BMW選手権 初日リーダーボード
2022年 BMW選手権
期間:08/18〜08/21 場所:ウィルミントンCC(デラウェア州)
ジャスティン・トーマスの新しいスコッティキャメロン ウルトラカスタムパター詳細
ジャスティン・トーマスは、自分専用に作られたこの世に2つとない「スコッティキャメロン T5 プロトツアーオンリーパター」を使用し、5月の「全米プロゴルフ選手権」を制覇した。軽くミーリングの施されたフェースに彼のイニシャルが刻印されたパター。打音調整のためバックキャビティにアルミ製のプレートが装着され、トゥハングを改良するためホーゼルセクションが“ナックルネック”デザインになっている。“ナックルネック”は、ホーゼルの上下を短いシャフトでつなぐ構造になっている。これには、ネックを長くしつつ、重量を増やし過ぎない意図がある。
このパターは、成功を証明しつつ、疑いようのない“クール”な要素を備えているにもかかわらず、実は今週の「BMW選手権」でベンチに下げられる危機に瀕している。
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大会前の火曜に、「全米プロ」2勝と「プレーヤーズ選手権」1勝を含むPGAツアー15勝のトーマスのために作られた、新しい「スコッティキャメロン T5 プロトツアーオンリー カスタムパター」がウィルミントンCCに届いたのである。最大の変更点のひとつは、その長さだ。この新しいパターは34インチで、これまでのパターより0.5インチ短くなっている。
「僕のパッティングは、(左肩を上げて)ちょっとこっちに行って、オープンになる傾向があるんだ」とトーマス。「これまでかなりたくさんパトリック・カントレーと一緒にゴルフをプレーしてきた。見ても分かる通り、彼の腕はとても長く、パターはとても短い。僕は、彼の腕とクラブがいかに自然に調和しているか、一方で自分はそうなっていないことに気がついたんだ。そして、それが僕の悪い傾向と関係しているのではないかと思ったんだ」
「もし、セットアップがもう少し快適にできれば、気にすることが一つ減ることになる」
トーマス個人の「JT」ロゴがバックキャビティに、そして彼のイニシャルがフェースのトウ外側に刻印されていることからも、この新しいパターがトーマス専用に組み上げられたのは明らかである。スコッティキャメロンのプレーヤー担当者であり、このパターのフィッティングプロセスに深く関わったドリュー・ペイジは、火曜の9ホールの練習ラウンド前に、出来立てのパターをトーマスに届けた。
しかし、よくよく考えてみると、トーマスは新しいパターを模索していたわけではないのでは?
その答えを得るには、「ジェネシス招待」まで時計の針を戻す必要がある。この時、リビエラCCにおいて、トーマスと彼の父親でスイングコーチのマイク、パッティングコーチのジョン・グラハム、そしてペイジは試打セッションを行ったのである。
このセッションで、トーマスは長さの異なる何本かのスコッティキャメロンT5パターを試した。それまでの実戦使用パターは34.5インチだったが、この時、彼はより短い34インチ、そして33.5インチのオプションの試打を望んだ。トーマスは、まだその時点ではパターの変更に踏み切る準備ができておらず、その後、「全米プロ」優勝パターへの変更は実行するも、長さは34.5インチのままだった。
ただ、それでもまだパターの長さには何かしっくりこないところがあった。トーマスは両肩の高さがそろい、両腕がより心地良い位置でぶら下がることで、視線のラインを補助することを望んだのである。ナックルネック、滑らかなフェースのミーリング、そしてバックキャビティのアルミ製プレートなどカスタマイズされた変更点は気に入っていたトーマスだったが、今一度、短いパターを試してみることにした。
こうして、34インチのスコッティキャメロン T5 プロト“JT”カスタムマレットパターは誕生し、彼は新しいパターを目にしたその日に使用したのである。
ペイジは火曜日、「これは今朝届いたばかりなのです」と新しいJTロゴ入りパターについて述べた。「実のところ、全ての始まりは、2月のジェネシスまで戻ることになります。ジャスティン、そして彼の父とパッティングコーチのジョン・グラハムを交え、彼のセットアップのポジションで、何が心地良くて何がそうでないのかを確認し、彼の模索するストロークを繰り返せるよう、彼がより良く、より一貫性のある姿勢を取れるようにしました」
「実際のところ、我々はその週に何本かのパターを送りました。当時、彼は13勝を挙げた(スコッティキャメロン)ファントム5.5を実戦で使用していました。そのため、我々は同じモデルで0.5インチ短い34インチのパター、そして1インチ短い33.5インチのパターを送りました。彼は単に、何が良くて、何が良くないかを試していました。彼はその週には、変更する準備が整っていませんでした」
「その後、彼のパッティングは好調でしたが、その数カ月後には再検討。また短いパターを試しつつそれまでの実戦モデルを使用し、最終的には米プロゴルフ選手権で優勝したナックルネックのファントム5に変更した。それでも我々は彼のセットアップが心地良くなる何かを模索し続け、パッティング映像を見ながら、彼の両肩を水平にし、両腕を楽に垂らし、パターを見下ろす時の目線を助けようとしたのです」
「彼が全米プロで優勝すると、我々はその時の実戦使用モデルをもとに、短いパターを組み上げることにし、今週彼はそれを手にしました。きょうはその初日であり、これが実戦投入されるかどうかは今後の成り行き次第ですね」
果たしてこれは、全米プロ優勝パターを脅かして性能を上げさせようとするための策略なのか? 実際に変更に踏み切るのか?
その答えは大会で公式にティアップする木曜日、明らかになる。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)