松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
松山英樹 ショットに連日不満も“マジカル・チップショット”で応戦
ため息と喝采が入り混じるラウンドはきょうも続いた。カリフォルニア州のリビエラCCで開催中の米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」2日目。1アンダーの17位タイから出た松山英樹は2バーディ、3ボギーの「72」(パー71)とスコアを落とし、通算イーブンパーとして暫定26位タイで2試合ぶりの決勝ラウンド進出を決めた。
前日のプレー後、練習場でつかみかけた期待は淡くも消えた。「好感触?ありそうだったんですけど…きょうのラウンドでなくなっちゃいましたね」。アウトスタートのこの日、1番(パー5)で、7Iでしっかり2オンに成功して2パットバーディ。その勢いは続かなかった。ショットが完全復調に至らず、チャンスを作れないまま迎えた8番、9番ではいずれもフェアウェイからグリーンを外して2連続ボギー。
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「良くなりそうで、良くならない。特にアイアンもそうですけど、ティショットも良くない。きょうは状態が悪かったので、グリーンの広い方(ピンから遠いサイド)を狙ったホールでも、逆に狭いサイドに外したりした」。世界屈指のアイアン巧者らしくないミスが相次いだ。
パーオン成功は18ホール中10ホールという息苦しいゴルフ。だからこそ、一方でリカバリー力も目立った。打ち下ろしの315ydと短い名物パー4、10番では前日アイアンで打ったティショットで3Wを握る積極策をとったが、左のラフに曲げた。残り約50ydの続く2打目は、8Iで前方左からせり出た木の下を転がしてアプローチ。ボールは花道をつたい、傾斜で左に流れながら半円を描くようにしてピンそば30センチにピタリ。
「マグレですよ、あんなの。(ファーストバウンドが)思ったより手前に落ちたんですけど、意外と転がってくれてちょうど良かった」と照れたが、ツアーのウェブサイトや現地放送局は“マジカル・チップショット”のタイトルでハイライト動画を紹介。大きな拍手の中でバーディを決めた。
「もうちょっと状態が良ければ、ピンも狙える」と不満げな松山の理想に視線を合わせていると見落としそうになるが、36ホールを残して首位とはまだ6打差だ。「あしたも我慢して崩れないように。爆発すればチャンスがある。優勝のチャンスがあるところで終われるようにしたい。状態が良くなることを祈ります」。飄々とした表情にも、闘志をみなぎらせた。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)