フィニッシングホールで風を切り裂け 5人目のPGAツアー日本人王者誕生の地
2019年 RBCヘリテージ
期間:04/18〜04/21 場所:ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)
入場券に自分の写真が 小平智は王者の歓待に「照れくさい」
◇米国男子◇RBCヘリテージ 事前情報(17日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71)
今年のディフェンディングチャンピオンはずいぶん遠慮がちだ。前年、日本人史上5人目のPGAツアー優勝を飾った大会に臨む小平智は、コースで受ける歓待に「照れくさいですね」と、ちょっぴり気恥ずかしく連覇のかかる週を過ごしている。
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1969年に「ヘリテージゴルフクラシック」として始まった大会はアーノルド・パーマーを初代王者として、その後ジャック・ニクラス(75年)、トム・ワトソン(79年、82年)、ニック・ファルド(イングランド/84年)、ペイン・スチュワート(89、90年)ら伝説的選手が歴代覇者に名を連ねてきた。小平は昨年、節目の50回大会で優勝した。
メジャー第1戦「マスターズ」を終えた翌日15日(月)の午前にはコースでセレモニーに出席し、その後もコースのあちこちでサインを求められている。看板やギャラリーの入場チケットも、自身の写真がプリントされたものだ。
「うれしいですけど、あまり注目されたくない、ひっそりとやっていたいタイプ。自分の顔も好きじゃないし…」と苦笑いしながらも、改めて勝利の味をいま、かみ締めることができる。「あの時は何も感じていなかったんですけど、優勝してからいろんな人に声をかけられたり、(場内の様子を)見たりすると『スゴイ試合だったんだな…』と思う」
開幕前日はプロアマ戦に出場した。アウト9ホールを回って最終調整し、「短いパットをぽろぽろ外してしまった」が、3アンダーで回ってきた。「調子はいい」と思える。
そうは言っても、小平の心構えはあくまでチャレンジャー。「いつもと変わらず、です。だって僕より世界ランクが上の人が何人もいる」。今大会は世界ランキング1位に返り咲いたばかりのダスティン・ジョンソンをはじめ、トップ10選手が4人。現在68位の小平より上位の選手は37人もいる。
予選ラウンドで同組になったマット・クーチャー、ブライソン・デシャンボーもツアーが誇るタレントたち。「挑戦する気持ちの方が強い」と謙虚に立ち向かう。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)