松山英樹を援護!A.スコット「良いショットは世界共通語」
2013年 プレジデンツカップ
期間:10/03〜10/06 場所:Muirfield Village Golf Club
ミュアフィールドビレッジ 18番ホールの改造劇
ジャック・ニクラスはここ10年の間、かつて彼が支配したミュアフィールドビレッジの18番ホールが、テクノロジーの進化に飲み込まれていくのを愕然と眺めてきた。
同コースで行われる毎年の「ザ・メモリアルトーナメント」で出場者の多くが次から次へと右側にあるドッグレッグのバンカーを越えていくのを見て、ニクラスはひとつバンカーを増やした。そして次の年にはもうひとつ、さらにもうひとつ。そしてまた、ひとつ…。
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今年の初め、ニクラスは「仕方なく、ホールの右側に9つバンカーを設置したんだ」と話した。「地上からは見えないけど、上空から見るとひどいものだよ」。
しかし今週、「プレジデンツカップ」を迎えるミュアフィールドビレッジは、それらのバンカーはまだ残されたままだが、新しいバックティが18番ホールに登場した。ゆくゆくはバンカーの数も減っていく予定だ。「大会の行方を決める大事なホールであるはずだし、我々もそうしたいと考えている」とニクラス。「今がそのときだと思う」。
今までの「メモリアル」では444ヤードだったホールの距離は、新しいティにより40ヤード伸びる。
フェアウェイの左側に沿って端から端までを流れる小川はそのままだが、こちらはあまり危険なものではなくなった。多くの選手がアイアンでティオフを行うか、あるいはドライバーで思い切りスイングするからだ。
2年前、ロバート・ガリガスはグリーンの手前76ヤードまでティショットを飛ばした。今夏の「ザ・メモリアルトーナメント」で、ガリガスはニクラスの元に歩き寄り、「今日は64ヤードまで寄せたよ」とつぶやいた。
ニクラスは言う。「奴の首を絞めたくなったね。わかるだろう?」
しかし、新しいティグラウンドによって、クラブの選択はドライバーか3番ウッドに絞られるだろう。良いセカンドショットをセットアップするため、ティショットでは充分な飛距離を出さなくてはならない。
「ドライバー仕様のホールがあるのは良いことだと思うよ」とは、「ザ・メモリアルトーナメント」覇者のマット・クーチャー。彼の唯一の不満は、多くの選手が指摘していることだが、新しいティはハザードが見えにくくなっている点だ。「ティの位置が低すぎるのか、あるいは斜面が食い込み過ぎてのだと思うよ」とクーチャー。「少なくとも、僕が望む以上にはね」。
ニクラスは当初、新しいティの設置については懐疑的だった。パー5の15番に食い込んでしまうことを懸念したからだ。しかし、最高責任者のポール・ラットショーは、米国ツアーのベストメンバーが去った後、数週間以内にその位置を15番のフォワードティとして利用することを提案した。「この企画から生まれた素晴らしいアイデアです」とラットショーは述べた。
その一方でニクラスは既に、来年には18番のバンカーを5つ取り除く計画をしている。「このホールは、本当はとにかく美しいんだ」と彼は言うのである。