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2022年 ザ・RSMクラシック
期間:11/17〜11/20 場所:シーアイランド・リゾートGC プランテーションコース(ジョージア州)

ニック・ハーディと8年物パターシャフトにまつわる物語

もしあなたがパターシャフトは何を使っても関係ないと思っているのなら、それはニック・ハーディには言わない方がいいだろう。

今月、マヤコバでの「ワールドワイドテクノロジー選手権」において、PGAツアー選手のニック・ハーディは最終日に8連続バーディを奪い、21位タイに入った。この連続バーディは、ハーディが新しいカスタムのSWAGパターを使い始めた「バターフィールドバミューダ選手権」の翌週の出来事だった。

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ハーディにとって、この新しいパターに関するストーリーは、まだイリノイ大学の学生だった頃に端を発する。ハーディによると、8年前にステップレスのスチールシャフトとオレンジのグリップが装着されたカスタムのベティナルディBB1スタイルのパターを使い始めたという。

しかし、2年ほど前に元々使っていたスチールのパターシャフトの交換を余儀なくされ、これが長い模索の道のりの始まりとなった。彼は引き続き全く同じパターヘッドとグリップを使っていたため、パターには何も変わった点は見受けられなかったが、交換したシャフトは何かがずれていた。もう、かつてのパフォーマンスやフィーリングではなくなってしまったのである。

「僕はそれまでパッティングにおいて、シャフトはそんなに違いをもたらさないとい信じていたのだけど、それまでのフィーリングを失ってしまったんだ」と、ハーディは「RSMクラシック」の会場でGolfWRX.comに明かした。

最終的に、ハーディは長い探索期間の末、SWAGゴルフのツアー統括責任者であるネイト・ブラウンに、何が間違っていたのかを解明するよう依頼した。SWAGゴルフで仕事をする前、ブラウンは長年ベッティナルディでツアーレップとして働き、ハーディとは約10年にわたりパターに関する要求に応じるため、緊密に仕事をしてきた。

ブラウンはハーディが元々使っていたベッティナルディのパターには、すでに生産されていないスチールシャフトが装着されていたことを突き止めた。市場から姿を消していたため、必要とするシャフトを入手することができなかったのである。

しかし、ブラウンは簡単には諦めなかった。その特定のシャフトの在庫を探し当てるというモチベーションに駆られたブラウンは、ハーディがかつて使用したステップレスのシャフトを保有している人間がいないかどうか、自身のコネを頼りに当たってみた。

蓋を開けてみると、ブラウンのよく知る人間が、ガレージにこれを1箱持っていることが分かった。

「あれは運命の箱とでも言うべきかな」とブラウンはGolfWRX.conに言った。「古い付き合いのディーラーが、自分のガレージにあのシャフトを1箱持っていたんだ。彼には使い道のないシャフトだったので、それを僕らに進呈してくれたんだ」

現在、この箱は、イリノイ州ノースブルックにあるSWAGゴルフ本社の安全な場所に錠をかけて保管されている。ハーディは彼の古いシャフトを取り戻したのである。

「ここ2年ほど、僕はシャフト的な“魔女狩り”を行なっていた」とハーディ。「あれは靴を見つけ出したシンデレラみたいなものだった」

このシャフトのパフォーマンスやフィーリングが大幅に違っていた原因は、シャフトの周波数が極度に高いことにあった(周波数は、振動計測機でシャフトが1分間に何回振動するかで計算される)。ハーディの使用するシャフトは、標準的なスチールのパターシャフトに比べ、2倍近く硬かったのである。

このシャフトに加え、ブラウンはハーディと共同で、彼の好む見た目、打感、そしてパフォーマンスを完全に満たした新しいパターヘッドの設計を行った。手始めに、ブラウンはSWAGゴルフの“ザ・ハンサム・ワン”パターを一通り試打のためハーディへと届け、その後、プロトタイプ製作のプロセスへと移行した。

ハーディは「はっきりとスクエア型」のスタイルのヘッドを好むも「トウ側のスイングがあり過ぎる」パターは好まないという。

ハーディのお眼鏡にかなうヘッドを作るべく、ブラウンはSWAGの研究開発チームとともに、見た目の微調整を続けた。SWAGの設計した新しいプロトタイプが3Dプリンターで製作されるたびに、ブラウンはハーディにメールで写真を送り、フィードバックを求めた。何度か3Dプロトタイプ製作とメールのやり取りを繰り返した後、ブラウンとハーディは完璧な見た目のパターにたどり着いた。

「フェースローテーションを抑えるため、ホーゼルの長さを変え、バンパーの中間セクションを遠くへ動かしたんだ。これによりニューポートっぽい丸みのあるバンパーではなく、よりニューポート2に近い見た目のバンパーになったね。そして、すぐにドロップする009のバンパーとも異なる見た目になった。これは焼入れを行なった303ステンレス鋼製で、ビーズブラスト仕上げでトーチ処理が施されている。また、360グラムと、彼が以前使用していた物より重くなっている」

バミューダで初めてこのパターを実戦投入して以降、ハーディは計8ラウンドで25アンダーをマークし、バミューダとマヤコバの両方でトップ25入りを果たした。

「パターはマネーだね」とハーディ。「このパターはスイングの具合やフィーリングが我が家みたいな感じで、これはかなりしっくりくる感触の物を使用しているように感じられるんだ。僕はマヤコバにて8連続でバーディを奪ったので、結果は上々というところだね」

そういえば、ブラウンの掘り出したシャフトの実際の品名は何なのだろうか?好奇心を満たす上でも、これは是非知っておきたいところだ。

「それは秘密にしておきたいね」と、ブラウンは苦笑を浮かべながら答えた。「あのシャフトは、“ニック・ハーディ。触れるな。”と書かれた箱に入っているんだ」

なるほど。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

情報提供:PGA TOUR

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2022年 ザ・RSMクラシック

  • 2022/11/17~2022/11/20
  • 優勝:A.スベンソン
  • 賞金総額:810万ドル
  • シーアイランド・リゾートGC プランテーションコース(ジョージア州)


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