石川遼は“AIドライバー”でシンガポール出陣へ
2016年 CIMBクラシック
期間:10/20〜10/23 場所:TPCクアラルンプール(マレーシア)
石川遼 公傷明け初戦で1年2カ月ぶりトップ10
◇米国男子◇CIMBクラシック 最終日(23日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇6951yd(パー72)
石川遼は8カ月ぶりとなる米ツアー復帰戦を10位で終えた。11アンダー9位タイから出ると、3バーディ、1ボギーと静かなゴルフで「70」。通算13アンダーとして、前日からひとつ順位を落としたものの、昨年8月以来となるトップ10入りを果たした。
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ショットの調子は低迷したまま。頼みのパットも日が経つに連れて、地団駄を踏みたくなるシーンが増えた。この日は、序盤2番でフェアウェイ左サイドからの2打目を右に曲げるミス。ボールの落としどころからカップまでは距離がなく、下り傾斜になる“行ってはいけない”ラフに入れ、ボギーを先行させた。
直後の3番、5番と短いパー5でバーディを奪い返し、6番ではティショットをカート通路よりも左に曲げた後、グリーンに何とか乗せて7mのパットを流し込むという、石川遼の魅力が詰まったリカバリーを見せたが、バーディはこれが最後だった。パーが並ぶ展開に「ショットでリズムを取っていけなかった。バーディパットも『これでもか』という長いところから打っている。このゴルフじゃ厳しいなと思う」と猛省した。
バーディの数は初日と2日目の6から、3日目は5。最終日は3つに減った。それでも石川はピンチをアプローチとパットでしのぎ、4日連続でアンダーパーを記録した。腰椎の故障からカムバックし、2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」以来となった主戦場のレベルの高さを改めて痛感しつつ、「ショットで2打、3打と損をしている感じがある中で、ベストを尽くすことはできたのかな」という手応えもある。
2季前となる2014―15年シーズンは、トップ10入りが15年5月「ザ・プレーヤーズ選手権」と同8月の「クイッケンローンズナショナル」の2回だけ。故障した昨季は6試合の出場で最高成績は35位だった。ツアーの公傷制度を適用されて復帰した今季は、まず出場可能な計20試合でフェデックスポイントを399pt稼ぎ、21試合目以降の出場資格を維持するのが最初のターゲット。その初戦でまず62ptを手に入れた。
1週のオフを挟み、次はネバダ州ラスベガス近郊のTPCサマリンで行われる「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」(11月3日~6日)に出場する。3年前には2位になった大会だが「ほかのコースでも通用するようなショットができてこないと、なかなか難しい」と気に緩みはない。厳しく自分を見つめながら、米本土での戦いに再び身を投じる。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)