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2015年 プエルトリコオープン
期間:03/05〜03/08 場所:トランプインターナショナルGC(プエルトリコ)

観客席越えショットも披露 石川遼の巻き返しのカギは

プエルトリコのトランプインターナショナルGCで開幕した米国男子ツアー「プエルトリコオープン」初日。東北東から突風混じりの強い風が吹き荒れる中、石川遼は4つのボギーに対し、イーグルを1つ奪い「74」として2オーバー63位タイで滑り出した。

横風の影響を受けるホールが続く前半インで、石川のショットは左右に乱れた。スタートから10ホールでフェアウェイを捕らえたのはわずか2回、パーオンに成功した4ホールもバーディパットはいずれも10m前後を残すなど、守りのゴルフを強いられた。

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平均ストローク「4.36」と最も難しいホールだった13番。2打目は低弾道のドローボール狙いだったが、予想よりも風の下を潜るような球で、グリーンを左奥にオーバー。ウォーターハザードは免れたが、3打目でもグリーン面に届かず4オン1パットのボギー。17番では4Wでのティショットを左に曲げ、ヤシの木群の中に入ってしまうトラブルから2つ目のボギーを叩いた。

それでも18番では観衆を大いに沸かせた。右ラフから追い風に乗せて2オン狙ったショットは、グリーン右サイドのギャラリースタンドよりも右にそれ、隣の14番ホールのティグラウンド(レディースティ)に止まった。臨時の動かせない障害物として救済措置を受ける選択があったが、石川は果敢にスタンド越えの3打目を選択した。

「ドロップできる場所がラフで、絶対スピンがかけられない状況。グリーン面も下っていて、(風は)フォローだった。完璧なショットを打ってもピンには寄らないと思った。観客席越えなら、ピンに対してのラインも良かった」。グリーン面でボールを止められずオーバーさせたが、続く4打目を寄せてパーで切り抜けた。

この日のもうひとつの見せ場は後半2番(パー5)。左からの追い風に乗った高弾道の1Wショットは319ヤードを計測。2打目はグリーン右、短く芝が刈られたエリアに止まった。グリーン面まで4メートル、そこからピンまで3メートルという状況で選んだのは2週前の「ノーザントラストオープン」からバッグに入れたロフト55度のウェッジ。柔らかいタッチでグリーン面手前にワンクッションを入れたショットは、ジャストタッチでチップインイーグルとなった。

ラウンド後は「締まりのないゴルフだった」とこぼしたものの、このイーグルをきっかけにショットの精度は見違えるほどに高まり、残り7ホールでフェアウェイを外したのは5番だけ。すべてパーオンとして次々とチャンスを作った。前週「ザ・ホンダクラシック」のバミューダ芝とは異なるパスパラム芝のタッチが微妙に合わず「手こずった。タッチが合っていなかった。自分の思うようなパッティングができていない」と決めきれないシーンが相次いだが、順応性次第で2日目以降に期待も残されている。

昨年の初日は31人が初日60台のスコアをマークしたが、今年はわずか4人と混戦模様だ。 初日後半に修正したショットの精度を続けることができれば十分上位に絡むチャンスはあるだろう。3年前、単独2位に入って米ツアーのシード権獲得に前進した大会で再び優勝争いに絡みたいところだ。(ゴルフ解説者アンディー和田)

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