松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
2016年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/05〜05/08 場所:クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)
101位→11位 松山英樹、不満の4日間と課題
初日を終えた段階では101位と予選落ちの危機に瀕していたはずだった。それがどうだ。日々順位を上げて、終わってみれば11位。ノースカロライナ州で行われた米国男子ツアー「ウェルズファーゴ選手権」。1アンダーの19位タイから最終日のプレーをスタートさせた松山英樹は5バーディ、2ボギーの「69」でプレーし、通算4アンダーでフィニッシュした。
優勝争いからは離れた位置。スコア上では静かな前半9ホールにも見どころは多かった。1番で3パットボギーを叩き「ダメだと思った」と、やさぐれかけた序盤戦。5番(パー5)で左の林の中から7Iでフックをかけ、グリーン奥のエッジまで運んで最初のバーディを奪うと、6番(パー3)ではカラーから7mを沈めてパーを拾い、大歓声を浴びた。
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復調の手応えがあるアイアンショットを武器にしてグリーン上で悩んだが、10番(パー5)の1.5mのパットをきっかけに浮上する。「どうしたらいいのかなと思って、力抜いてパーンと打ったら入っちゃった。『こういう感じでパターは打つのかあ』と思った」。11番で3m、12番では7mの下りのスライスラインを通してカップに流し込んだ。
今季5度目のトップ10入りは逃したが、初日からのジャンプアップが光る。だが本人は「あんまりそこは関係ない。初日の順位が悪くても…“2日間の予選”なので。どんな順位であれ、予選を通ること、それを続けることが大事」と意に介さない。やっぱり気になったのは「アプローチ」の出来。「ヘタクソですね…きのう練習したんですけど、コースに出るとうまくいかない」。
3連続バーディを呼び込んだ10番のグリーン左からの寄せも気に入らなかった。15番(パー5)は3打目のアプローチが下りのラインで止まり、4mを残してバーディを逃した。「イメージ通りのところに落とした」というから余計に未熟さを痛感する。「止まることを予想できない自分が悪い。寄るイメージを作って、出来ないと意味がない。あそこは入るイメージで打ったんですけどね(笑)。どういう落ち方か考えて、読んで打たないといけない」
ツアー5位(69.947)の平均ストロークの原動力はやはり、ショット能力の高さによるところが大きい。パーオン率70.54%は、12位を誇る(いずれも前週までの記録)。要するに、ほかの多くの選手よりもチップショットの機会自体が少ないのも、松山の特徴だ。「練習と本番は違う。本番は1回しかないし、練習ではない場面も多い。同じ練習でも、本番をイメージしてやらないと。練習と本番も、カップの大きさは変わらないですからね」
次週は「ザ・プレーヤーズ選手権」。4大メジャーに次ぐ“第5のメジャー”として知られるが「ティショットとアプローチ、パターをどうにかしないと。あと3日間ある。そこ“だけ”練習して頑張ります」。いまのところタイトルの大きさよりも、自分の改善点ばかりが頭にありそうだ。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)