最新1Wにナイキ3W スコッティ・シェフラーの初Vギア
2022年 WMフェニックスオープン
期間:02/10〜02/13 場所:TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)
S.シェフラーがフェニックスで使用した優勝パターの裏話
スコッティ・シェフラーがPGAツアー初優勝を飾った前週の「WMフェニックスオープン」。現フェデックスカップ王者であるパトリック・カントレーとの3ホールに及ぶプレーオフを制しての勝利は、長年のハードワーク、根気、そして類まれな才能に起因している。さらに、大会の週に変更したパターにもほんのわずかではあれ、手柄を分け与えるべきだろう。
シェフラーはこれまでのところ、キャリアを通じてほとんどパターを変えておらず、スコッティキャメロン ツアー RAT 1 プロトタイプ パターを使ってきた。しかし、2022年を迎えるにあたり、少しばかり違った見た目のものを模索していた。
<< 下に続く >>
シェフラーは2021年12月、スコッティキャメロンのツアーレップ、ブラッド・クロークと作業をするため、かの有名なカリフォルニアのスコッティキャメロンパタースタジオを訪れた。
訪問前にシェフラーは自宅でスコッティキャメロン ニューポート 2 タイムレスを試していた。知らない方のために説明しておくと、スコッティキャメロンのニューポートは、ニューポート 2に比べ、形状が丸みを帯び、柔らかいエッジとなっている。シェフラーは自宅で使っていた、少し見た目の異なるニューポート 2 タイムレスパターを気に入っていたものの、自分のストロークにピッタリ合う物を欲していた。そして、それを行う上で、フィッターがウェイト、外見、形状、そして素材に調整を施してくれるスコッティのスタジオに勝る場所はなかった、というわけだ。
「シェフラーは見た目が若干異なるパターをあつらえることで、少しの変化を加えたかった」とクロークはタイトリストのプレスリリースの中で述べた。「彼はスタジオを訪れる前に、自宅にあった古いニューポート 2 タイムレスパターであれこれ試していた。大量の鉛テープをソールに貼り、スーパーラットと同じスイングウェートにするよう調整していたんだ。彼はパターの形状はとても気に入っていたのだけど、感触が完全に自分の求めるものになっていなかったので、我々は調整可能なウェイトで新しいセットアップを組むようにした」
もちろん、カスタムパターは一晩ででき上がるわけではない。シェフラーは新しいパターがスタジオから送られてくるまで待たなければならなかった。
したがって、シェフラーは2022年に入ってからの数戦は、実戦で使用したことのなかったニューポート 2 タイムレスパターを使用した。新しいスコッティキャメロン スペシャルセレクト タイムレス ツアータイプ GSS プロトタイプは、ようやく「WMフェニックスオープン」の前週に彼の元に届けられた。これは長さ36.25インチで、シェフラーのストロークと打感の好みに合わせ、ソールに25グラムのウェイトが2つ装着されたパターだった。
パターはすぐに実戦投入され、うまくハマった。この週、シェフラーはバーディパットの44.7%を沈め、パッティングのストローク・ゲインドで2位(+6.49)に入ったのである。
ギリギリの差の中で戦っているPGAツアーにあって、シェフラーは新しいクラブの助けを借り、いくつかの重要なパットを沈め、TPCスコッツデールでどうにか予選を突破した。シェフラーは金曜の17ホール目で10.5mのパットをねじ込んだのが物を言い、2位にわずか1打差の首位で週末へと駒を進めたのである。
「木曜と金曜は(キャディのテッド・スコットに)、本当にスコアが伸びないと、ずっと言い続けていたんだ。僕は素晴らしいゴルフをしていて、スイングは快調で、ショートゲームの感触も良く、パットの感じも良かったし、全てが良い感じだったのに、わずか3アンダーだった」と、シェフラーは「ジェネシス招待」の大会前記者会見で述べた。「金曜の午後は、真剣にカットラインと格闘していた。僕は7番で、カットライン上だった通算2アンダーにとどまる上で、2m前後のパーパットを沈めなければならなかった。そして、8番で12mくらいのバーディパットを沈め、9番では寄せワンを決めた。僕はカットラインが3アンダーになると思っていたので、あれは決めなければと思っていたんだ」
その後、シェフラーは週末に「62」と「67」をマークし、リーダーボードを駆け上がってツアー初優勝を果たした。
クロークと彼のフィッターの働きのおかげで、シェフラーはお気に入りのパターと、キャリア初勝利を手にすることができた。時として、ゴルファーのパフォーマンスの壁を乗り越える最後の一押しは、些細なことだったりする。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)