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あれから1年、ドイツバンク選手権に挑むマキロイ

ロリー・マキロイ(北アイルランド)にとって、12ヶ月前は、12年も前のことのように感じているかもしれない。

昨年のこの時期、彼は「ドイツバンク選手権」と「BMW選手権」で連続優勝を達成した。記録的な快挙を成し遂げ、まさに彼は文字通り、世界のトップに君臨していた。

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しかし、今週TPCボストンに到着したマキロイは「シーズンを乗り切ること」だけをシンプルに臨んでいるようだ。

今年のマキロイは、ナイキ・ゴルフの“次世代の顔”として大きく紹介されながらシーズン開幕を迎えた。しかし、アブダビでは予選落ち、WGC アクセンチュアマッチプレー選手権は一回戦で敗退、ザ・ホンダクラシックではラウンド途中に棄権――。後で彼は、精神的に(あるいは歯の痛みで)良い状態でなかったことを認めた。

疑いようのない才能を持つ彼は、若干の時代遅れと言われながらも重めの負荷をかけるウェイト・リフティングで身体をいじめながら、「WGC キャデラック選手権」、「バレロテキサスオープン」、「ウェルズファーゴ選手権」、「ザ・プレーヤーズ選手権」でトップ10入りを果たし、復調したかに見えた。しかし、彼はそれでも、1年前の好調だった頃と同様にはプレーできていなかった。

2012年の米国ツアーシーズンの最初の3試合で、マキロイがトップ3圏外で終わることは1度もなかった。そして「ザ・ホンダクラシック」でタイガー・ウッズを抑えて優勝すると、彼の名は世界のトップのプレーヤーとして、ウッズに代わって世界1位にランキングされた。

まだ若いマキロイにとって、それはあまり馴染みのないポジションだったろうが、8月と9月の4試合で3勝を上げた彼は、確固たる地位を固めた。その間の5大会で、彼はトータル62アンダーを記録した。

今週の月曜日に発表された最新のランキングで、マキロイは、ウッズ、アダム・スコット(オーストリア)、フィル・ミケルソンに次いで世界第4位にランキングを落とした。マキロイは直近の5大会で、通算20オーバーと振るわない。「バレロテキサスオープン」以降は、日曜の午後の優勝争いにさえ加わっていない。

マキロイは、ゴルファーとしてのキャリアの序盤(そう、我々は彼がまだほんの24歳であることを忘れてはならない)に、最高の時を楽しんだ。ロープ内での逆境や、世間から見続けられることに直面したことはなかった。今年は、最悪の時を過ごしているようにみられる。道具の変更、マネジメント会社の変更、弾むように上機嫌なときや、時々不安定で不機嫌な時や……。そして噂された、交際相手との状況の変化について(後に真実でないことは分かった――彼は今も幸せそうにテニス界のスター、キャロライン・ウォズニアッキと交際を続けている)延々と質問攻めに合ってきた。

それは3年前にマーティン・カイマーが陥ったのとほぼ同じように、自信喪失とイライラが重なりながら、マキロイから彼の自信を少しずつ奪い取っていった。

マキロイの名は、2010年の全米プロゴルフ選手権で勝利を上げた直後の「ドイツバンク選手権」から世界ランク1位に躍り出た。しかし、彼はそのスポットライトを不快に感じた。そしてすべてを引きずってしまった彼は、コース上でもコース外でも、不快感を拭えずにいた。

「ゴルフだけの人生なんて、ないはずさ。そうだろ?」と、カイマー。「人生に占めるゴルフなんて、ほんの小さな部分なはずだ。人生は成功した時に、変わっているものさ」。

「邪魔が入ると、自分の焦点を少し見失ってしまうもの。ゴルファーは1日の終わりには、ゴルフボールとクラブだけを持って、プレーに専念しているべきなのさ。ゴルフはただのゲームのはずなのに、たくさんの人がプレッシャーをかけてくる。だから、何のためにゴルフをするのか、その意味と姿勢を少し見失ったことがあった。あれは、楽しいものではなかったね」。

願わくば今週、TPCボストンの地へ再び戻ってきたマキロイ(カイマーと違って若くしてスターダムの試練に直面してきた彼は、同時に葛藤とも戦ってきた)が、復活の兆しとなる何かのスパークを手にして欲しいものだ。

1年前、3日目と最終日に続けて「67」を記録したマキロイは、ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)に1打差で勝利した。今回、もし彼が優勝するようなこととなれば、それは彼にとって2,500フェデックスカップポイントよりも、更に大きな価値あることとなるだろう。

「これからの残りの大会では、何か良いものを獲られる機会があるといいね」と、マキロイは言った。

復調の兆しも、ある。

マキロイは、オークヒルで開催された全米プロゴルフ選手権で8位タイに入った。2大会連続でメジャー大会の予選落ちを免れるため、第2ラウンド終盤の7ホールで4バーディの猛チャージを見せた。2日後、彼は首位から6打差につけて最終日に挑んだが、不安定なスタートを切った 。しかしマキロイは、トップ10よりも大切な何か―自信―を取り戻すため、終盤の13ホールで3バーディをマークして、復調した。

先週の「ザ・バークレイズ」では、マキロイは19位タイになり、2日目には「65」を出すなど、彼の奥深くに眠る潜在能力の高さをキラリと示した。

2ケ月前と現在の状態を比較してどうか、と聞かれたマキロイは、「ずいぶん良くなったよ」と、答えた。「ボールをコントロールできるようになりつつある。今はまだ、昨年の今頃のように完全にコントロールできる程ではないけれど、でも、いい試合さえできれば、残りの数試合は、上位争いに加わるには十分なくらいのコントロールは戻ってきてると思うんだ」。

注目したいのは、特に今週だ。

TPCボストンは、マキロイのようにキャリーで300ヤードもボールを運べる選手にとっては、好都合なコースだ。

「自分が優勝したトーナメント開催地に戻ることは、いつだって、ポジティブな気持ちにしてくれるし、気分良く迎えてくれる」と、マキロイ。彼はさらに、バカげた小さなメンタルエラーには気をつけたい、と付け加えた。「僕が獲得した2つのメジャータイトルについては、どこか違う場所へ戻って来たような、そんな気がして、“タイトルを守る”っていう感じがしなかったんだ。このゴルフコースは、相性も良いしね」。

マキロイが自ら切り出した、小さなメンタルエラーは、今季のラウンド中にしばしば見受けられたが、それは昨シーズンのマキロイには、なかったものだ。

1年前、彼のスクランブリングは33位で、バウンスバックでは58位だった。今シーズンはそれぞれ、155位と123位だ。

優勝のカギを握るとされる75~150ヤードからのGIRも、いまひとつだ。例えば今シーズンの125~150ヤードからのGIRは184位で、昨年の46位と比べると、大幅に下落しているのが分かる。

それらすべて重なって、彼のパッティングにプレッシャーを与えて来たのだ。言わずもがな、パッティングとは、ゴルフの中で最ももろい部分だ。

しかしマキロイにとって、これらの些細な問題は、深刻な問題ではない。彼はいま、1年前に誰もが惚れぼれした、あの頃の彼に少しずつ戻りつつある。彼は顔を上げ、胸を張っている。そして何より、彼の表情に笑顔が戻ってきた。

「僕は、勝利を求めているんだ」と、マキロイ。「ここ何週間かはとても大事だ。もし1つでも良い終わり方ができれば、ツアーチャンピオンシップに進むことができる。そこから先は、何が起こるのか、誰もわからないからね」。

情報提供:PGA TOUR

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