松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
成長の証し 松山英樹はナイスアプローチでトラブル帳消し
タイガー・ウッズの主催イベント「ヒーローワールドチャレンジ」は3日目、フロリダらしい強い日差しが会場のアイルワースG&CCを包んだ。3アンダーの14位タイで第3ラウンドに出た松山英樹は「71」で回り通算4アンダーの12位タイ。中盤にミスショットでダブルボギーを叩いた後、ナイスアプローチを連発して後退するのをとどめた。
チャンスを活かしきれず、停滞ムードで進んだ12番、松山は大トラブルに見舞われた。左ラフから池越えの第2打は残り160yd。アゲンストの風が吹く中、奥からの下り傾斜を利用してピンを攻めるつもりが、ボールは大オーバーしてグリーン奥の花壇、木々を越えた。
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「フライヤーではなく、(感触は)むしろ池を越えるかなあという感じだった。球が落ちてこなくてびっくりした」。次の13番のティ脇からグリーンに乗せるのに2打を要し、2パットのダブルボギー。出場18選手中17位に後退した。
集中力の持続が難しくなった状況を救ったのはチップショット。15番(パー3)でグリーン左のセミラフから、ロフト60度のウェッジで下りのラインを伝わせてバーディを決めた。さらに17番(パー5)。ロングアイアンでの2打目を左にミスした後、背の高さ以上の砲台グリーンに対し、今度は50度でワンクッションさせて見事に寄せた。ボールはピンに当たりながらイーグルとはならなかったが、目の肥えた米国のファンは高難度のリカバリーに拍手喝采となった。
松山が2014年の成長ポイントのひとつに挙げるのがアプローチ。「まだまだですね。いいところも出始めているが、これがラフとか、もっとシビアな優勝争いをしている状況でもできるかと言われたら…」としたが「でも、こうやって下の順位でも、ひとつひとつやっていくことが大事だと思う。積み重ねが大事」。意識高く、その場の状況と向き合っている。
トップのジョーダン・スピースが前週「エミレーツ オーストラリアオープン」に続く2連勝に王手をかけた最終日は、今年最後の18ホールになる。「(通算)2ケタアンダーくらいを目指して頑張りたい。いい形というよりは自分がやりたいこと、しっかり今後につながるゴルフができればと思う」。何より、世界のエリートプレーヤーのひとりに選ばれた実力で再びファンを沸かせたい。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)