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2020年 ビビント ヒューストンオープン
期間:11/05〜11/08 場所:メモリアルパークGC(テキサス州)

あの頃、確かに輝いていた… アンソニー・キム 2010年優勝時の使用ギア

アンソニー・キムによる最後のPGAツアー制覇となった2010年「ヒューストンオープン」から、すでに10年が経過したというのは、信じ難いことである。そして、気性の激しいカリフォルニア出身の彼のダイナミックな存在感の不在が惜しまれるのは、言うまでもない。

その才能、あふれる自信、エネルギー、そして情熱は、2008年の「ライダーカップ」や09年の「プレジデンツカップ」での米国代表のチームメートにとってさえ、インスピレーションの源だった。キムが最後に出場したPGAツアーの大会は、8年前の12年「ウェルズファーゴ選手権」となっている。

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現在の彼のゲームの状態、あるいは彼の今後のプランについて本当に知っている者はいない。我々が知っているのは、ソーシャルメディアでたまに投稿される動画や画像の中で、いくつかボールを打ったり、ウェストハリウッドでランチを楽しんだりする彼の姿だけである。

今の世界で、キムがロリー・マキロイ(北アイルランド)、ジョン・ラーム(スペイン)、そしてブルックス・ケプカ、あるいはマシュー・ウルフコリン・モリカワといった新鋭たちとガチンコで勝負する姿を想像してほしい。ゴルフ界全体がキムの復帰を願っていると言っても過言ではないが、その日がやって来るまで、我々は過去の思い出で自分たちを満足させるしかない。今回、2010年「ヒューストンオープン」で使用した彼のギアを振り返るように…。

ヒューストンでの勝利は彼にとってPGAツアー3勝目となった。当時、彼はまだ24歳だった。その翌週の「マスターズ」で3位に入り、メジャーでの自己ベストを記録している。

当時、全身ナイキ契約(ナイキの用具ビジネス撤退前)のアスリートだったキムは、1打差の首位で72ホール目を迎えた。パーで優勝という最終ホールをボギーとし、ボーン・テーラーとのプレーオフという事態を招くも、1ホール目をパーとして優勝を遂げた。

バッグの中身はアイアンからウェッジにかけて、常にほぼ固定されていた。彼は当時ナイキのマスタークラフトマンだったマイク・テーラー氏(現在はアーティサンゴルフ)と仕事をしていた。キムはターフの抜け具合や、左へのミスをなくすことに徹底的にこだわった。しかし、ウッド系はまた様相が異なった。キムはキャリアを通じ「1W、低ロフトUT、2I」というセットアップから、「1W、3W、5W」というセットアップまで、複数の構成を試している。そして、ツアーフル参戦3年目にして、ようやくお気に入りの3Wを見つけた。

WRXは当時ナイキでツアーテクニシャンだったベン・ジュンタ氏と、キムのギアについて話す機会を得た。以下は彼の証言である。

GolfWRX: 当時トラックマンが一般的だったかどうか分かりませんが、キムはどのような数字をたたき出していたのでしょうか?

ジュンタ: 今やどこへ行ってもトラックマンを目にするようになったので、おかしな感じもしますが、正直、キムとトラックマンを使用した記憶はないですね。当時は、グレーで大型のナイキ製トーキングボックスを(計測器として)使用していましたが、彼のデータは覚えていません。彼はボール初速が時速175から178マイル(78.2から79.5m/s)の選手だったことに間違いはないと思います。

GolfWRX: マイク・テーラーは彼のアイアンに特別なことを施しましたか?あるいは、標準的なナイキのブレードアイアンだったのでしょうか?

ジュンタ: マイク・テーラーが彼のアイアンに若干の調整を加えたのは間違いないと思います。テーラーはすべてのナイキ契約アスリートに対し、そうしていました。しかし、キムは“箱から出したままの状態”でプレーするタイプの選手でした。一方、彼のウェッジはMT特別仕様でした。54度と59度のウェッジはいつも特別仕様で、59度にはトゥからヒールにかけて、特定のグラインドが施されていました。彼は素晴らしいウェッジの使い手でしたね。

GolfWRX: あなたが彼の用具にしたことで、特別なことはありましたか?

ジュンタ: 彼はものすごいショットメーカーでしたが、ミスはいつも左へのミスでした。常にウッドに何かしらの調整を施していたような気がします。常にオープンでフラットでした。キムはそこまで技術者肌の選手ではありませんでした。製品が何をすべきかはそこまで気にせず、とにかく普通に機能すればそれでOKでしたね。100パーセント、感覚派の選手でした。

では、彼が2010年にヒューストンで優勝した際のバッグを振り返ってみよう。

ドライバー:ナイキVRプロ LTD(9.5度を10度に調整)
シャフト:UST AxivCoreツアーブラック79X

フェアウェイウッド:テーラーメイド バーナーTS(3番13度)、ナイキ サスクワッチ DYMO(19度)
シャフト:UST AxivCoreツアーブラック89X

アイアン:ナイキVRプロ ブレード(3番-PW)
ウェッジ:ナイキVRプロ “MTグラインド”(54度、59度)
シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシュー S400

パター:スコッティキャメロン スタジオセレクト サークルT ニューポート2
グリップ:スコッティキャメロン ピストルレッド フルコード

ボール:ナイキ ONEプラチナム

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.COM)

情報提供:PGA TOUR

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