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パターは「キャリアを通じて5、6本」/ハリントンが語る自身のクラブ論(前編)

パドレイグ・ハリントン(アイルランド)の功績は広く知られている。彼はメジャー3勝を含むPGAツアー6勝、そしてPGAチャンピオンズ(シニア)ツアー4勝を達成している。

また、51歳のハリントンは、プロゴルフ界で最もギアについての洞察力を持った選手でもある。

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TPCサンアントニオで開催された「バレロテキサスオープン」を前に、GolfWRX.comはハリントンの独占インタビューを行い、ギアの世界に関する様相や、使用するクラブを選んだ理由についての話を聞いた。

ハリントンはバッグに入った各クラブは、それぞれ個別の意味を持っているとの信念を明かしてくれた。その言葉は、なぜ彼が年代の異なる様々なメーカーのクラブで構成された混合セットを使用しているのかを説明している。

アンドリュー・タースキー(GolfWRX.com):パドレイグ、あなたは新しい物もあれば、とても古い物もある様々な年代のクラブで構成されたとても興味深い混合セットを持っています。バッグに入れるクラブを選択する上で、どのような目的があるのでしょうか?

ハリントン:初めに言っておくと、ウィルソン(ハリントンの用具スポンサー)は、何であれ僕が気持ち良く使える用具を使って欲しいと思っているんだ。それはとても重要なことでね。彼らは「君には14本のクラブを使ってもらいたい」と言うようなメーカーではないんだ。気に入らないクラブというのは常にあるからね。単にそういうものなんだ。だから、ウィルソンは「君には良いプレーをして欲しいし、君にとってベストのクラブでプレーして欲しい」みたいな感じなんだよ。

僕は、彼らのアイアンはかなり心地よく使えている。ウェッジも安心して使えるね。古い4番アイアンのハイブリッドも僕のお気に入りだ。新しいハイブリッドの4番アイアンはパワフル過ぎた。僕はそれ(新しい4番アイアン)を先週バッグに入れたのだけど、取り出さなければならなくなった。

というのも、僕は4番アイアンと5番ウッドを使っているから。4番アイアンは、5番アイアンと相対していなければならず、その上で、4番アイアンと5番ウッドの(飛距離の)ギャップを橋渡ししなければならないので、両方の役割を果たさなければならないんだよ。新しい4番アイアンの飛距離は230ヤードだった。僕の普段の4番アイアンの飛距離は215~235ヤードで、暖かい日は多分240ヤードほど。暖かい日の5番ウッドは265ヤードだけど、235ヤードを打つことにも問題はないのでクロスオーバーさせることもできるんだ。ただ、新しいバージョンの4番アイアンは、とにかく飛ぶんだ。僕はこれで215ヤードを打つことができない。これはパワフル過ぎるんだ。それが古い4番アイアンをバッグに入れている理由で、これはギャップの橋渡しの役割をこなしてくれるんだ。

ドライバーに関しては自由契約なので、新しいドライバーで出るたびに向こうから僕のところにやって来て、「ねえ、これちょっと試してみない?」って聞かれるんだ。

―では、メーカーから送られてくるドライバーは全てテストするのですか?

全てテストするけれど、(実戦投入のためには)バッグに入れている物に勝たなければならない。それは、ウィルソンの新しいドライバーも同じだね。彼らは新しいドライバーをリリースしたけど、僕は今使っているドライバーが気に入っているんだ。だからこう言うんだ。「いいかい君たち。現職と同じくらい良いのではなく、それを上回らないと駄目なんだ。と言うのも、僕はすでにこれについてよく知っているし、慣れ親しんでいるから」とね。

―上回るとは、どのように定義しますか?それはボール初速的なことでしょうか?あるいは、しかるべきウィンドウ(打ち出し方向)に飛ぶことを求めているのでしょうか?
ボール初速が速ければそのクラブは試験の対象となり、ゴルフコースへ持って行くことになる。だから、新しいドライバーは現在使っているドライバーと同じくらい飛ばないと駄目だけど、その上で、コースへ持って行って、真っ直ぐ打てるかどうか見極めるんだ。僕は、その方向性(ボール初速を最重要視する)に傾いたこともあった。2014年に使ったドライバーは一度も週末に仕事をしなかったんだ。でも、あれは(ボール初速が)速かったね。あれをだいたい6週間というか、6大会使ったのだけど、その6大会連続で予選落ちしたんだ。あれは一度も週末に仕事をしなかった。ドライビングレンジではかなり速かったのだけど、コースでは良くなかったんだ。

