石川遼は94位→45位で予選突破 来季出場権へ望みつなぐ
石川遼は首の皮一枚つながる「モヤモヤな自分にお別れ」
◇米国男子下部・入れ替え戦最終戦◇ウェブドットコムツアー選手権 2日目(29日)◇アトランティックビーチCC(フロリダ州)◇6849yd(パー71)
初日94位と出遅れた石川遼は2日目、8バーディ、2ボギーの「65」で回って通算6アンダーの45位に浮上。土壇場で決勝ラウンドに残り、来季の米ツアー出場権獲得へ望みをつないだ。
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予選通過を逃せば、出場権は絶望的な状況。石川は終盤に真価を発揮した。ボギーを喫した直後の1オン可能な17番(330yd)。左サイドに池の構える難所で、アイアンで刻んで2打目勝負を選択した。フェアウェイから残り95ydでサンドウェッジを振り切ると、ピン奥に着弾してバックスピン。80cmまで寄せた。表情を一切変えず、この日クロスハンドに切り替えたパターでバーディを奪った。
最終18番でも窮地に陥った。フェアウェイから3Iで放った2打目は大きく右に出て、グリーンを囲む観客席の裏に。救済を受けて隣の10番ティから仕切り直しの3打目を3mに寄せてバーディで締めた。「一喜一憂しないで1打1打やっていくというのが何年ぶりにできたんだろうって思う」と語った。
初日は後半の2ホールで池に3回入れ、6ストロークを失う大乱調に思わず涙をこぼした。前半最後の18番で短いバーディパットを外して集中力を欠き、「(18番で)自分を否定して、うまくいく気がしなくなった。すごく悔しかった。ここにいる意味がないって」と振り返った。
「このまま終わっていいのか」と自問自答。この日のプレーに「たまっていたモヤモヤを吐き出せた。これまで、この先どうなるんだろうっていう不安もあった。そういう自分と『お別れ』できたと思う」と吹っ切った。
ただ、現在の順位で試合を終えると賞金ランクは30位で、出場権圏内の25位に到達しない。首の皮がつながっただけだ。「気持ちは変わらない。もっとできる」。週末に全てをかける。(フロリダ州ジャクソンビル/林洋平)