狙ったラインへボールを打ち出しやすくするため、カラーリングの変更で“秘密”のデザインを施したスコッティキャメロンT5Sパターを使用している。
狙ったところにうまくボールを打ち出せない人はセンターシャフトのパターを試しに使って、ニュートラルな位置に戻るべきだろう。少なくとも、ストローク、あるいはアライメントのどの部分に問題があるかが判明するはずだ。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)