―それは良くないですね。ウェッジはどうでしょう?特に、そのテーラーメイド ZTPなどは?
ウェッジ的には、もちろんこのテーラーメイドはかなり僕の注目を集めているけれど、これは僕のアイデアだったんだ。僕とウィルソンのコンサルタントが交換可能なフェースを作り出し、それをテーラーメイドに売ったんだ。

―まさか!あれはあなたのアイデアだったのですか?
そう、あれは完全に僕のアイデアだった。そして、彼がそれをテーラーメイドに売り、テーラーメイドが製造したのだけど、これについて僕は満足しているんだ。ただ、テーラーメイドはあれを売り上げることができなかった。人々にフェースの掃除をさせることはできないし、使う人たちが新しいフェースを買いに行くこともなかったんだ。なぜ(普通の人々が)自宅にフェースを400枚持っていなければならないんだい?だから、僕はあのフェースを購入し、確実に一生使える分をストックしたんだ。ちょっと前にも、自宅でチッピングをしたんだ。いい感じの58度を持っているのでね。僕はこのウェッジのグラインドが気に入っているし、3週間おきにフェースを交換して、いつも真新しいフェースで使えるところも気に入っている。とても簡単なんだ。だから、これはバッグに入っているんだよ。

―ハイトウのウィルソン64度ウェッジもバッグに入っているけれど、64度ウェッジについての大きなカギは、これを使うな、と言うことだね(笑)
いや、真剣に、これは使っちゃ駄目なんだ。これは使う人の技術(向上)にとって、酷いウェッジなんだ。このクラブはバッグに入っているし、ゴルフコースで使われるし、必要な場面で使われるけれど、これで練習してはいけないんだ。というのも、これは恐ろしい物だから。ロフトがあり過ぎると、自分(の手)が先に行き過ぎてしまい、ロフトを立ててしまうんだ。1回か2回ショットを打ったら、あとはしまっておくべきだね。ロブウェッジでロフトを立てて打つより、ピッチングウェッジでロフトを加えるようにして打って練習する方がチッピングの上達には適している。64度ウェッジは、この問題を際立たせるんだ。これは危険なクラブだよ。時として、素晴らしい仕事をすることもあるけれど、確実に害を及ぼすんだ。

―それはアマチュアにとって、良いアドバイスですね。
特定のショットのためにバッグに入れておくには悪くないのだけど、これは練習には酷いクラブなんだ。僕は本当に、これでフルショットを1、2回、チップショットを2回ほど打ってそれでおしまいにしている。このクラブを長いこと使っていると、ロフトを立て始めてしまうことを知っているから。

―フルショットの飛距離はどれくらいですか?
多分驚くと思うけれどだいたい75ヤードくらいで、トーナメントでのプレーとなると85ヤードくらいまでは飛ばせるね。

―では、パターはどうでしょう?この特定のモデルはどれくらいの期間使っていますか?
パターのモデルについては、とても単純明快だね。僕は2ボールを発売直後に使い始めた。その後、2ボールのブレードを使って、メジャーで優勝した。僕は常にパットではフック(してしまう問題)を抱えていたので、メジャー優勝後、間を置かずにフェースバランスのパターに乗り換えたんだ。サイドスピンを軽減してくれるからね。2013年から14年にかけて、パターの調子がとても悪くなり始めた。いくつか問題を抱えていたんだ。そして16年から17年にかけてのシーズンが始まった時、こう言ったんだ。「このパターで上手にパットしていたんだ。このパターを使ってのことであれば、パターに問題があるとは言えない。それは自分の問題だ」とね。それで、フェースバランスの2ボールブレードに戻したんだ。これでは良い時もあったからね。僕がキャリアを通じて使ったパターは、おそらく5、6本だけだと思うよ。

僕がこれまで使ってきたのは、それが全てだ。僕は、自分がそれで良いパットをしてきたので、パターのせいにできないモデルを持っていることに満足している。もう、パターのせいにすることはできないんだ。僕は、自分の道具は責めない。パットをミスした時は、自分を責めている。つまり、パターが機能していることを自分は知っているのだから、原因は自分なんだ。自分、自分、自分、だね。

これまで、試しにパターに他のシャフトを使ってみたこともあるし、今後も別のパターを試してみるだろうけれど、僕は見下ろすと物が歪んで見えるから、線の入ったパターは使えないんだ。フェースに対してスクエアに見えないんだよ。その理由があって、これまで一度も線の入ったパターではパットをしてこなかった。僕は感覚で(ボールとヘッドを)並べている。自分のパターが機能し、自分に合っていることを知っているので、これを使っているんだ。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

情報提供:PGA TOUR

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