PGAツアー2021-2022シーズン ギア10大ストーリー(後編)
ジャスティン・ローズが謎の新カスタム“JR”アイアンの製造元を明かす
かつてはPGAツアープレーヤーの使用するアイアンのブランドを特定することは容易だった。最近は、これが難しくなってきている。このところゴルフギアの世界では、これまで一般発売されているモデルのアイアンを使用していたPGAツアープレーヤーの間で、個人向けに製造された究極のカスタムアイアンが人気を博している。
潮目は変わりつつあるのだ。2022年だけを見ても、アダム・スコットが自身のロゴの刻印された三浦技研のカスタムアイアンをお披露目したほか、マーベリック・マクニーリーが“11番アイアン”を含むキャロウェイ エイペックスのプロトタイプアイアンのセットを、1年使用している。ジャスティン・トーマスも、彼の仕様に合わせて作られたこの世に二つと無いタイトリストのカスタムセットを使用している。
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そして、間もなく、このリストには新たなビッグネームが加わることになるかもしれない。
かつてのフェデックスカップ王者であるジャスティン・ローズが、ハロウィーンの日に彼の“JR”ロゴのみが刻印された謎のアイアンセットの画像をインスタグラムに投稿したのである。
ゴルフ界は、どこの用具メーカーがこのセットを設計し、製造したのかを割り出すべく、色めき立った。
幸運にも、我々はその答えを得るのに長く待たされることはなかった。
ローズはくだんの投稿から間を置かずに、GolfWRXのインスタグラムページにて、ガットウィックスタジオのカスタムゴルフワークスがこのアイアンをカスタムで組み上げたことを明かした。その後、彼はインスタグラムのダイレクトメッセージを通じ、GolfWRXに対してアイアンヘッドそのものは、スコットのカスタムアイアン同様、三浦技研により製造されたことを認めた。ローズはこのカスタム“JR”アイアンを実戦投入することやその時期について、現時点では完全には明確にしていないものの、それについて真剣に検討しているとしている。
大多数の選手は、使用するギアに関して、メーカーのツアーレップを伴い、大会の会場やメーカーの本社、あるいは選手のホームコースなどで、膨大なテスティングをしているが、ローズは今年、独立したオフサイトのクラブフィッティング施設であるカスタムゴルフワークを年に数回訪れるという手法を採った。彼らは、今年ローズが使用したタイトリスト620MBアイアンのフィッティングも行なっている。
このフィッティング施設は、ここ10年ほどはDPワールドツアーの選手たちのクラブフィッティングを行ってきたが、一般向けにもフィッティングを行っている。また、同施設は特定の用具ブランドとアフィリエイト契約を結んでいるわけではない。今年に入り、ローズがタイトリストのクラブに変更したのは、単純にそれがテスティングした他のブランドの物より彼にとって秀でていたからである。
ローズにとって、アイアンを変えるのは新しいことではない。彼は2020年に用具契約フリーとなって以来、PGAツアーの大会で複数のアイアンセットを使用しており、このリストにはテーラーメイドP-730アイアン、ミズノMP-20アイアン、テーラーメイドP-7MCアイアン、そしてタイトリスト620MBアイアンが含まれる。
今回のローズの新しいカスタム“JR”アイアンは、彼の好む見た目や仕様に特化して作られているようなので、彼によるアイアン探訪もいよいよフィニッシュラインに達するのかもしれない。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)