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スピースをねじ伏せたビッグドライブ DJが年間王者に弾み

◇米国男子◇ザ・ノーザントラスト 最終日(27日)◇グレンオークスクラブ(ニューヨーク州)◇7346 yd(パー70)

左ドッグレッグの18番(パー4/475yd)は、左サイドに池が構える。プレーオフ1ホール目。そのとき、追い風が吹いた。ダスティン・ジョンソンは迷わず、池の方向を目がけて1Wを強振した。341ydのビッグドライブ。セオリーどおりにフェアウェイを狙って先に打ったジョーダン・スピースのボールを遥か後方に置き去りにした。残り94ydから1mに寄せ、今季4勝目。若き才能を力でねじ伏せ、年間王者を争うフェデックスカップランキングでもトップに躍り出た。

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2日目から首位を守るスピースと3打差で迎えた最終日の2サムラウンド。ライバルに先行を許し、前半5番を終えて5打のリードを許した。

「このコースは厳しいから何が起きるかわからない。悪くなかったし、自分にできることに集中した」とジョンソン。潮目が変わったのは、打ち上げの9番だった。ジョンソンが先に2mを決めて初のバーディを奪うと、スピースは1mのパーパットをミスした。1打差に詰め寄り、逆転劇を期待するギャラリーの歓声が次第に増えた。「9番までは流れが悪かった。流れが変わるという意味では大きかった。初めて良いパットを打てて、ねばれたよ」。

一進一退の攻防が続き、2人はトップに並んで最終18番に入った。ジョンソンの1打目が深いラフにはまり、下り5mのパーパットを残した。慎重にラインを読む。静寂の中でコロコロと転がったボールは、カップの右フチから半周ほど弧を描いてストン。最高潮となった観客のボルテージをさらにあおるかのように、豪快に拳を握った。

「あれは良く決まってくれたと思うね」と振り返り、「スピースは本当に偉大な選手だ。良い勝負が出来て光栄だ」とねぎらった。

ツアー3連勝で迎えた4月の「マスターズ」開幕前にケガを負い、無念の欠場。その後、勝利からは遠ざかっていた。初の年間王者に向けて弾みをつけた世界ランク1位は、こう語った。「残り3戦に向けても自信になった。いま僕はベストの状態に戻ったはずだ。そして、すべてはマスターズにつながっていると信じている」(ニューヨーク州オールド・ウェストバリー/林洋平)

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